廣田あいか(私立恵比寿中学)×大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)「シンガロン・シンガソン」対談|ぁぃぁぃ念願のコラボ実現!初対談で哲学トーク

私立恵比寿中学の出席番号6番“ぁぃぁぃ”こと廣田あいかが、2018年1月3日の東京・日本武道館公演「私立恵比寿中学迎春大学芸会 ~forever aiai~」をもって、約7年半在籍したエビ中から“転校”することが発表された(参照:廣田あいかエビ中を“転校”、年明け日本武道館が現体制ラストステージ)。11月8日にリリースされるニューシングル「シンガロン・シンガソン」は、現体制におけるラストシングルとなる。表題曲の作詞・作曲は、ぁぃぁぃが大ファンだと言うバンドMrs. GREEN APPLEの大森元貴(Vo, G)によるもの。アッパーでハイテンションなサウンドに、ほんのりセンチメンタルな香りが漂う楽曲だ。

音楽ナタリーではぁぃぁぃと大森の初顔合わせとなる対談をセッティング。2人の和気あいあいとしたトークは、やがて哲学的問答へと発展した。

取材・文 / 臼杵成晃、中川麻梨花 撮影 / 上山陽介

中学7年生と中学9年生

──実はお二人、そんなに年齢は離れてないんですよね。

左から廣田あいか、大森元貴。

大森元貴 そうなんですよ。

廣田あいか 大森さんは真山(りか)やうちのお姉ちゃんと同じ中学9年生なので(笑)。

──大森さんはエビ中というグループにどのような印象を持っていましたか?

大森 一筋縄ではいかない感じと言うか、アイドルなんだけどアスリートみたいな、ひと言でアイドルと片付けちゃいけないグループという印象でした。

──なるほど。そうすると、曲作りも一筋縄ではいかないですよね。

大森 僕には兄貴がいるんですけど、兄貴は純粋にエビ中さんのファンなんですよ。CDやDVDはほとんど持っているので、まずは身近なファンに魅力をイチから教えてもらって。

廣田 兄貴ありがたい!

大森元貴

大森 兄貴が持ってるDVDを観たりして、まずはメンバーのパーソナルを知るところから始めました。そのうち、いつの間にか曲を書くどうこうじゃなく、僕自身がいちファンとしてのめり込んでしまって。なので自分なりに「エビ中にこういう曲を歌ってほしい」という思いを込めて作りました。

──リサーチの結果メンバーそれぞれの個性が見えたかと思いますが、その中で廣田さんの印象は?

大森 マジなやつでいいんですか?(笑)

廣田 やだー!(笑)

大森 メディア的には“飛び道具”的なポジションだと思うんですよ。声も特徴的だし。でも、実はすっごい冷静ですよね。

廣田 あながち間違ってなくてさらにやだ(笑)。

大森 エビ中の真ん中にいるんだけど、どこか一歩引いてる感じ。すごく大人な子なんだなという印象です。

「エビ中に自由に書いてほしい」というオーダーの難しさ

──廣田さんは以前から、Instagramやブログでたびたびミセスの楽曲の歌詞を引用したタイトルやフレーズを使ってましたよね。しかもピックアップの仕方から察するに、これはマニアだぞと。今回はそれもあって対談の座組をお願いした次第です。

廣田あいか

廣田 図々しくて申し訳ない! 仕事に持ち込んじゃってすみません!

──そうすると、今回の楽曲提供は相当うれしかったんじゃないでしょうか。

廣田 はい。うれしいとかじゃないんですよ。「え゛え゛え゛っ◎△$♪×¥●&%#)」みたいな。

大森 声になってないよ(笑)。

廣田 「こんなことがあっていいのかな」って。

──ある意味、エビ中の“転校”前にギリギリ間に合ってよかったというのもありますよね。

廣田 ホントに! 一番はそれなんですよ! ただ、もちろん転校は自分の中でいろいろ考えたうえで決心したことですけど、私が転校したあともみんなは「シンガロン・シンガソン」が歌えるんだなといううらやましさもあって。

──確かに。廣田さんがエビ中として「シンガロン・シンガソン」を歌える期間はわずかですもんね。

廣田 もっと長く歌っていたかったなと思うんですけど、いろんなタイミングで実現したことだと思うので、素直にうれしいです。

──曲調はミセス節、大森節全開ながら、エビ中にすごくしっくりきてますよね。「こんなにハマるんだ!」とびっくりしました。

大森 わあ、うれしいです。ライブ映像を観ていると、エビ中はみんな歌がうまいんですよね。アイドルの曲って、音域の高低差をあまり付けないのが暗黙のルールみたいなものとしてあると思うんですけど、エビ中に書く曲なら無視しちゃっていいかなと思ったんですね。ぁぃぁぃちゃんが僕らのことを好きだと言ってくれているのも知っていたので、やっぱり僕らの色はしっかり出したかったし、音域のこととかを気にせず自分たちの曲を書くのと同じように自由に作れたので、すごく楽しかったですね。

──エビ中の制作陣からどんな曲にしてほしいというオーダーはなかったんですか?

大森 いや、特になかったです。それって逆に難しいんですけどね(笑)。「私立恵比寿中学に自由に書いてほしい」というオーダーの難しさ。

廣田 あはははは(笑)。

稀に見るマジなやつですね

──廣田さんが曲を聴いたときの第一印象は?

左から廣田あいか、大森元貴。

廣田 やっぱり「わ! ミセス!」って(笑)。歌詞もポップで明るい中に芯があって、それは私がエビ中に感じていたことと重なる部分でもあったし、これからの自分に対しても背中を押してくれるような内容だったので、すごくうれしかったです。仮歌を聴いたときは「もったいない!」と思いました。仮歌は大森さんが歌ってくださってるんですけど、「これ私たちしか聴けないんだ?」って。りんごジャム(Mrs. GREEN APPLEの公式ファンクラブ「Ringo Jam」)の皆さんに全力で謝りたい。

大森 りんごジャムって単語が出てくるとは思わなかった(笑)。

──そもそも廣田さんは何がきっかけでミセスにハマったんですか?

廣田 ミセスの音楽は、いろんな意味ですごく人間っぽいんです。寂しいときに聴くと心にスポッとハマる楽曲がいっぱいあって。明るい曲も静かめな曲も、すごく寄り添われている感じがあるんです。そこが私と同世代にファンが多い理由なのかなと思います。

大森 いやあ、うれしいですね。ちょっと恥ずかしいです(笑)。

──とりわけ廣田さんの心に刺さった曲は?

大森 あっ、それ聞きたい。

廣田 最初になぜ私がファンになったかと言うと、「恋と吟」という曲が……。

大森 アッハッハ(笑)。見てくださいよ、うちのスタッフがフフフとなるほどコアな曲なんですよ(笑)。

廣田 「恋と吟」のライブ映像を観たんです。そのときに、大森さんは「僕にとって君はそれぐらいだ」という歌詞を、それぐらいじゃなさそうな顔で歌ってたんですよ。

大森 アハハハハハ!(笑)

廣田 裏の裏を表現しているみたいな、その表現にグッとくるものがあって。あとで歳が近いと知って「えっ? 真山と同い年!?」と気になって作品をいろいろ聴いているうちにファンになりました。

──話を聞く限り、明らかに社交辞令ではない本物のファンですね。

大森 ええ。これは稀に見るマジなやつですね。

私立恵比寿中学「シンガロン・シンガソン」
2017年11月8日発売 / Sony Music Labels
私立恵比寿中学「シンガロン・シンガソン」通常盤

通常盤 [CD]
1500円 / SECL-2234

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収録曲
  1. シンガロン・シンガソン[作詞・作曲:大森元貴 / 編曲:大森元貴、山下洋介]
  2. EBINOMICS[作詞・作曲・編曲:栗原暁(Jazzin'park)、久保田真悟(Jazzin'park)、Tasuku Maeda]
  3. 靴紐とファンファーレ[作詞・作曲・編曲:fu_mou]
  4. HOT UP!!![作詞・作曲:Jose(TOTALFAT)/ 編曲:Kuboty、Jose(TOTALFAT)]
  5. シンガロン・シンガソン(Less Vocal ver.)
  6. EBINOMICS(Less Vocal ver.)
  7. 靴紐とファンファーレ(Less Vocal ver.)
  8. HOT UP!!! (Less Vocal ver.)
私立恵比寿中学「シンガロン・シンガソン」初回限定盤A

初回限定盤A [CD+Blu-ray]
1800円 / SECL-2230~1

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CD収録曲
  1. シンガロン・シンガソン
  2. EBINOMICS
  3. シンガロン・シンガソン(Less Vocal ver.)
  4. EBINOMICS(Less Vocal ver.)
Blu-ray収録内容
  • 「中学生だけのドライヴ映像in 沖縄」
私立恵比寿中学「シンガロン・シンガソン」初回限定盤B

初回限定盤B [CD+Blu-ray]
1800円 / SECL-2232~3

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CD収録曲
  1. シンガロン・シンガソン
  2. 靴紐とファンファーレ
  3. シンガロン・シンガソン(Less Vocal ver.)
  4. 靴紐とファンファーレ(Less Vocal ver.)
Blu-ray収録内容
  • 「サドンデス」(『IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~』アウト!集ベストセレクション)
私立恵比寿中学(シリツエビスチュウガク)
私立恵比寿中学
スターダストプロモーション芸能3部に所属するアイドルグループ。2009年夏に結成し、2010年2月には初のシングル「朝のチャイムがなりました!」を発表した。2011年4月には事務所の先輩であるももいろクローバー(現・ももいろクローバーZ)の中野サンプラザホール公演にゲスト出演し、前山田健一プロデュース曲「ザ・ティッシュ~とまらない青春~」などを披露。同年10月には東京・Shibuya O-EAST(現TSUTAYA O-EAST)で初のワンマンライブを行った。2012年5月にはDefSTAR RECORDSよりシングル「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビュー。2014年4月に行われた東京・日本武道館公演「私立恵比寿中学合同出発式~今、君がここにいる~」を最後に瑞季、杏野なつ、鈴木裕乃の3名が“転校”(脱退)した。以降は真山りか、安本彩花、廣田あいか、星名美怜、松野莉奈、柏木ひなた、小林歌穂、中山莉子の8人で活動し、2015年1月に2ndフルアルバム「金八」、2016年4月に3rdフルアルバム「穴空」(アナーキー)をリリース。11月には初のベストアルバム「中卒」「中辛」を2枚同時に発表した。2017年2月に松野莉奈が18歳の若さで急逝。4月からの全国ツアー「私立恵比寿中学 IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~」より7人体制で活動を再開させ、5月に通算4枚目のフルアルバム「エビクラシー」を発表した。11月にはメジャー通算11枚目のシングル「シンガロン・シンガソン」をリリース。2018年1月には東京・日本武道館で2DAYSライブを行い、廣田あいかは1日目の「私立恵比寿中学迎春大学芸会 ~forever aiai~」をもって“転校”する。
大森元貴(オオモリモトキ)
大森元貴
1996年9月14日年生まれ、東京都出身。小学校の卒業式の謝恩会にてバンド編成で演奏したことをきっかけに、12歳で楽曲制作を始める。2013年に自身がボーカルギターを務めるバンドMrs. GREEN APPLEを結成。2015年7月にEMI Recordsよりミニアルバム「Variety」をリリースし、18歳でメジャーデビューを果たした。2016年1月には1stフルアルバム「TWELVE」を発表し、同年3月より初のワンマンツアー「TWELVE TOUR ~春宵一刻とモノテトラ~」で全国14カ所へ。その後も活躍の場を広げ、2017年1月に大森個人の作家活動として夢みるアドレセンスにシングル曲「恋のエフェクトMAGIC」を提供した。同月に2ndフルアルバム「Mrs. GREEN APPLE」をリリースし、3月より全国ツアー「MGA MEET YOU TOUR」を開催。5月に東京・東京国際フォーラム ホールAでツアーファイナルを迎えた。8月にはカンテレ・フジテレビ系ドラマ「僕たちがやりました」のオープニング曲を収めた5thシングル「WanteD! WanteD!」をリリース。ギターロックからEDMまでを扱う幅広い音楽性と深みのある歌詞によって、若いリスナーを中心に人気を集めている。