FUKI|LOVEからLIFEへ 素直な思いを歌う私の新しいスタイル

心地いい音楽を作ろう

──夏真っ只中の8月2日には、2ndフルアルバム「LIFE DIARY」がリリースされます。まずこのタイトルにした理由は?

1stアルバムの「LOVE DIARY」は愛をテーマにした作品だったんですけど、今回は愛だけでなく私という存在をアルバムの中で伝えたかった。恋愛だけじゃなく、日常や人生そのものを。だからこのタイトルにしたんです。

──アルバムを作るにあたって、こだわったことはありますか?

サウンド面に関して言えば、前作以上にアコースティックサウンドやバンドサウンドを取り入れたいという思いはありましたね。それと、より言葉やメロディ、声がリスナーの皆さんに響きやすくなるように心がけました。

FUKI

──アルバムの前半は新しいサウンドに挑戦していて、後半に入るとアコースティックサウンドを中心にしたシンプルなアレンジの楽曲が目立つ構成になっています。

そうですね。前半は、これまでの私の楽曲では想像できなかったタイプの楽曲に挑戦しながらも、ナチュラルな雰囲気を表現できているのかなって。

──中でも「HoneyDrops」は、1990年代のR&Bっぽいテイストで、途中にはラップのパートも入っていて、新しいFUKIさんの一面が垣間見えました。

そういうテイストの楽曲を聴くのが好きだったので、今回自分でも挑戦してみようと思ったんです。ラップはやってみて楽しかったですよ。曲にクールな感じを取り入れることができましたし。結果、幅広いリスナーの方々に楽しんでもらえる1曲になったと思います。

──トラックはアーバンな感じですけど、歌詞は海や星空などの自然を連想させるものになっていて、そのコントラストも印象的でした。

R&Bっぽいトラックで、さらに都会的な歌詞にしてしまうと、自分の伝えたい音楽表現とちょっと違うものになるかなって。どの曲にも、どこかにナチュラルな部分を必ず入れたいと思いながらアルバムを制作しました。

自分のことを包み隠さずに

──3曲目の「Sweet Love Soul」はラヴァーズロックの要素を取り入れた、タイトル通りスイートなナンバーですね。

これは “ちょっといけない恋愛”をしたときのことを思い出して作った曲です。

──そうなんですね。

今回のアルバムは、ごまかしとか虚勢を張るのはやめようと決めて制作したんです。以前は、歌詞に「明日があるから」とか「がんばろう」っていうような言葉を並べることが多くて、楽曲の世界と現実の自分にギャップがあったんです。でも今回は、自分のことを包み隠さず表現したいと思った。そのことで私の“ライフ”を皆さんに伝えられると思ったので。

──ありのままをさらけ出すことに抵抗はなかったですか?

普段からスタッフの皆さんには自分をさらけ出しているので、抵抗はなかったです。特にEIGOさんには、恋愛でうまくいかなくなったときにすぐに連絡して相談に乗ってもらうなどしていて。何かあったらすぐに話を聞いてくださって、今では家族以上の存在になっているかも(笑)。だから、このアルバムは自分の内面や思いに深く突っ込めた内容になったのかな。

──中でも「I Wanna Be」は、FUKIさんを支えている、すべての人への感謝や愛が伝わるようなバラードに仕上げられていますね。

この曲は、今から10年くらい前に生まれて初めて自分で作った曲なんです。だからこうやってアルバムに収録できる日が来たことがうれしいし、すごく不思議な気分です。

──改めて、ご自身の原点と向き合ってみていかがでしたか?

「HoneyDrops」や「Sweet Love Soul」は、今回初めて挑戦するタイプの楽曲だったので、どうやって歌えばいいのか探り探りの状態でレコーディングに臨んだんですけど、この楽曲に関してはライブで何度も披露しているので、歌詞やメロディが頭に入っているし、自分なりの解釈もある程度できているので、比較的スムーズに歌うことができました。また、10年前と自分の思いは変わっていないんだなってことにも気付きましたね。

──なるほど。アルバムの中盤に入っている「Stay with Me」は波音とアコースティックギターのシンプルな音色から、徐々に音が広がり変化していくドラマチックなナンバーですね。

実はこれが最後の最後にできた曲でして。私を含めスタッフ全員もレコーディングで疲れ果てていたんですけど、「この日までにもう1曲完成させないと発売日に間に合わない」という切羽詰まった状態でした。そんな状況で、シンプルな曲を作ろうという話になって、完成したのがこれですね。その頃は、ほかの楽曲収録で声がガラガラになってしまい、うまく歌えるのか不安があったんですけど、いざ完成したものを聴いてみると、それが逆に曲にいい味を出したんです。つまり、この曲にもごまかしのない私が反映されているんです。

──アルバムには、シングルにも収録されていたRakeさんの「100万回の『I love you』」と、サンボマスターの「ラブソング-Album Mix-」のカバーも入っています。ほかのアーティストの曲をカバーするにあたってこだわっていることはありますか?

オリジナルのイメージを崩さないよう、かつ私らしさを感じてもらえるように、ということを考えながらカバーをしています。

──カバーを歌うことで、曲作りの新しいアイデアを得ることは?

もちろんあります。私がカバーさせていただいている楽曲は、面白い構成の曲が多くて、時間が経っても色褪せない魅力があるので、特に勉強になりますね。

FUKI

これからのFUKIの音楽スタイルは?

──アルバムを通じてリスナーには、どんな景色や夏を感じてもらいたいですか?

これまで夏と言うと、私は友達と海で一緒にはしゃぐことが多かったんですけど、このアルバム制作を通じてそうじゃない楽しみ方もできるなって思うようになったんです。何も考えなくてもスーッと耳になじんでくるような音。こういう曲と共に、夏の夕暮れにビーチで過ごしたら心が解放されるんじゃないのかなって。私自身も挑戦したいと思います(笑)。

──夕暮れのビーチをバックに、FUKIさんのライブも観たくなりますね。

ありがとうございます。このアルバムを通じて、いろんなスタイルでライブができるようになるのかなと思います。例えば、鼻歌を歌うような気軽さでパフォーマンスもできたりするのかなとか。観客の皆さんとの距離も、これまで以上に縮むのではないかなと思います。

──楽しみにしています。今回の「LIFE DIARY」の制作を通じて、次につながるアイデアは見つかりましたか?

はい。これからにつながる経験をいっぱい吸収できたと思いますし、何年経っても歌い続けられる楽曲が完成したのかなとも思っています。

──それを糧に、これからどんな歌を届けていきたいですか?

「恋愛がうまくいかない」といった恋愛に関する曲も歌いたいですが、例えば「空がきれい」とか「雨が降っている」とか、日常の中で感じることや風景など、普遍的なことも歌い続けていきたいですね。日常のBGMとして生活に解け込むような音楽を作っていけたら。あとその瞬間にいいと思ったこと、その瞬間の自分を正直に届けたいと思っています。

PESコメント(「TWO the PARADISE feat. PES (RIP SLYME)」参加)
PES(RIP SLYME)

Q.「TWO the PARADISE feat. PES (RIP SLYME)」制作時で印象に残っているエピソードはなんですか?

デモの時点で完成度が高かったので、私のボーカル録りのあとにFUKIさんのボーカルもまだ歌い直すと聞いてちょっと驚きましたが、できあがりを聴いてFUKIさんのキャパシティの広さをわからされました。

Q.PESさんから見たシンガーFUKIさんの魅力はどんなところですか?

FUKIさんはとても飾り気のない方で、歌もトークもカジュアルなのですんなり聴けるなあと感じてます。

Q.FUKIさんにメッセージをお願いします。

アルバム完成おめでとうございます! PVにまで参加させていただいてありがとうございます。FUKIさんの今後の活動を楽しみにしています!

PES(ペス)
1976年生まれ、東京出身。ヒップホップユニットRIP SLYMEのMCとして、2001年3月にシングル「STEPPER'S DELIGHT」でメジャーデビュー。2ndアルバム「TOKYO CLASSIC」がミリオンヒットを記録し、一躍スターダムにのし上がる。RIP SLYMEの活動と並行して、2012年にはシングル「女神のKISS」でソロデビュー。YALLA FAMILY、YA-KYIM、tofubeatsなど数多くのアーティストの作品に客演で参加するなど、多角的に活躍している。
FUKI「LIFE DIARY」
2017年8月2日発売 / AndRec
FUKI「LIFE DIARY」

[CD] 2800円 / VICL-64813

Amazon.co.jp

[配信] 1900円

iTunes

※予約注文。2017年8月2日リリース予定

収録曲
  1. TWO the PARADISE feat. PES (RIP SLYME)
  2. HoneyDrops
  3. Sweet Love Soul
  4. 100万回の「I love you」
  5. TWO the OCEAN feat. SHEN (Aloha Damashii)
  6. HIBIKE
  7. Stay with Me
  8. Life Diary -instrumental-
  9. I Wanna Be
  10. ForeverMore
  11. ラブソング -Album Mix-
  12. TWO the PARADISE feat. PES (RIP SLYME) -MAGIC HOUR REMIX-
レギュラーラジオ番組

Fm yokohama「YOKOHAMA RADIO APARTMENT to the OCEAN」
毎週水曜22:00~23:20生放送中

「LIFE DIARY」リリース記念ライブイベント

2017年7月22日(土)神奈川県 ららぽーと横浜 1F セントラルガーデン
[1st STAGE] START 13:00
[2nd STAGE] START 15:00

2017年7月23日(日)神奈川県 タワーレコード川崎店 店内イベントスペース
START 17:00

2017年8月6日(日)神奈川県 タワーレコード横浜店 店内イベントスペース
START 16:00

2017年8月11日(金・祝)埼玉県 イオンレイクタウンkaze 翼の広場
[1st STAGE] START 14:00
[2nd STAGE] START 16:00
※全会場、観覧無料

ライブイベント

音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2017
2017年8月5日(土)神奈川県 三浦海岸

渋谷レゲエ祭~レゲエ歌謡祭2017~
2017年9月23日(土)東京都 新木場STUDIO COAST

FUKI(フキ)
シェネルや平井大などのプロデュースを手がけるEIGOに見出され、2012年に楽曲制作を開始する。2015年に配信シングル「キミじゃなきゃ」でメジャーデビュー。女性の恋心を歌った歌詞や、切ないサウンドが同性の支持を集める。2016年2月にはコンセプトアルバム「キミへ ~LOVE SONG COLLECTION~」、同年9月に1stアルバム「LOVE DIARY」をリリースする。2017年4月にSHEN(Aloha Damashii、Def Tech)をフィーチャーした「TWO the OCEAN feat. SHEN (Aloha Damashii)」、6月にPES(RIP SLYME)とコラボした「TWO the PARADISE feat. PES (RIP SLYME)」を配信。8月に「ライフソング」をテーマにした2ndフルアルバム「LIFE DIARY」を発表する。