FANTASTICS×EPEXインタビュー|あの名曲から始まった、国境を越えた異色コラボ (2/2)

意外とハードな「Choo Choo TRAIN」

──EPEXの皆さんに質問ですが、J-POPにはどんな印象を持っていましたか?

MU 僕にとってはバンドのイメージが強いですね。あとアニメの主題歌など、日本の音楽にはよく接しています。個人的には清涼感のあるサウンドが好みです。

──コラボのきっかけになった「Choo Choo TRAIN」はFANTASTICSさんのさらに先輩であるZOOというグループの曲で、1991年にリリースされています。日本のダンスシーンにおいて非常に重要な楽曲なんです。

WISH それは知りませんでした! 僕らは2月からZeppツアー(「EPEX 2ND CONCERT <So We are not Anxious> in JAPAN」)を開催するんですが、「Choo Choo TRAIN」をカバーさせてもらう予定なんです(取材は1月下旬に実施)。

世界 EPEXがライブでカバーを披露する話を聞いたときはめっちゃうれしかったですね。実は僕、「Choo Choo TRAIN」と“同い年”なんです。30年以上前の曲をEPEXがツアーでまたやってくれるのは、僕らにとっても意義があると思って。あと僕らも同時期に初のアリーナツアー(「FANTASTICS LIVE TOUR 2024 "INTERSTELLATIC FANTASTIC"」)を開催するんです。日本のいろんなところで「Choo Choo TRAIN」がパフォーマンスされるのは光栄だし、誇らしくもありますよね。逆に僕らもEPEXの曲をカバーしなきゃね(笑)。

左から瀬口黎弥、堀夏喜、八木勇征、世界。

左から瀬口黎弥、堀夏喜、八木勇征、世界。

WISH でしたら「FULL METAL JACKET」がオススメです。体力的にかなりキツいんですが、先輩たちが踊ったらどんな感じになるのか見てみたい気持ちもあります。というか、「Choo Choo TRAIN」って踊るのがめちゃくちゃ大変なんですよ。

──そうなんですね。日本では国民的な曲でもあるので、ダンスの大変さを意識したことがなかったです。

世界 意外ですよね? 実はキツいんですよ(笑)。ジャンプもあるし、上下の動きもあるし、左右の移動もしなきゃだし。あと1個1個の動きが大きいからけっこう体力を使うんですよね。

やっぱピースが一番大事

──現在(1月中旬)は「Peppermint Yum」の合同リリースイベントを開催されているそうですね。

瀬口 FANTARO(FANTASTICSのファンの呼称)だけじゃなくて、多くのEPEXファンの方々も日本まで来てくれてるんです。面白かったのは、僕らの口調がEPEXにうつっちゃったことかな。

──と言うと?

瀬口 EPEXのみんなは、最初のほうは丁寧な日本語で「ありがとうございます」とお礼をしてたんです。でも僕らが「ありがと!」って砕けた感じで言ってるのを聞いて、EPEXもだんだん「ありがと!」とフレンドリーに言うようになっちゃって(笑)。

WISH (日本語で)ありがと!

世界 学習能力が高い(笑)。

A-MIN 日本のファンの皆さんがすごく熱気を持っていて驚きました。スケッチブックにメッセージを書いてくださったり、メンバーの名前を呼んでくださったり。韓国とはまた違った雰囲気なので新鮮でしたし、すごくうれしかったです。

上段中央から時計回りでMU、WISH、A-MIN、YEWANG。

上段中央から時計回りでMU、WISH、A-MIN、YEWANG。

──ではダンス&ボーカルグループの先輩であるFANTASTICSから後輩のEPEXに長く活動を続けるためのアドバイスがあればぜひ教えてください。

八木 いやいやいや。アドバイスなんてそんなおこがましい。

世界 僕らが言えることなんてなんもない(笑)。

 むしろ僕らが学ばせてもらってます。

八木 EPEXのピースさにね。

左から瀬口黎弥、堀夏喜、八木勇征、世界。

左から瀬口黎弥、堀夏喜、八木勇征、世界。

世界 うん。EPEXチームはメンバー同士だけじゃなくて、マネージャーさんとかメイクさんとかみんながチームアップしてる感じなんですよ。いい意味で統率が取れてるし、1人ひとりにグループに対する愛がある。真剣に活動してると意見がぶつかる瞬間が出てくると思うけど、やっぱピースが一番大事だと思いますね。

MU ありがとうございます! 確かに僕らはみんな仲がいいですけど、仲良しであるがゆえにちょっとしたケンカをしてしまうことがあるんです。今回先輩たちとご一緒させていただいて、皆さんがそれぞれをリスペクトし合ってるのを感じたんですよ。仲良しの一歩先の関係というか。そこを見習いたいです。あと印象的だったのは、「Peppermint Yum」を初披露する前日ですね。夜遅くまで練習してたんですが、まったく疲れた素振りを見せないんです。そんな姿を見てたら逆に僕らがパワーをもらっちゃって「もっとがんばろう」と思えました。

「コラボしてよかったな」って思えるようなツアーにしたい

──最後に、それぞれ控えているツアーに向けての意気込みをお聞かせください。まずはEPEXの皆さんから。

YEWANG ツアーの前とあとで明確に「成長した」と思える何かをつかみたいですね。

WISH FANTASTICS先輩のライブで、初めて日本のライブを体験したんです。日本ならではの雰囲気やエネルギーを感じられたし、お客さんの盛り上がり方も韓国とは違ったので、先輩のパフォーマンスを参考にしていい公演を作り上げていきたいです。

A-MIN 僕は先輩たちのように会場を掌握するようなパフォーマンスをしたいです。クオリティに関しては先輩たちはもう段違いで、僕らがどうこう言えるレベルじゃありません。でも、個人的にそれ以上に驚いたのは、先輩方はお客さんを盛り上げつつ、自分たちもすごく楽しそうにしてたんですよ。僕らもそういうピースなエネルギーを日本のファンの皆さんにも伝えられるようになりたいです。

上段中央から時計回りでMU、WISH、A-MIN、YEWANG。

上段中央から時計回りでMU、WISH、A-MIN、YEWANG。

──FANTASTICSの皆さんはいかがですか?

 僕らにとっては初のアリーナツアーで、会場のスケールが大きくなる分、ライブのやり方が変わってくると思っていて。ある種1つ目の試練だと思ってるので、一層がんばっていきたいです。全国各地を回るので、僕ら自身がよりいろんな人たちに応援してもらえるように成長していくライブツアーにしたいです。

瀬口 うん。スタートダッシュを大事にして一気に2024年を駆け抜けたい。

世界 EPEXと同時期のツアーになるんですけど、「FANTASTICSとコラボしてよかったな」と誇ってもらえるような、完成度の高いツアーにしたいね。

八木 1つひとつのことに感謝しながら、ファンの人たちと幸せな時間を作って、何年先でもまた思い出してもらえるような時間を作れるように一生懸命がんばりたいです。

MU FANTASTICSとEPEX、ファイティン!

本インタビューに参加したFANTASTICSとEPEXのメンバーたち。

本インタビューに参加したFANTASTICSとEPEXのメンバーたち。

プロフィール

FANTASTICS(ファンタスティックス)

EXILEの世界と佐藤大樹を中心に結成されたダンス&ボーカルユニット。2016年に世界、佐藤にEXPGから選出された澤本夏輝、瀬口黎弥、中尾翔太、堀夏喜、木村慧人が加わったパフォーマー集団として結成され、2017年に「VOCAL BATTLE AUDITION 5」で合格した八木勇征、中島颯太をボーカリストとして迎える。同年12月にシングル「OVER DRIVE」でメジャーデビュー。デビュー5周年記念日である2023年12月5日、3rdアルバム「FANTASTIC ROCKET」をリリース。2024年2月から4月にかけて、アリーナツアー「FANTASTICS LIVE TOUR 2024 "INTERSTELLATIC FANTASTIC"」を開催している。

EPEX(イーペックス)

2021年6月に1stミニアルバム「Bipolar Pt.1 Prelude of Anxiety」でデビューした韓国のC9エンタテインメント所属のボーイズグループ。オーディション番組「PRODUCE X 101」で人気を博したKEUMやWISH、MU、A-MIN、BAEKSEUNG、AYDEN、YEWANG、JEFFの8人からなる。グループ名には、「The gathering of eight youths reaches eight different apexes(8人の少年が集まって8つの頂点を成しとげる)」という意味が込められている。2022年6月にファンミーティングのために初来日し、2024年2月には日本5都市を巡るZeppツアー「EPEX ZEPP TOUR 2024 "So We are not Anxious"」を開催。同年2月5日に1stフルアルバムの先行公開曲である「Graduation Day」をリリースした。