音楽ナタリー Power Push - GOOD4NOTHING×TAKUMA(10-FEET)
キッズ心を持ったアラフォー5人座談会
別ジャンルに挑戦する「マッキン&来来キョンシーズ」
──違うジャンルの楽曲を演奏してみたいという気持ちにはなりますか?
TANNY 僕らBBQ CHICKENSのアルバムに参加したことをきっかけに「マッキン&来来キョンシーズ」っていう別名バンドをときどきやってるんですけど、そのバンドではハードコアとかメタルっぽいものをやっていて。初めてバンドで別のジャンルの曲をやったんですけど、めっちゃおもろかったです。いい息抜きにもなったし、またGOOD4NOTHINGとしてメロディックパンクに戻るときに新たなものを持って帰れたし。挑戦することっていくつになっても大事やなって思いましたね。
U-tan もっと違うジャンルも1回やってみたいなあ。
TAKUMA うん、やってほしい。
U-tan 昭和歌謡とか(笑)。
──でもきっとメロディックパンクに戻ってくるんでしょうね。
TANNY そうですね。「俺らはこれや」っていうのがメロディックパンクで、それをより新しい気持ちでやるための「マッキン&来来キョンシーズ」であったりもするし。
ドキドキしてたキッズ時代
U-tan TAKUMAくんのルーツってなんですか?
TAKUMA メタルやな。Metallica、Megadeth、Slayer……そこらへんのコピーばっかやってた。
TANNY 俺らはギルド行ってたときはパンクばっかり聴いてたな。
U-tan うん、Sex Pistolsとか。
TANNY ちょうどThe Exploitedとか速いパンクに目覚めたくらいかな。RancidとかNOFXとか……スケボーとパンクが一緒くたになって日本に入ってきて。
TANNY アメ村にもブート屋さんとかが並んでて。よく行ったなあ。
MAKKIN ガサガサで、再生しても何も見えへんようなVHS買ったりして。
TANNY そんなんを買いあさってたな。
TAKUMA ドキドキしたよな。
U-tan 夜中に放送してた「SONY MUSIC TV」って番組があったんですけど、その番組はよく洋楽がかかってて、大事な情報源やった。今やったらYouTubeでなんでも探せるじゃないですか。でも、あのときはなかったから。
TAKUMA そうやね。
U-tan あと俺らやったらTIME BOMB RECORDSに行って、店員さんのコメント見たり。
TANNY あのコメントとジャケットが命やったもんな。
TAKUMA わかるわかる! デモテープ買うのとかめちゃめちゃ楽しかったよな。
──アルバムに入ってる「GET DEAD DRUNK」はその頃のことを歌っているんですよね?
U-tan そうですね。自分がキッズだった頃の。
TANNY 10-FEETと初めて出会ったのもギルドでしたからね。
U-tan 俺らはお客さんでしたけど。俺らよくギルドの店長さんに怒られてたんですよ。「お前ら、ここに溜まるなって言ってるやろ」とか言われて。で、その人がバミューダ★バガボンドのドラマーやったっていう。
TANNY 去年の「SAKAI MEETING」に出てもらったので、満を持して謝りに行こうぜってU-tanと2人で「あのときはすみませんでした」って言ったら「お前らか!」って驚いてましたね。
「昔聴いてました」じゃなく「今聴いてます」に
U-tan 最近、若いバンドと話してたら「実は普通にお客さんでライブに行ってたんですよ」って言われたりすることが増えて。
TANNY 最近そのパターンほんまに多いな。
U-tan 「そんなんどうでもええやん。ステージでやり合って、そのあといい酒飲もうぜ」って思う。とはいえ、やっぱりそういう人と一緒にライブができるっていうのは幸せですね。ありがたい。
MAKKIN 「高校生の頃から聴いてました」「GOOD4NOTHINGのライブで知り合った人と結婚して子供ができました」とか言われたらうれしくなりますよね。そういうときに自分らちゃんとやってきてたんやなって思います。俺、楽しいという気持ちだけでバンドを続けてるのに、まあまあ誰かのためになってるんやなって思ったらすごくいいなって。
U-tan その「楽しかったらええ」っていうのが、バンドが続く一番シンプルな理由だよな。前回楽しかったら次はそれ以上楽しめるようにってやって、楽しめなかったらヘコんで次はもっといいものをって思う。
TAKUMA よく聴いてましたパターンは日に日に増えていくけど、俺は最近「『RIVER』聴いてダイブして“ました”」って言われたら自分にマイナス1点付けるようにしてて。絶対「今もあの曲聴いて“ます”」「また聴き始めて“ます ”」って言われるようにしてやるって思うようにしてます。
TANNY 俺も「高校のときライブ行ってました」って言われるとうれしいけど、正直「今も来いや」って喉元まで出かかるなあ。
MAKKIN 悪意は全然ないんやろうけどな。
TANNY そうやねん。120%愛しかないんやけど、「今も」を言わせられないとな、と。
U-tan どっちにしてもやり続けてないとそこにはたどり着けないんですよね。
MAKKIN こないだ「高校のとき聴いてて最近聴いてなかったんですけど、ひさしぶりにライブ来たら面白かったからまた聞きます」って言われて。
SUNE うれしかったですよね。
TAKUMA それ、うれしいな。
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- GOOD4NOTHING ニューアルバム「KIDS AT PLAY」2015年9月16日発売 / 2376円 / L.M.N.O.P. / LMNOP-003 / Amazon.co.jp
- 「KIDS AT PLAY」
収録曲
- WALK A WINDING ROAD
- KILL YOUR STEREOTYPE
- STOMPING STEP
- GOOD TIME
- IN THIS LIFE
- GET DEAD DRUNK
- I DON’T CARE WHAT PEOPLE SAY
- R310
- THE WAY BACK HOME
- STAND UP ALL MY DUDES
- Blank Letter
- UNDER THE SAME BLUE SKY
- ON THE LINE
- Start It Today
GOOD4NOTHING(グッドフォーナッシング)
TANNY(Vo, G)、U-tan(Vo, G)、MAKKIN(B)、SUNE(Dr)からなる関西在住のメロディックパンクバンド。2001年2月のマキシシングル「LET'S MAKE THE FUTURE」でのCDデビュー後、同年夏にリリースされた1stアルバム「GOOD 4 NOTHING」が1万枚のセールスを記録しその人気は全国区へ。2007年には「SUMMER SONIC 07」や「FUJI ROCK FESTIVAL '07」といった大型フェスの出演に加え、Madina Lakeとのシカゴツアーに参加。2010年には自身のレーベル「L.M.N.O.P.」を立ち上げ、アルバム「BACK 4 GOOD」を発表した。2012年1月にキャリアを総括したベストアルバム「GREATEST HITS!?」とニューシングル「RIGHT NOW」を同時発売。2013年3月には盟友THE CHINA WIFE MOTORSとともに、大阪・堺市にて主催フェス「SAKAI MEETING」をスタートさせた。2015年9月に通算10枚目のフルアルバム「KIDS AT PLAY」をリリースする。
10-FEET(テンフィート)
TAKUMA(Vo, G)、NAOKI(B, Vo)、KOUICHI(Dr, Cho)の3名によるスリーピースバンド。メロディックパンク、ロック、パンク、ヘヴィメタル、レゲエ、ヒップホップ、ギターポップ、ボサノバなどのさまざまなジャンルを取り入れたサウンドで人気を集めている。また精力的にライブ活動を続け、その迫力満載のライブパフォーマンスや人間味あふれる深いメッセージが込められた楽曲、笑顔を誘い出すキャラクターでもファンを魅了。さらに日本はもとよりアメリカや韓国、台湾でもライブを行うなど、活動の幅を世界に広げている。また自身で主催するフェス「京都大作戦」も例年大成功におさめている。