次の恋愛ソングが気になります
──「I have to go」は「行かなくちゃ」とも訳せるタイトルの曲ですが、作詞をしたMAHOさんはどんな思いでこの歌詞を書いたんですか?
MAHO デモを聴いたときに、「切ないけど重すぎない恋」みたいなテーマがいいなと思って作詞しました。昔を思い出して、帰り道を歩いてるっていうのを回想して。歌詞自体は恋愛っぽく書いたんですけど、去年の年末年始を初めて1人で過ごして、意外と1人だと寂しいなあとか、いつも地元の子と会ってたなあとか、昔の楽しかった記憶を恋しく思いながら。
──1曲前の「I don't cry anymore」とつながるような内容ですね。
YU-Ki 同じ主人公ですね! 「I don't cry anymore」と「I have to go」は(笑)。
NOW YU-Kiちゃんの中でね(笑)。
YU-Ki 自論なんですけど、「I don't cry anymore」で「もう泣かない」という経験をして、大人になった姿が「I have to go」なんですよ。
MiDORiKO んふふ(笑)。
MAYU 振られる予定なんだよね。
YU-Ki そう。「I have to go」で思い出してる昔の恋は「I don't cry anymore」という。
MiKiNA まだ未練があるんだね、ちょっとだけ。
YU-Ki 失恋を乗り越えたけど、ふとしたときにやっぱちょっとあの恋、思い出しちゃうなみたいな(笑)。
MAYU なんかイキイキ話すね(笑)。
YU-Ki 大事な恋だったんですよ……きっと。「運命の人は3人いる」って言うじゃないですか? きっとこの曲の失恋はそのうちの1人目です。
MiDORiKO なんの話をし始めてるの(笑)。
MAHO でも今までわかりやすく恋愛の歌と捉えられる曲はあまり歌ってこなかったので、このアルバムで恋愛系の曲が続いたのは新しい感じがします。EMPiREの方向性としてはダンサブルで攻めていく感じ楽曲と対になる感じで、こういう歌モノもEMPiREに合ってるなあと思いました。
YU-Ki 次回の恋愛ソングが気になりますよね!
一同 あはは(笑)。
情景の浮かぶダンスにも注目
──恋愛ソングのあとに続くMAYUさん作詞の「Can you hear me?」は、厳しい現実を受け止めて前に進んでいく意志が込められていました。以前から歌詞に関してはメンバーが書いてコンペ形式で選ばれることが多いですが、今作ではMAYUさんの歌詞は採用率が高いですね。
MiKiNA MAYUちゃんの歌詞は自分を出すのがうまいなあと思います。歌詞を書いた人の思いが浮かぶのが一番いいなと思ってるんですけど、私はそれが得意ではなくて。MAYUちゃんは自分の感情を歌にはめて言葉で表現できてますね。
YU-Ki 比喩表現が上手だし、情景が思い浮かぶ歌詞にできるのがすごいです。私はストレートな歌詞しか出てこないので尊敬します。
MAYU うれしい(笑)。「the GREAT JOURNEY ALBUM」のときは作詞がうまくいかなくて。自分は何を書けばいいんだろうと迷っちゃったんです。1曲の歌詞を5回ぐらい書き直した挙げ句、採用されなかったことも全然ありましたし。このEPでなんとなく自分の歌詞の書き方とかがつかめた気がしてうれしかったです。
──今作では前半が攻めた感じのアッパーな曲が多くて、後半は落ち着いた雰囲気の曲が多めですけど、静かめな曲の振りを考えるときに意識したことは?
MAYU 「ORDiNARY」は過去の振り付けと完全に差別化しました。ダンサブルな曲が多かったのでこれまではノリ重視でキレキレって感じのダンスが多かったんですけど、「ORDiNARY」はしなやかさ、優雅な感じを表現できたらなって。ゆったりと綺麗に見せられる振り付けを意識してみんなで考えたので、今までとは違う姿を観せられると思います。
NOW 「I don't cry anymore」も振りの数を少なくして、相手の男の人が見えるような振り付けにしたので、見えないものが見えるような表現力を大事にしました。
MiKiNA 最初にNOWが考えてきたのは、完成形よりダンサブルな感じだったんです。それにプラスしてもっと表現力を加えてみようという話になって。振りの数を減らしたぶん、1つひとつの動きに意味を持たせる振りになってます。
MAYU 見る側に想像する余地を与える振りというか、情景が見えてくるみたいなね。
NOW そう! 最初に考えた振りは、歌詞の内容が入ってこなかったので変えました。
EMPiREは変わらない
──今は大変な状況ですけども、EMPiREは活動する上でこれから何を大事にしていきたいですか?
MAYU 状況がかなり変わってしまったし、今まで自分たちの思い描いてた未来とは違う世界になっていくだろうという感じがします。本当はライブをがんばりたいけど……そう簡単にもいかないんだろうということも。でも私たちは変わらないです。EMPiREを知ってくれた1人ひとりに日々の楽しみをこれからも届けていきたいし、もっとたくさんの人に知ってもらいたいと思っています。EMPiREなりの楽しみ方をライブ以外でもどんどん見つけていかなきゃいけないと思っています。
──これまでやってきたようなライブ以外に具体的な展望は見えているんでしょうか?
MAYU 「SUPER COOL EP」の初回限定盤に付く映像作品のために無観客のスタジオライブのようなスタイルで「EMPiRE'S GREAT PARTY EXCEPTiON -SUPER COOL EGP」をやったんですけど、無観客ライブ自体はいろんな方がやってますよね。でも生のライブは何ものにも代えがたいし、ライブはライブでしかないというか。だから「SUPER COOL EGP」は無観客ライブというスタンスでは臨まずに、映像作品としてみんなが楽しめるものという意識で作ったものなんです。パフォーマンスだけじゃなくて演出もセットも楽しめる映像作品。私としてはこの映像ができて「ああ、すごい……すごい!」と思えたんです。ライブができないうちは今回の映像作品みたいな形のパフォーマンスを「またできたらいいなあ」とは思っています。
──ライブはもちろんしたいけど、新たな表現の場所も模索していきたいという。
MAYU そうですね。自分たちでも考えていかなきゃいけないことだし、「やろう!」といろんな人が動いてくれているので、うれしい限りです。ファンを楽しませられることに、どんどんチャレンジしていきたいです。