音楽ナタリー Power Push - G-FREAK FACTORY「FREAKY」発売記念対談

茂木洋晃×TAKUYA∞(UVERworld)

旧知の2人によるロックバンド論

G-FREAK FACTORYがニューアルバム「FREAKY」を3月8日にリリースする。彼らにとって約3年半ぶりのフルアルバムの発売を記念して、音楽ナタリーでは茂木洋晃(Vo)とTAKUYA∞(UVERworld)の対談をセッティングした。2人は、TAKUYA∞がUVERworldの前身バンドで活動していた頃からの旧知の仲。さらにTAKUYA∞は知り合う前からG-FREAK FACTORYのファンだったという。しばしの空白期間を経て昨年再会を果たした2人に、出会った頃のエピソードや、TAKUYA∞が太鼓判を押す「FREAKY」について語り合ってもらった。

取材・文 / 小林千絵 撮影 / 草場雄介

10年以上前に競演

──お二人は旧知の仲とお伺いしました。

左からTAKUYA∞(UVERworld)、茂木洋晃(G-FREAK FACTORY)。

茂木 10年以上前くらいかな、滋賀県のライブハウスでよく一緒にライブをやってたよな。

TAKUYA∞ ハックルベリーですね。僕らはUVERworldの前身バンドで。

茂木 「すげえボーカルがいるなあ」と思ったな。

TAKUYA∞ 僕はもともとG-FREAK FACTORYが好きだったんです。名古屋のAPOLLO THEATER(現:APOLLO BASE)とかに観に行ってたんですよ、G-FREAK FACTORYやマキシマム ザ ホルモンなんかを。なかなか滋賀に来ないから(笑)。

茂木 マジか。

TAKUYA∞ そうなんすよ。で、ある日ハックルベリーで対バンできることになって。僕らのライブが始まる5分前ぐらいに駐車場に行ったら、G-FREAK FACTORYのメンバーが駐車場にたまってしゃべってるんすよ。「あ、この人ら絶対観る気ないわ」と思って(笑)。「あの、すみません。僕らこれからなんで、ちょっと観てください」って僕が声かけたの覚えてます?

茂木 いや、覚えてない(笑)。ていうか、そのバンド最低だな!(笑)

TAKUYA∞ 「せっかくやから絶対観てもらわな」と思って声かけたんですよ。そしたら「ああ、行くよ行くよ!」って言って観に来てくれた。

茂木 その頃からね、すごかった。やっぱボーカリストとしての振る舞いもそうだし、もちろんテクニックがすげえなっていう印象しかなかったな。

G-FREAK FACTORYが教えたロックバンドの打ち上げ

茂木 あとどこかの大学の学園祭でも一緒にやったよな?

TAKUYA∞ ああ、やりましたね!

左から茂木洋晃(G-FREAK FACTORY)、TAKUYA∞(UVERworld)。

茂木 俺、あの日のことをやけに覚えてるんだよね。

TAKUYA∞ 僕らがUVERworldになって最初のライブですね。

茂木 そうか! グラウンドの後ろで、誰かのライブを観ながら「メジャーに行くんです」って話をしたんだよね。

TAKUYA∞ そうでしたね。

茂木 懐かしいなあ。そのあとしばらく会わなくなって。まあお前のことは「Yahoo!ニュース」で見たりしてたけど(笑)。

TAKUYA∞ あはは(笑)。

茂木 スキャンダルとかさ(笑)。まあ「ウーバーすげえなあ」って一方的に追いかけてる感じで。もう俺のことなんか覚えてねえだろうなと思ってた。

TAKUYA∞ いやいやいや! そんなことないですよ。それにG-FREAK FACTORYと対バンして、打ち上げのやり方教えてもらってから、僕たちの打ち上げはえらいことになってますからね(笑)。

茂木 あはは(笑)。

左からTAKUYA∞(UVERworld)、茂木洋晃(G-FREAK FACTORY)。

TAKUYA∞ 覚えてます? もう書けないようなヒドいことをいっぱいやってて(笑)。そういうのを見て、僕たちはみんな「あ、これがロックバンドの打ち上げか」って感じてしまって(笑)。

茂木 あの頃は狂ってたね。とにかく足跡を残そうみたいなさ。あとは、金を使わずどこまで遊べるかみたいな時代だったから。

TAKUYA∞ 今、どんな打ち上げされてるんですか?

茂木 今はね、ちゃんと普通の大人な打ち上げをやってる(笑)。

TAKUYA∞ 勝手にやめるのやめてくださいよ!(笑)こないだAK-69とコラボレーションしたんですけど、僕たちの打ち上げ見て「ロックバンドの打ち上げ、すっげえな」って言ってました。

疎遠になった2組が再会

茂木 そうやって疎遠になっていったんだけど、あるときFMぐんまに行ったら「キャンペーンでUVERworldのTAKUYA∞さんがいらして『G-FREAK FACTORYの茂木さんによろしく伝えてください』って言ってました」って言われてさ。でもそのときは自分たちがちゃんと活動できてない時期だったから、申し訳ないというか……引け目ばっかり感じてて。自分がバンドをちゃんとやってないのに、昔仲良かったからって行くのも違うなって思って、ライブにも遊びに行けない時期で。その時期がけっこう長く続いてたんだけど、そういうときにTAKUYA∞が「茂木によろしく!」って言ってたって話を聞いたから「うれしいなあ、でもまだ会いにいけねえなあ」って思った。今思うと、それは違って「俺、元気でやってるよ」って会いに行かなきゃダメだったんだって思うんだけども。

TAKUYA∞ うんうん。

左からTAKUYA∞(UVERworld)、茂木洋晃(G-FREAK FACTORY)。

茂木 もし今、同じように思ってるバンドマンがいたら、会いに来てほしいなって思うし。昔一緒にライブをやってて、今は楽器を置いたり違うフィールドに行って失敗ぶっこいてたりしても、なんでもいいから会いに来いよって。自分は行けなかったから。TAKUYA∞のきらびやかなニュースとか、飛躍的な活躍とかをネットで見れば見るほど「うわあ、まだ俺、会いに行けねえわ」って思ってしまって。本当は“やっちまってる”ニュースとか見たらさ、「TAKUYA∞、やったな! で、どうすんの?」ってことを、飛んで行って言わなきゃいけなかったのにな。TAKUYA∞、落ち込んだだろうから。

TAKUYA∞ はい。

茂木 で、そんな時期を経て、去年の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」でひさしぶりに再会したんだよな。出演日が一緒だったから「俺のこと覚えてっかなあ」と思いながら、おそるおそるUVERworldの楽屋に行って。そしたら「うわあ、茂木さん!」ってTAKUYA∞が出てきてくれて。

TAKUYA∞ 10年ぶりぐらいでしたよね。僕たちがデビューしてから会えてなかったんで。

茂木 そうだよね。ひさびさに対バンって言うか、フェスだけど一緒にやれるようになったから……ステージは違うけど、同じ日にライブができたから、思い切って会いに行ってみようかなって思って。で、フードコートで一緒に飲んだら、何も変わってなかった。っていうか前より悪くなってた(笑)。

TAKUYA∞ はは(笑)。音楽の話なんて何もしなかったですね。

茂木 なんもしてない!

TAKUYA∞ 一瞬であの頃に戻りましたよね。

茂木 戻った。うれしかったなあ。

TAKUYA∞ 僕も会わない間、ちょこちょこG-FREAK FACTORYのことチェックしてたんですよ。「なかなかリリースないな」とか気にして、ライブ映像がYouTubeに上がったら観て、みたいな。僕は会いづらいみたいな気持ち全然なかったから、訪ねてきてくれたとき、ただただうれしかったです。「茂木さーん!」みたいな。

茂木 音楽をやめてたらそういう形では会えなかったから、やめなくてよかったなって思ったな、そのとき。

G-FREAK FACTORY ニューアルバム「FREAKY」 / 2017年3月8日発売 / BADASS
G-FREAK FACTORY「FREAKY」
初回限定盤 [CD+DVD] / 3240円 / BDSS-0030
通常盤 [CD] / 2700円 / BDSS-0031
CD収録曲
  1. ONE DAY
  2. KTKZ TO TAIYO
  3. Too oLD To KNoW
  4. ダディ・ダーリン
  5. HALF-DONE
  6. SOMATO
  7. イロハニホエロ
  8. APPLAUSE FOR THE LOCAL HERO
  9. Remain
  10. 奮い立て 合い燃えろ
  11. らしくあれと
  12. オレンジの街
初回限定盤DVD収録内容
  • 山人音楽祭2016(ヤマダグリーンドーム前橋 2016.9.24)
  1. Jam
  2. Unscramble
  3. 日はまだ高く
  4. SOUL CONNECTION
  5. ダディ・ダーリン
  6. Too oLD To KNoW
  7. EVEN
  8. MONKEY GOVERNMENT feat. HEY-SMITH(Horns)
  9. 日はまだ高く
  • ドキュメンタリー映像
UVERworld ニューシングル「一滴の影響」 / 2017年2月1日発売 / Sony Music Records
初回限定盤 [CD+DVD] 1700円 / SRCL-9353~4
通常盤 [CD] 1300円 / SRCL-9355
期間生産限定盤 [CD] 1400円 / SRCL-9356
G-FREAK FACTORY(ジーフリークファクトリー)
G-FREAK FACTORY

茂木洋晃(Vo)と原田季征(G)が中心となり、1997年に群馬県にて結成される。2013年8月にBADASSより約9年ぶりとなるアルバム「S.O.S」を発表した。以降、ミニアルバム「fact」、シングル「Too oLD To KNoW」「ダディ・ダーリン」と精力的にリリースを重ねる。また地元・群馬を盛り上げるため、2012年より「GUNMA ROCK FESTIVAL 2012」を企画・運営。2014年まで開催したのち、2016年に「山人音楽祭」と名前を換えて実施した。2017年3月にフルアルバム「FREAKY」を発売。

UVERworld(ウーバーワールド)
UVERworld

滋賀出身で幼なじみのTAKUYA∞(Vo)と信人(B)らを中心に結成されたロックバンド。2005年7月にシングル「D-tecnoLife」でメジャーデビューを果たす。2008年12月に東京・日本武道館、大阪・大阪城ホール公演を、2010年11月に初の東京・東京ドーム公演を実施。2014年にはサポートメンバーだった誠果(Manipulator, Sax)が正式メンバーとして加入し6人編成に。その後もコンスタントにリリースを続けながら、ホールツアーやライブハウスツアーを実施している。2016年11月発売のAK-69のアルバム「DAWN」にはフィーチャリングゲストとして参加。2017年2月にテレビアニメ「青の祓魔師 京都不浄王篇」のオープニングテーマ「一滴の影響」をリリースした。