理不尽な校則、そして世界をこの曲で変えたい！

──8月と9月には2カ月連続で新曲が配信リリースされました。8月に届けられたのが、ファンタスティック☆パイセンの原点ともいえるネタを1曲にした「校則あるあるのうた」。作詞はももパイセンが手がけています。

ももパイセン　自分の経験を曲にできてしまったわけなので、校則の厳しいパイセンジュニアハイスクールに通ってた甲斐がありましたね。あの苦しい学校生活が報われました（笑）。さわやかで青春感のあるサウンドも含め、すごくいい曲になったなと思います。

まほパイセン　元はTikTok用のネタですけど、1曲にするにあたっては新しいあるあるもたくさん加えられているので、さらにたくさんの方に共感してもらえるんじゃないかな。何度も聴いてるとだんだん哲学っぽく思えてくるんですよ。「校則とはいったいなんなのか」みたいな（笑）。そこが面白いです。

ももパイセン　考え始めるとわけがわからなくなるよね（笑）。

まほパイセン　この曲はぜひ給食の時間とかに校内放送でも流していただきたいですね。校則の理不尽さを先生方にわかってもらうきっかけになれば。

ももパイセン　理不尽な校則を、そして世界をこの曲で変えたい！

まほパイセン　そんな野望がここに詰まっています！

──まほパイセンの歌声にはパワーがありますよね。歌詞カードを見ずとも言葉が明確に伝わってくる点も大きな魅力だと思います。

まほパイセン　ありがとうございます！ この曲は細かいいろんなあるあるが詰まっているので、流れで歌うと意味がわかりづらくなってしまうんですよ。なので、1つのネタごとに区切るように歌うことを心がけたんですよね。あとは落ちサビの「理不尽!!!」という部分はかなり覚悟を持って歌いました。ももパイセンからバトンパスされた思いを、私の歌でしっかり昇華させようと。

ももパイセン　満足！ ちゃんと昇華されたよ！

──どの曲にも言えることですが、ももパイセンのウィスパーボイスがところどころに差し込まれるのもいいアクセントになっていますよね。

まほパイセン　まっすぐで力強い私の声だけをずっと聴いているとちょっと息抜きが欲しくなるというか。息抜きっていうと言葉は悪いけど、ももパイセンの声は間違いなく楽曲に対しての大きなプラスになってると思うんですよね。すごくいい声だと私は思っているので、そこはもう外せない要素ではあります。

ももパイセン　皆さんにもそう思っていただけたらうれしいです。

一番パワーを込めたのは“ガヤ”

──そして9月には、テレビアニメ「ニンジャラ」のエンディングテーマに起用されている「友情的行進」がリリースされました。「他力Hong Gung」や「校則あるあるのうた」はある意味、ファンタスティック☆パイセンのTikTokネタがベースとなっていましたが、この曲はタイアップも含め、その枠を大きく飛び出した楽曲になっていますよね。

ももパイセン　私は昔からアニメが好きなので、タイアップをいただいたことがとにかくうれしかったですね。アニメのエンディング曲を担当することがずっと夢だったので。最初はドッキリだと思いました（笑）。

まほパイセン　そうそう。サプライズでお祝いしていただいたときの動画がYouTubeに上がってるんですけど、2人ともガチで「……え!?」みたいな顔してますから（笑）。本当に貴重な体験をさせていただけたことがうれしいです。

ももパイセン　曲調もね、すごく明るくてアニメにマッチしていますよね。聴いた瞬間、「あ、ガチのヤツだ」って思いました（笑）。同時に、これをまほが歌ったらさらによくなると確信も抱いたというか。私は本当にガツンとしたまほの歌が好きなので。

──作詞・作曲・アレンジはYUXSE（ユース）さんが手がけています。友情をテーマにした歌詞からは2人の関係性も垣間見えますよね。

まほパイセン　そうですね。普段言えない感謝を伝えられる楽曲になっていて。

ももパイセン　聴いただけで感動しちゃう！

まほパイセン　ストレートな歌詞だからすごく歌いやすかったですし、とにかく楽しかったです。ライブで歌うときにはお客さんに向かって「ありがとう」を伝える曲にもなりますからね。本当にお気に入りの1曲になりました。

ももパイセン　うん。私も大好き。

──この曲でも、ももパイセンの声がいい形で使われてて。

ももパイセン　そうなんです。サビ前の「素晴らしい」というところを歌わせていただきました。いいとこ取りさせてもらった感じがします（笑）。歌う部分が少ないからこそ、レコーディングは一点集中して歌いましたね。声のトーン的に、普通に歌うと暗く聞こえがちになってしまうので、両手を広げながら明るい「素晴らしい」が出せるように工夫しました。

まほパイセン　「フー！」とか「イエイ！」とか、2人で一緒にガヤを録ったのも楽しかったよね。一番パワーを込めたのはガヤだったかもしれない。なかやまきんに君さんばりに、全身全霊で「パワー！」って言いました（笑）。ホントに楽しかったよね。タイトル通り、思わず行進したくなっちゃう曲になったと思います。曲だけじゃなく、ジャケやミュージックビデオの仕上がりも超気に入ってますね。

──「校則あるある」のMVでは女子高生に扮していましたが、今作では忍者姿を披露されていますね。

まほパイセン　撮影は楽しかったんですけど、めっちゃハードでしたね。木刀を振るシーンや手裏剣を投げるシーンでは、腕をちょっと傷めたりして。忍者って大変なんだなって思いました（笑）。

ももパイセン　忍者も楽じゃないよね（笑）。ちなみにMVの中で着けてるカチューシャは私が夜なべして手作りしました。物を作ったりするのも大好きなので。

──お二人とも手芸部だったんですよね？

ももパイセン　そうなんですよ。パイセンジュニアハイスクール時代に。

まほパイセン　でも私はめちゃくちゃ不器用なので、全部お任せしました。ももパイセンがカチューシャを作ってくれているときに私はお風呂に入って、ずっとドラマを観てましたから（笑）。

等身大の私たちをファンタスティックに表現

──アーティストとしてはここからどんな活動をしていきたいですか？

ももパイセン　まずはアーティストとしてのファンタスティック☆パイセンをしっかり認知してもらいたいと思うんですよ。TikTokやYouTubeは“あるうた”にフォーカスして観られることが多いので、私たち自身のことまで興味を持ってくれる人を増やしていきたいですし、ファンタスティック☆パイセンという存在自体を面白がってもらえるようにならなきゃいけないと思いますね。

まほパイセン　そうだね。そのためには等身大で、背伸びしない今の私たちをよりファンタスティックに表現できるようにならなきゃなと思います。今投稿している“あるうた”も、自分たちの楽曲も、ライブでのパフォーマンスも、そういった部分をしっかり意識していきたいですね。そのうえで、SNS総フォロワー50万人。そしてメジャーデビューが今の目標です。

──トライしてみたい楽曲のタイプはあります？

まほパイセン　実は私、変態紳士クラブさんもよく聴いていて。ラップも好きなんです。「他力Hong Gung」でちょっとやらせてもらったんですけど、もっとガッツリやってみたい気持ちがありますね。明るい曲にラップを入れたらファンタスティック☆パイセンっぽいポップな曲になるんじゃないかなって。2人でラップの掛け合いしたりとかさ。

ももパイセン　わー、できるかなー。やったことないなー。新感覚だ（笑）。

まほパイセン　やろうぜ、やろうぜ！ あと私はパイセンハイスクール時代にギターボーカルをやっていたこともあるんです。さらにピアノは小さい頃から習っていたので、いろんな楽器で弾き語りもしてみたいです。

ももパイセン　前にTikTokで一度だけやったことがあるんですよ。まほパイセンがキーボード、ももパイセンがギターを弾いて歌うっていう。そういう編成でちょっとしっとりした曲をやってみるのもいいよね。

まほパイセン　ギャップってやつですね！ とにかくもっともっとファンタスティックになれる可能性を探りながら、なんでもチャレンジしていきたいと思います。