ナタリー PowerPush - FOUR GET ME A NOTS

千葉発メロディック実力派 メジャー第1弾アルバム完成

FOUR GET ME A NOTSの2ndフルアルバム「SILVER LINING」がリリースされた。ナタリーではこれを記念してメンバー3人にインタビューを敢行。結成当時のエピソードから、メジャー第1弾アルバムとなる「SILVER LINING」完成に至るまでの心境の変化を語ってもらった。

取材・文 / 高橋美穂 撮影 / 中西求

ファイナル御飯からFOUR GET ME A NOTSへ

──フルアルバムとしてはまだ2枚目ですけど、バンド名が「ファイナル御飯」だった頃から数えると、歴史が長いバンドですよね。

インタビュー風景

石坪泰知(Vo, B) そうですね。僕と阿部は楽器で遊びはじめたのは中学3年生の頃で、GOING STEADYのコピーバンドでライブハウスに出るようになったのは高校2年生。そのバンド名がファイナル御飯だったんですよ。そのときは別のボーカルがいたんですけど、そいつが受験とかもありーので高3で抜けてから、18歳くらいでオリジナルを作るようになって、千葉LOOK(ライブハウス)のオーディションを受けたんですよね。高橋はまだいなかったけど。

高橋智恵(Vo, G) 私は高校を卒業する頃にファイナル御飯のライブを観てたんです。

石坪 知人の知人に、当時はソロでアコギを弾きながらライブハウスで歌っていた高橋を紹介されて。そのとき僕らはスリーピースだったんですけど、ギターがもう1本いたら面白いのかなって漠然と思っていて、それで4人になったっていう。それから、ファイナル御飯でツアーを回ったりデモを出したりしていたんですけど、CDの全国流通を目指すときに、コピーバンドの名前でずっとやっていくのはないなって話して、2005年に変えたんです。千葉では長く使っていたんで、変えたときは周りから「なんでだよ」って言われましたけどね(笑)。

──当初から大きな目標はあったんですか?

石坪 目の前の目標を1つひとつクリアしたいって思ってきましたね。武道館でライブをやりたいとか考えていたわけではなく、自分たちが好きな曲を作ろう、ライブハウスのオーディションを受けよう、デモを作ろう、ツアーを回ろうっていうふうに。今もその延長ですね。前よりは大きい夢は見えてますけど。

──智恵さんは、ファイナル御飯のどんなところに魅力を感じました?

高橋 この人たちと一緒にやってたら楽しいだろうなって。安易に聞こえるかもしれないですけど、1人じゃなくてバンドで一つのステージを作ることは、自分の中では未知で、すごく楽しそうだなって。だから、誘われたときも「やりますやります」って、スッと入ったんです。

基本は変わらず「歌重視」

──音楽的なルーツで言うと? さっきはGOING STEADYの名前が出てきましたけれど。

石坪 一番初めはL'Arc-en-Cielで、その後Hi-STANDARDに出会ったんですよね。「あれ? いいかも」ってじわじわ好きになって。そこからはのめり込んで、アルバム丸々コピーしていました。今も、ハイスタがメロディックパンクの基準にあるのかな。洋楽のGREEN DAYやTHE OFFSPRINGも、ハイスタがあって聴くようになったというか。

インタビュー風景

阿部貴之(Dr, Vo) 俺はハイスタを聴いて、すぐに「これがやりたい!」ってなりましたね。その前までは、ただスタジオでみんなで音を合わせていることが楽しかったんですけど、ハイスタは、そっからもっとバンドをやってみたいって思ったキッカケかもしれないです。

石坪 僕はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTやBLANKEY JET CITYも好きで、その時代のバンドを追ってきたというか。コピーバンドって、周りの友達が喜んでくれるからやるというところがあるんですよ。みんなが好きなものをやりたいし、それでカッコいいって言われたいよねって。そういう気持ちでオリジナルも作っていたと思います。友達の輪的なコミュニティの中でやっていたバンドだったよね、最初は。

阿部 別に深く考えずに、やってみるかと。

石坪 でも、音楽性の基本はそんな変わってないのかな。歌重視っていう。

──2008年にリリースした最初のミニアルバム「FORESIGHT」のときから、ジャンルはメロディックパンクにこだわらないっておっしゃってましたよね。

石坪 そこもずっと変わらないですね。僕はJ-POPも好きだし、ハイスタも好きだし。自分の琴線に触れるメロディから影響を受けて、自分のメロディがあるから、それがいろんな人に伝わればいいなって、作曲する上で思っているので。

メジャー第1弾アルバム「SILVER LINING」 / 2011年9月7日発売 / 2300円(税込) / KING RECORDS / KICS-1689

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CD収録曲
  1. Universe
  2. Zip
  3. Pike your shield
  4. Shining
  5. My guitar my songs
  6. Render
  7. Keep trying under all circumstances
  8. Blue
  9. Just do it
  10. Innocent
  11. Sway
  12. Blame and braves
  13. Unconditional love

1stマキシシングル「HEROINE」 / 2011年7月27日発売 / 800円(税込) / KING RECORDS / KICM-1354

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CD収録曲
  1. Heroine
  2. Goodbye

アーティスト写真

FOUR GET ME A NOTS(ふぉーげっとみーあのっつ)

ファイナル御飯の名で2004年に結成。2005年9月よりバンド名をFOUR GET ME A NOTSに改め、地元千葉LOOKにてライブイベント「Chase after RAINBOWS」をスタートさせた。2008年3月26日に773Four RECORDSより1stミニアルバム「FORESIGHT」をリリースし、同年12月には1stフルアルバム「DOWN TO EARTH」、2010年5月には2ndミニアルバム「TRIAD」を発表。メロディックシーンを中心に人気を集め、2011年7月には初のシングル「HEROINE」でKING RECORDSよりメジャーデビューを果たす。2011年9月7日にメジャー第1弾アルバムとなる2ndフルアルバム「SILVER LINING」を発表した。