どんだけいいメロディを書くかは一番追求してきたところ

──唯一こだわりがあるとしたら、良い曲を作るっていうところなんでしょうか。

TAKUYA　それは、昔から変わらなかったところかな。どんだけいいメロディを書くかは、一番追求してきたところだから。「TREASURE」も、そこの延長線上だと思いますね。

──こだわりに関しては昔からそういう考え方なんですか？ 例えば、速い曲をやろうとか、メロディックパンクをやろうとか、そういう決まりごとは最初からなかったんですか？

TAKUYA　自分が曲を作ったときの全体像に向けて、素直にやっている感覚なんですよね。だから、曲によってのこだわりはありますけど、バンドとしてのこだわりはガチガチにはないですね。

KENSAKU　元々、「パンクやろうぜ」じゃなく「バンドやろうぜ」って始めたので。そのときに好きだった音楽っていうところで必然的にメロディックパンクをやることになっていったんですけど、そこを目指していこうぜっていう話もしていないですし。こうじゃないといけないっていうこだわりは、そのときからそんなになかったです。たまたま速くなった、っていう。

KO-01　そうだね。

KENSAKU　そのときも、一番いい曲と思う曲を作っていただけなんですよ。それが変化したのかわからないですけど、今の形になっていったっていう。

──じゃあ、GLORY HILLが思ういい曲の最新形が「TREASURE」？

TAKUYA　そうですね。「LOST」の流れを汲んでいますけど。

結局は自分の内面から出ている言葉

──歌詞に関しては、タイアップを意識して書いていたりするんですか？

TAKUYA　そうですね。これは台本をいただいて書いていったんです。今まで、そういうお題目があっても自分は歌詞を書けるんじゃないかなって思っていたんですけど、実際やってみたら難しくて（笑）。小説じゃなくて台本なんで、セリフだけで心情は書いていないんですよ。ましてや、前半の部分だけだったので。難航しましたね。

──お題に対して歌詞を書くことにも抵抗はなかったんですか？

TAKUYA　そこも抵抗なかったです。

──完全にドラマに沿って書いたんですか？ それとも、自分の心情も入れ込みながら書いたんですか？

TAKUYA　半々くらいかな。結局は自分の内面から出ている言葉なんで、台本を読んで書いたけれど、自分は絶対に投影されていると思います。

メロコアの発展したところを見せたかった

──また今作は、幅を広げた「TREASURE」の次に、これまで以上に男臭く、しかも全編英詞の「No Way Back」が収録されているっていうバランスがいいですよね。

TAKUYA　前の「LOST」のカップリングは良い意味で統一されていたので、今作ではそれを崩したかったんですよ。プロデューサーのJeffさんも、西野カナさんとかJUJUさんとか歌モノをやってますけど、根本はパンクな方なので。

KENSAKU　昔は80年代のパンクとか好きだったみたいで。この曲ができたときも、めっちゃカッコいいって言ってくれたし。

──Jeffさんは、歌モノのスペシャリストとして呼ばれていることはわかっているけれど、GLORY HILLとやるならこういう曲もやってみたいな、っていう思いはあったんじゃないですかね。

TAKUYA　そういう感覚はJeffさんから伝わってきました。

──バンドとしても、やっぱりこういう楽曲はやり続けたいんですよね。

TAKUYA　そうですね。「TREASURE」でポップな方向へ幅が広がった感覚はありますけど、根底にある速いテンポの曲も今でも聴きますし、影響を受けていますね。

──3曲目の「LETTER」は、GLORY HILLの武器のひとつであるコーラスが生かされまくっていて。

TAKUYA　バランスがいいんですよ。KO-01は高い声が出て、JUNYAは低い声が出て、その三声でハモれるんで、武器っちゃ武器だと思います。また、Jeffさんとやるようになって、コーラスワークも学ばせてもらうところが大きかったんで。

KO-01　難しいけどね（笑）。今までのコーラスとは違って、ライブで歌うには練習がいると思います。

──全体を総括すると、上にきれいな花を咲かせるほど、根は深く生やしていくっていうバンドの志が表れているシングルなのかなって。「TREASURE」がポップに花開いている一方で、カップリングはルーツをさらに掘り下げて根を生やしているように聴こえてきたので。

TAKUYA　ああ、それわかりやすいです（笑）。今回はインディーズベストもリリースするので、いわゆるメロコアの発展したようなところを見せたかったのかもしれないです。