「ExWHYZにアユニ・D加入!」という壮大なネタの裏側で (3/4)

ExWHYZにとって刺激的な“アユニ・D体験”

now アユニさんはダンスもすごいんです。この前、2日連続でアユニさんを含む7人が集まって、振付師の先生から振り入れをしてもらって。そしたら2日目にはもうアユニさんがまるで鏡かのように先生の動きを覚えて、手の先まで完璧に踊ってたんです。なかなかできることじゃないので、めちゃくちゃカッコいいなって。

now

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──アユニさんはご自身では言葉に出さないけど、とても努力家という一面がありますよね。

アユニ いやいやいや。もっとできる人はできるんで。振付師の方に振りをつけてもらうのもほぼ初めてだったから新鮮でした。BiSHは踊りが得意じゃないメンバーもいるから、アイナちゃんがわかりやすい振付というか、私たちの身の丈に合った振付を考えてくれるので簡単に覚えられるんです。今回は(片桐)由佳先生が考えた振りなだけあって、マジでムズくて、難易度的には過去イチでしたけど、楽しめました。でもこういうダンスをExWHYZのみんなはずっとやってきたんだなと思うと、感激しますね。細かいダンスの話だとウェーブとかアイソレーションみたいな、これまでほぼやってこなかったような“テクめ”のダンスができたのはよかったです。

──ちなみにExWHYZはEMPiRE時代からインタビューのたびに「ダンスの難易度が上がってる」とお話していました。今回はどうですか?

now 超えてますね(笑)。アルバムだと2曲目の「BLAZE」でいきなり難しいです。

mikina 振りが細かくなったし、テンポが速いのもあって、基礎が固まってないとカッコよく見えないというか。

mayu 確かにカッコよく見せるのは難しい振付だね。基礎がなってないと逆にダンスがうまくない人に見えちゃう。

now 振付師の先生にお願いした曲は「BLAZE」「Des Speeching」の2曲で、ほかはメンバーで作りました。例えば「FIRST STEP」の振りはmayuちゃんと私で作りました。ExWHYZはこれまで“女の子の動き”が多かったんですけど、「DIVE」はヒップホップ系に寄せたダンスなので、激しめです。いつものExWHYZにプラスして新しいExWHYZの一面を出したいなと思って、こだわって振り付けました。

mayu それと以前あった「サビで手を挙げる」はあんまり考えすぎないようになりました。お客さんがマネして踊ったときに盛り上がってることがわかりやすいというメリットがあったんで、絶対にやらなきゃと思ってたんですけど、ExWHYZになってもっと自由でいいんだなって考えるようになって。

maho 自由に踊って楽しいと思えるのは、これまで積み重ねてきた経験があってこそだなと思います。

maho

maho

──自由という意味では、以前より皆さんの雰囲気が柔らかい感じもしますね。

midoriko 色で言うならピンク!って感じです(笑)。

アユニ 昔はもっとトゲもあっただろうし、こんなんじゃなかったはず。やっぱり一緒に過ごす時間を重ねていくうちに、みんな柔らかくなったと思うんですよね。BiSHもそうだから。グループってだんだん柔らかくなると思うんで、今がたぶん一番いいと思います。知らんけど。

歌詞からにじむ人間性

──2ndアルバムができあがってみての手応えを、もう少し聞かせてください。

mayu やっと何かをつかめた、やっと“0”になった感じ。これからいい方向に進むための土台を作れたという感覚を得たアルバムでした。

maho 1stアルバムは、EMPiRE時代を含めて本当にメンバー全員にとって新しいチャレンジが多かったんです。でも今回は「BLAZE」「FIRST STEP」でひさしぶりにEMPiRE時代を思い出すような要素もありました。以前の私たちと、今の新しい私たちを行き来しているようなアルバムだと思うので、マスター(ExWHYZファンの呼称)も気楽に楽しんでもらえたらうれしいです。

midoriko 私は活休明けということで、今回初めて最初から最後までメンバーと一緒に制作やレコーディングができました。「BLAZE」ではExWHYZとして初めてシャウトを解禁しました。以前からMVやLIVE演出でお世話になっている山田健人(yahyel)さんと篠田ミル(yahyel)さんが曲を作ってくださり、「ドリ、シャウトしてみようか?」と提案してくれて。

midoriko

midoriko

──nowさんは武道館公演のタイトルにもなっている「FIRST STEP」の歌詞を書いています。グループとしての一体感と前向きさを感じる内容かつ、表現がかわいらしくて、nowさんらしさが出ている感じがします。

now これまでEMPiREとして過ごしてきた日々への思いと、ExWHYZとしてこれからの気持ちを歌詞に込められたらいいなって。聴いてくれる人もワクワクと心が弾むような曲になったらうれしいです。ドリちゃんも帰ってきて、完全体となるExWHYZを楽しんでほしいんです。武道館でのワンマンライブという、ExWHYZにとっての大きな一歩となる舞台なので、その日の景色への思いも込めて。

maho この曲はデモ段階のときと、歌詞が付いて完成したあとでけっこうイメージが変わりました。すごくさわやかな明るい曲だと思ってたけど、ラストのサビはユニゾンで、「ヤバい、泣けちゃうかもしれない!」なんてグッとくる瞬間がありました。

mayu 「Walk this way」を含め、デモがいくつかあって、スタッフさんが聴かせてくれるんですよ。で、私たちが「これ歌いたい!」と伝えたら採用してくれて。最終的に収録曲を決めたのはスタッフさんですけど、自分たちの意見も反映されているんです。

──「Walk this way」はmahoさん作詞なんですね。

yu-ki mahoちゃんがグループのことをすごく考えてくれてるなっていうのは昔から感じていて、今回の歌詞もそう。それと韻の踏み方とかのレベルが違う。

yu-ki

yu-ki

mikina 「Walk this way」は強めな女性のイメージがあるけど、mahoちゃんぽいなと思うところもちょこちょこあって。

アユニ (歌詞を思い浮かべて)寂しがり屋なんだ。

mayu (笑)。そういう部分が出るのもmahoちゃんらしいなって。前向きないいバイブスが出てると思いました。過去のmahoちゃんだったら、こうやって歌詞にする以前に気持ちを文字に起こすところまでたどり着かなかっただろうなって思うから。私もこの曲はお気に入りです。

アユニ 「Walk this way」の歌詞をmahoさんが書いてたことを知らなかったので、びっくりしました。私はそれぞれの性格とかをまだ深く知らないけど、「こういうことを思ってたんだな」と歌詞からわかるから面白いですね。

──ちなみにBiSHのレコーディングはどういう感じなんですか?

アユニ BiSHはレコーディングの2日前とかに曲が来て、前日に歌詞が完成して、1日で覚えて歌う。

──12カ月連続でシングルをリリースしてたことも影響してるのかもしれませんね。では時間のない中で歌入れに臨むとき、どうやって歌に気持ちを込めるんですか?

アユニ それこそありがたいことに怒涛の日々なので、難しかったですね。ライブして、撮影して、いろいろあって。レコーディングもその日々の合間にある。スタジオに入って、松隈(ケンタ)さんとセッションしながら気持ちを作ることが多かったです。

アユニ・D

アユニ・D

“D”の発音

──エイプリルフール企画で配信されたアユニさんを含むバージョンのアルバムは、アユニさん節が全開でしたね。

アユニ BiSHもずっとお世話になってる山田さんの作った1、2曲目はトラックそのものがカッコいいんですけど、特に「真面目におふざけした」というか。歌入れの前、yu-kiさんの深みのある吐息混じりのデモを聴いてたんで、それに寄せて歌ったんです。そしたら山田さんが「アユニっぽくないな」「もっと甲高い、尖った感じで声を出していいよ」と言ってくださったんで、自分っぽく歌ってみました。1曲目にある“D(ディー)”の発音とかでいつもの自分が顔を出しました。

maho その“D”の発音はメンバーの中でも話題になりました(笑)。「めっちゃアユニさんだ!」って。

mayu 人が1人加わるだけで全然違うんだなっていうことも感じられるアルバムになったんじゃないかな。アユちゃんがいる音源を聴いて思ったのは、ExWHYZのメンバーはずっと一緒にやってるから、声質とかそれぞれの個性はもちろん違うけど、バイブス的なところで似てきていたんだなって。

mayu

mayu

──ExWHYZ節もあれば、アユニさんのパートではBiSHを感じる部分もあって。アユニ節も出てるなとも思いました。

アユニ 自然と積み重ねてきたものがあると思います。語尾の伸ばし方、喉の開き具合、どれもBiSHとExWHYZでは全然違うから。実はExWHYZに寄せたところもあるんです。でも客観的に聴いたら寄り添ってるようには聴こえないかもしれません。

mayu 個人的には「メトロノーム」とか、すごくアユちゃんにハマってるなって思いました。歌のリズム感がタイトだし、うちらは息を混ぜる感じだけど、アユニさんの声はもうちょっと硬めの質感。それがアクセントになっててすごくいいなって。

アユニ その分析、さすがですね!

2023年4月2日更新