8人組メンズアイドルグループ=conectが1stアルバム「きっとあの日、僕は死んだ」をリリースした。
2010年代に“アイドル戦国時代”が訪れた女性アイドルシーン同様、現在多種多様なグループが混在しているメンズアイドル界。その中で=conectは“エモーショナル”をコンセプトに掲げ、2019年1月にステージデビューを果たした。1stアルバムには初期のナンバーである表題曲「きっとあの日、僕は死んだ」や、メンバー間の片思いを描いたミュージックビデオが話題の「秘密のマーガレット」などが収録されている。音楽ナタリーではメンバー全員へインタビューを行い、8人それぞれの加入経緯を聞きつつ、グループの特徴や1stアルバムの聴きどころを語ってもらった。
取材・文 / 真貝聡 撮影 / 奥本昭久
ガッツリ正統派でやっている自負がある
──=conectは音楽ナタリーの特集初登場ですね。
つきしまあやと はい! 実は、インタビュー自体が初めてなので、ちょっと緊張してます(笑)。
──皆さんのことをお聞きする前に、現在のメンズアイドルシーンの状況を教えてもらえますか?
つきしま 昔と比べてグループの数はかなり増加しています。あとは、皆さん歌やダンスに特化した技術重視の傾向にありますね。世界観で言うと和をテーマにしていたりとか、変わったところだと犬をモチーフにしていたり。コンセプトがはっきりしたグループも増えてきてます。
ほずみけーすけ “病んでる系”のアイドルも多いよね。
──そんな中、=conectはどういうカラーのアイドルですか?
つきしま メンズアイドルでは珍しいと思うんですけど、僕らは“かわいさ”を押し出しています。奇をてらったコンセプトを掲げるグループが多い中、ガッツリ正統派でやっている自負がありますね。
ほずみ そうだね。衣装もいろいろな女性アイドルを担当している方にお願いしているし、音楽性もキラキラした王道アイドル系の楽曲が多いです。
──そもそも、どういう流れで結成することになったんですか?
つきしま 結成は2019年です。初期メンは僕、ほずみ、こじまゆうすけ、おおのそうたの4人を含む計8名でした。もともと、僕は同じ事務所に所属しているマッシュアップというアイドルグループで活動していて、そちらと兼任する形で=conectに加入したんです。さらにさかのぼってアイドルになったきっかけをお話しすると、上京する前は愛知にいました。当時から「いつかアイドルになれたら」なんて夢を抱いていて。そしたら友達に「東京でアイドルを募集している事務所があるよ」と教えてもらって、それで運よく合格をいただき今に至ります。
ほずみ 僕はももいろクローバーZが好きで、1人のオタクとして応援しているうちにアイドルに興味を持つようになりました。で、自分もアイドルをやりたい気持ちが芽生え始めたときに、たまたま社長にスカウトをしてもらって。「これはチャンスだ!」と思い、事務所に入りました。本当に偶然の偶然って感じでしたね。
おおのそうた 自分は……暇だったんですよ(笑)。当時は大学生で、夏休みに暇を持て余していたとき、Twitterを開いたら「新グループオーディション開催」というツイートが流れてきて。「やることもないし受けよっかなな」と思って応募したら運よく合格しました。
──じゃあ、つきしまさんみたいに「本腰を入れてアイドル活動をするぞ!」みたいなテンションではなかった?
おおの ではなかったです! 2、3カ月で飛んでやろうと思ってました。
──ハハハ、飛ぶ前提で加入した(笑)。
おおの それくらい軽い気持ちでいたんですけど、気が付けばのめり込んでましたね。大学時代は教員免許を取得するため、めちゃめちゃ勉強に打ち込んでいたんですよ。実は、お披露目ライブの日が教員免許の試験日と被ってて。悩んだ末に「俺はアイドルで生きていこう!」と思って、そこが大きなターニングポイントになりました。
つきしま 知らなかった!
こじまゆうすけ 僕は高1から高3まで福岡でタレントをやっていて、主にミュージックビデオのエキストラとかバス会社のPRビデオに出る活動をしてました。その後、専門学校への進学を機に上京して、学校に通いながらコンビニでバイトをしていたんですけど、ある日、友達がアイドル募集の話を教えてくれて。「アイドルのほうが給料高いよ」と言われたから、「じゃあ、やってみようかな」とノリで応募しました(笑)。ただ、みんなのようにすんなり合格したわけじゃなくて。一度は落とされたんですよ。厳密に言うと応募したけど返信がもらえなくて、ライブ会場に足を運び、物販エリアで社長に直談判したら「今日からメンバーとしてお願いね」と言われて。あのときに勇気を出してアクションを起こしていなかったら、今ここにもいないです。
つきしま それぞれいろんな理由で事務所に所属することになって、顔も名前も知らない者同士で集まったのが=conectです。最初は自社のイベントに出たり、マッシュアップと遠征に行ったりして、とにかく認知を広げていく活動をしてました。
独特な最年少メンバー
──次に加入したメンバーはどなたでしょう?
たしろまなと (無言で挙手)。
──何がきっかけでグループに入ることになったんですか?
たしろ ……事務所の社長からDMが来ました。
──社長はどうやって、たしろさんの存在を知ったんですかね。
たしろ ちょっとだけアイドルしてて。だけどすぐに辞めた。
──そのグループでは、どういう流れで活動することになったんですか?
たしろ ……ミスターコン(※全国の男子高校生を対象としたミスターコンテスト)に参加していて、そしたら今と違う事務所につかまったけど、嫌で辞めたんです。
──そもそも=conectの存在は知ってました?
たしろ 社長からDMで「お披露目ライブにおいで」と誘われて。そこでグループのことを知りました。
──ライブを観て、どんな印象を持ちました?
たしろ ……何がなんだかわからない。
一同 アハハハ!(笑)
──だけど誘われたし、やってみるかと。
たしろ うん。
こじま まなとはグループで一番年下なんですよ。普通は周りが年上ばかりだと気を遣ったり、変に敬語を使ったりすると思うけど、見ての通りこんな感じだから、逆に一緒にやりやすいですね。
つきしま それまではこじまが最年少だったもんね。初期メン2人が同時に卒業するのと同じくらいのタイミングで、まなとが加入して、今の=conectらしさが生まれた変化の時期だったと思います。
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グループに対する評価が変わった