令和ミクスチャーデュオ・EMNW&プロデューサーKubotyインタビュー (2/2)

激しくて重いだけがミクスチャーにあらず

──今作は新曲3曲と既発シングル9作品が収められ、今年1月に出た9thシングル「Headbang Baby」以外のシングル曲はすべてリレコーディングされています。再録バージョンのわかりやすい変化と言えば、Dragon AshのBOTSさんのスクラッチがふんだんに盛り込まれ、ミクスチャーロック度がさらに上がっているところですよね。

Kuboty リレコーディング曲の中では「Brain Dead People」が難しかったんじゃない?

Emma 日本語から英語の歌詞に変わったので、それは大変でしたね。

Menu こんなに早口の英語は話したこともないよって(笑)。昔の曲は歌い方が違ったり、自分のいい声質を出せてなかったりして。それを今回、改めて録れてよかったなと。

──「Brain Dead People」は唯一スカのリズムを用いた楽曲です。これはKubotyのMONGOL800でのサポートギタリストとしての経験が生きたアレンジなのかなと。

Kuboty まさにそうですね。スカはモンパチで鍛えられて自信があるし、今後もスカとポップパンクはチャレンジしたいので。The Offspringもアルバムに必ずスカの曲が入るじゃないですか。女の子2人という意味ではDance Hall Crashersのイメージでこの曲は取り組みました。それに加えてアメリカの311ですね。311は海外では人気が高いし、あの幅広い音楽性は狙いたいところですね。

左からEmma、Menu。

左からEmma、Menu。

Menu ヘビーな曲もそうだけど、「Brain Dead People」のような明るい曲も好きなんですよ。

Emma どちらも違う楽しさがあるから。それぞれの曲によって出てくる声のよさもあるので、そこも幅広く見せていきたいです。

Menu どちらかに偏るよりも、いろんな方向性をやるほうが楽しいし、自分たちにも合っているなと。

Kuboty 2人が要求したことをスッとやってくれるから、夢は広がりますね。

EmmaMenu ははは。

ラウド最前線で活躍するドラマーが参加

Kuboty 俺はシャウトやデスボにそれほど心が震えてこなかったタイプで。このジャンルにはデスボが多いんですけど、コリィ・テイラー(Slipknot)がStone Sourで披露している力強く、澄んだ歌声に惹かれるんですよ。だから、デスボはまったく求めてないですね。それがなくても余裕で戦える。あと、今回のリレコーディングで一番でかいのは、生のドラムに差し替えた部分ですね。ドラマーとしてCrystal Lakeの田浦楽、CrossfaithのAmano Tatsuyaを投下しましたから。

Emma メンツがえぐい、えぐい(笑)。お二人とも音が鳴った瞬間、空気が変わりましたからね!

Kuboty 俺が考えるドラムのフレーズだけでは限界があるし、ものすごいスピード感でEMNWを進めていきたくて。芸術にはゴールがないですから。Crystal Lake、Crossfaithと日本ラウドのツートップと言える2人の解釈で曲を叩いてもらったときに、どうなるのかがすごく楽しみでしたからね。Amano Tatsuyaの曲の理解度はすごいです。1曲あたり3テイク叩いてもらって、俺が好きなところを選ばせてもらいました。その中でも「ちぇけら」は特に気に入ってます。3枚目に出したシングルで、ポップパンク的な方向性の曲ですけど、ポップパンクのビートにラップを乗せるのはマシン・ガン・ケリーが成功させているし、そもそもこういうトラックにラップが合うと思ったから。今回のアルバムの中で改めて「ちぇけら」ってめちゃくちゃいいじゃん!と思ってもらえるように、Amano Tatsuyaにお願いしたんです。ポップパンクのエッセンスに、彼がメタルのビートを乗せてくれたから、そのミクスチャー感が出ているかなと。

Kuboty

Kuboty

Emma どの曲もドラムで印象はすごく変わりましたからね。しかも曲によってドラマーを替えているので、全部の曲が新鮮に聴こえるなと。

Menu アルバム収録曲で私もすごく変わったなと思ったのは、「ちぇけら」です。「こんなノリになるんだ!」って。あと、BOTSさんのあのスクラッチも入って、大物になった気分というか(笑)。まだまだこれからなのに、いろんな方の力をお借りできて、すごいアルバムができたなと。

日本のミクスチャーロックはすごいんだぞ!

──「Here We Go EMNW!!」では山嵐のテイストを感じさせつつ、Limp Bizkitの1stアルバム収録の「Counterfeit」のギターリフを挟んでいるパートも胸アツでした。そして今作の「Headbang Baby」ではまさに山嵐の2人(SATOSHI、KOJIMA)が作詞作曲に関わっていて、これまたユニークな曲調に仕上がってますよね。

Menu この曲の音源が来たときはすごく好みだなと思いました。スローテンポのラップだし、私は声が低いので落ち着いた曲のほうがよさが出るはずだから、バチッと決めてやろうと。

Emma 山嵐さんは普段からライブを観に行ったり、動画を観たりしているんですが……そんな方たちが自分たちのために歌詞を書いてくれたのがうれしかったです。あと、歌詞のフロウ、韻の踏み方、言葉の選び方もすごく新鮮でした。SATOSHIさん、KOJIMAさんがそれぞれ書いてくれた歌詞をそのまま2人で振り分けました。

Emma

Emma

Kuboty 前半1コーラス目のEmmaがやっているところがKOJIMAさん、2ヴァース目のMENUがやっているところがSATOSHIさんなんですよ。曲を発注したときに山嵐のSATOSHIさん、KOJIMAさんの中でもこの曲に対するやり合いがあっただろうし、お互いのプライドをぶつけ合って、高い次元のものを戻してくれましたからね。あと、「上昇気流にRide on」の歌詞は、山嵐の最新作「スペースフラワー」の「桜梅桃李」にも登場するんですよ。本当に自分の懐刀を抜いてきたなと思わせてくれたのもうれしかったです。

──Kubotyにとっても新鮮な体験になりましたね。

Kuboty そう。EMNWを通して、自分の中で見えてきた使命感や目標を新たにできたことがたくさんあったんですよ。山嵐やDragon Ashの系譜をEMNWは継いでいるし、日本のミクスチャーロックはすごいんだぞ!ってことを伝えていきたい。EMNWはSNSでも注目されているし、世界中に日本のミクスチャーロックのすごさを届けたいんです。1曲目の「Good Vibes Only」の歌詞に「Mixture RockフロムNIPPON」と入れているように。“ミクスチャーロック”は和製英語で海外では通じない言葉ですけど、ラップメタル、ニューメタル、ポップパンク、スカを日本ではこうやってミクスチャーとしてやっているんだぞ!って、EMNWを通して世界に示したくて。それは野望としてありますね。

Limp BizkitからDMが来るEMNWの未来

──今作を引っさげて、3月から6月にかけて全国ツアーを行います。

Emma 全国25カ所を回らせていただくんですけど、いろんな場所で化学反応が起こしたいです。「EMNW To KAMASU GOOD VIBES ONLY JAPAN TOUR 2026」というツアー名で、私たちは“カマす”という言葉を前に押し出しているんです。カマす精神はいろんなバンドが持っていると思うけど、対バンしてくれる人たちとカマし合って、すごい空間にしたい。グッドバイブスオンリーなので、私たちもお客さんもグッドバイブスでツアーを回れたらいいなと。

Menu 私たちにとって初のツアーで、25カ所という本当に多い会場でやらせてもらうことになって……自分たちでもどうなるのかわからないです。全力を出し切って、悔いがないようにライブをしたいですね。会場に来てくれる方には私たちの熱量を受け取ってもらって、それをまた自分たちのバイブスとしてつなげてくれたらうれしいです。

Menu

Menu

──EMNWとして、これからの展望や叶えたい夢があれば教えてもらえますか?

Menu 2人でよく話すのは「Coachella」に出たいね!って(笑)。

Emma Kubotyさんもそうですけど、私たちも世界を大前提に、「Coachella」はもちろん、デカいフェスに出たいですね。あと、いつかLimp Bizkitと対バンしたいです。

Menu オープニングアクトでもいいけど……。

Emma いや、それじゃダメ! 対バンしたいです!

Menu 熱い! そう、Limp Bizkitのフレッド・ダーストがSNSでEMNWの楽曲を紹介してくれたんですよ。

Kuboty 令和はすごい時代っすよね。この子たち普通にフレッドとDMしてますからね。「フレッドからDMが来たんですけど」って(笑)。最後に俺もツアーの意気込みを言いたいんですけど、今は強い主張を述べると、人々が分断したり、ネットと現場で起きていることが違ったりすることが少なくない。何が本当かわからなかったりするけど、ライブハウスに集まればそこで起きる熱量は100%リアルです。そこにいろんな考えの人がいても、音楽に向かう一体感によって、その分断の溝は埋まっていくと思うし、音楽にはそういう力があるんですよ。特にミクスチャーロックという音楽はノレるし、熱くなれるし、平和に向かえる手段だと俺は思ってます。デカいことを言うと、EMNWで世界を救いたい。グッドバイブスはグッドバイブスを呼ぶし、そこに笑顔や愛が生まれますからね。目指すはグラミー賞ではなく、2人にはノーベル平和賞を獲ってもらいたいですね。

EmmaMenu はははは。がんばります!

左からEmma、Menu、Kuboty。

左からEmma、Menu、Kuboty。

公演情報

EMNW「EMNW To KAMASU - GOOD VIBES ONLY JAPAN TOUR 2026 - 」

  • 2026年3月12日(木)千葉県 千葉LOOK
    <出演者>
    EMNW / Alaska Jam / Are Square
  • 2026年3月13日(金)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
    <出演者>
    EMNW / Alaska Jam / OwL
  • 2026年3月20日(金・祝)神戸県 Harbor Studio
    <出演者>
    EMNW / CrowsAlive / 桃色ドロシー
  • 2026年3月21日(土)福岡県 Queblick
    <出演者>
    EMNW / CrowsAlive / Evilgloom
  • 2026年3月24日(火)広島県 SIX ONE Live STAR
    <出演者>
    EMNW / CrowsAlive / 月追う彼方
  • 2026年3月26日(木)長野県 ALECX
    <出演者>
    EMNW / CrowsAlive / KNOCK OUT MONKEY
  • 2026年3月27日(金)静岡県 Shizuoka UMBER
    <出演者>
    EMNW / CrowsAlive / KNOCK OUT MONKEY
  • 2026年4月2日(木)茨城県 mito LIGHT HOUSE
    <出演者>
    EMNW / Jellow Glow / Are Square / WHISPER OUT LOUD
  • 2026年4月4日(土)北海道 苫小牧ELLCUBE
    <出演者>
    EMNW / INVISBL / Jellow Glow / でかくてまるい。
  • 2026年4月5日(日)北海道 SPiCE
    <出演者>
    EMNW / INVISBL / Jellow Glow / でかくてまるい。
  • 2026年4月7日(火)青森県 LIVE HOUSE FOR ME
    <出演者>
    EMNW / Dimrays / Jellow Glow
  • 2026年4月8日(水)秋田県 LOUD Affection.
    <出演者>
    EMNW / Dimrays / Jellow Glow / NEVER FADE
  • 2026年4月9日(木)新潟県 CLUB RIVERST
    <出演者>
    EMNW / Dimrays / Jellow Glow / redmarker
  • 2026年4月23日(木)岩手県 盛岡Club Change
    <出演者>
    EMNW / ASTERISM / STRAWDAY / WHISPER OUT LOUD
  • 2026年4月24日(金)宮城県 ROCKATERIA
    <出演者>
    EMNW / ASTERISM / STRAWDAY / WHISPER OUT LOUD
  • 2026年4月29日(水・祝)群馬県 高崎TRUST55
    <出演者>
    EMNW / redmarker / STRAWDAY / 板歯目
  • 2026年5月21日(木)京都府 LIVE HOUSE GATTACA
    <出演者>
    EMNW / Jellow Glow / MIGHTY HOPE / redmarker
  • 2026年5月22日(金)島根県 アポロ
    <出演者>
    EMNW / MIGHTY HOPE / redmarker / STRAWDAY
  • 2026年5月23日(土)長崎県 Studio Do!
    <出演者>
    EMNW / MIGHTY HOPE / redmarker / STRAWDAY
  • 2026年5月24日(日)鹿児島県 SR HALL
    <出演者>
    EMNW / MIGHTY HOPE / redmarker / STRAWDAY
  • 2026年5月26日(火)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
    <出演者>
    EMNW / MIGHTY HOPE / redmarker / STRAWDAY
  • 2026年5月27日(水)岐阜県 yanagase ants
    <出演者>
    EMNW / MIGHTY HOPE / redmarker / STRAWDAY
  • 2026年6月5日(金)愛知県 HeartLand
    <出演者>
    EMNW / Some Life
  • 2026年6月12日(金)大阪府 YOGIBO HOLY MOUNTAIN
    <出演者>
    EMNW / Launcher No.8 / テークエム、KOPERU、KennyDoes、peko(from 梅田サイファー)
  • 2026年6月15日(月)東京都 LIQUIDROOM
    <出演者>
    EMNW / SHO-SENSEI!! / The Ravens

プロフィール

EMNW(エムニュー)

横浜出身のEmma、沖縄出身のMenuからなる2MCミクスチャーロックユニット。プロデューサーはKuboty。ロック、パンク、スカ、ヒップホップ、ラウドを融合し、“令和ミクスチャー革命”と称するサウンドを体現している。ライブとSNSでリスナーにインパクトを与え、2025年8月にYouTubeで公開されたLimpBizkit「Rollin'」のカバーにメンバーのフレッド・ダーストが反応すると、グローバルに人気が拡大した。2026年3月に1stアルバム「EMNW」を発表。同月に全国25カ所を巡るツアー「GOOD VIBES ONLY JAPAN TOUR 2026」をスタートさせた。