音楽ナタリー Power Push - DJ和×武井壮

“日々成長する男”との音楽&熱血トーク

日本の音楽でDJ界に新しい柱を作りたい

──DJ和さんは今作の作業中、つらいと感じた瞬間はありますか?

DJ和 今作ではまず曲数を30曲にしようと決めて、そこから楽曲を選んでいって、さらに曲順を考えて。膨大な選択肢があるから「どこから手をつけよう」って途方に暮れるような瞬間がありました。もちろん選曲したのは好きな曲ばかりなのでミックス作業中に「あっ、ここのフレーズ面白いな」とか改めて気が付くこともたくさんあるんです。今回のミックスCDは緩急のある曲順にしたくて、「最後に向かってスパートをかけていく」みたいなイメージで流れを作りました。持久走みたいにじっくり諦めずに続けるとよいものができると信じて。

──作業を続けるのって集中力もいりますし、継続的にがんばるのって大変ですよね。

左からDJ和、武井壮。

武井 トレーニングとか、勉強しなきゃって思わず「毎日少しずつでも成長しよう」って1分でもいいから行動することですね。俺の場合、地球上にたくさんの物事があるのに、学生時代は陸上しかやってなかったから、それしか楽しめない人間だったんですよ。つまり“地球の上で楽しむ力”っていうのが弱かったんですよ。だけど大人になって、興味や関心の幅を広げてみたら世の中は楽しそうなことだらけだぞって気が付いたんです。見聞を広げて自分を育てていくと地球上どこに行っても楽しめるようになれると思いますね。

DJ和 壮大な発想ですね。

武井 俺は英語も話せるからそれによって地球にいる70億人のうちの40億人くらいとはコミュニケーションが取れるという計算になる。俺がいろんなスポーツに挑戦するのも、地球で楽しめる面積を増やすためなんで。

DJ和 なるほど。日本の音楽も地球規模で広まるといいなあ。

武井 ほんとそうだね。音楽は世界中に広げられるエンタテインメントの最強の形だと思います。海外の歌詞がわからない曲を聴いても「いい曲だなこれ」って思うこともあるでしょ。

DJ和 確かにありますね。

武井 今回はこの武井壮のジャケットと、DJ和がつないだ豪華アーティストの楽曲が詰まったこのCDが地球をもっと楽しむきっかけにもなるんじゃないかな(笑)。

DJ和 最高のお言葉をいただけてうれしいです(笑)。確かに音楽って人の人生に変化を与える力を持ってるので、もっとできることはないかなって考えているんです。

武井 どんなことができそうなの?

DJ和 海外でDJイベントに出演しても絶対にJ-POP、アニソンをかけて盛り上げたいと思って、これまでアジアを中心にそれを続けてきました。欧米あたりの世界的ヒットを飛ばすDJはEDM、ヒップホップ、R&Bあたりをかけることが多いけど、僕は日本語の曲を中心にしたもう1本の新しいブームというか、柱を作りたいんです。例えばアメリカ人がJ-POPを使ってDJするとか、そういう時代がいつか来たらいいなって。僕自身がその新たな柱を作れたらいいなと思ってます。

DJ和の倒し方

──武井さんの今後の目標を聞かせてください。

武井 40代のうちにボーリング、ビリヤード、ゴルフとかのプロ資格を全部取ってやろうと思ってます。あと野球で140kmのボールを投げられるようにトレーニングをし始めてて……今は133kmまで出せるようになりました。

DJ和 133kmでもすごいんじゃ……(笑)。

武井 まだまだだよ。40代だからとかって年齢をマイナスに感じることなく、死ぬまでひたすら成長して、毎日自分史上最高の一日を過ごしたいんだよね。例えば東京オリンピックが2020年にありますけど、そこにたどり着けなかったとしても、そのときまでに挑戦を止めずに毎日過ごした自分は絶対どこかが成長する。そのがんばった分だけの成長に見合った場所にたどり着いていると思う。何度も言うけど毎日成長するっていうことが本当に大切だと思ってますよ。

DJ和 でも結果を求められるのが勝負の世界ですよね?

左からDJ和、武井壮。

武井 もちろんそう。だけど1つだけ目標を立ててチャレンジするって行為はすごい脆弱な考えだと思うんですよ。それって仮に失敗したら挫折感を味わうでしょ。でも自分の成長にのみフォーカスして常に昨日の自分との勝負に勝っていけば失敗なんて無縁なんです。俺は今回の「世界マスターズ陸上」だけじゃなくて、今後オリンピックとか世界選手権とかにも挑戦したいし、タレント業も続けたい。テレビ番組や映画でもたどり着きたいゴールが山ほどある。成長を毎日続けていけば全部届くと思ってますから。

DJ和 そのモチベーションの持ち方、僕もぜひ参考にさせていただきます。

──最後に1つ、「DJ和の倒し方」をぜひ聞かせてください。

武井 ああ、もう簡単ですよ。DJ和を倒すのは極めてイージーですよ。

DJ和 はははははは(笑)。

武井 弱点だらけでさ。まず1つはメガネ。メガネをぐっと押し込めば「痛い痛い!」って頭が下がりますから、そこに渾身の膝ですね(笑)。あとブースに立ってるときは片手でヘッドフォンを耳に当ててるし、機材のつまみをいじってるし、とにかくボディがガラ空き。どこでも攻撃できるよっていう。両脇がガラ空きなんでパンチ入れ放題だから倒すのも申し訳ないなって思うくらい。あ、こんなこと言ってすいません(笑)。でも自分から手を出すことは絶対にないんで、もし万が一「お前のジャケットのせいでCD売れなかったじゃねえか! 武井壮このやろう!」って向かってきたら、そのときにはぶっ倒してやろうかなと。そこはもうしっかり、ソニーさんにもPRをがんばってもらって多くの人にCDを手に取っていただければみんなハッピーで争いも生まれませんよね! 最悪売れなかったらもうソニーとの戦いになるかもしれませんけど(笑)。

DJ和 そのときはソニーの倒し方も聞かせてください(笑)。

DJ和 ミックスCD「俺の応援歌 -BE ESQUIRE.- mixed by DJ和」2015年8月26日発売 / 2160円 / Sony Music Associated Records / AICL-2946
「俺の応援歌 -BE ESQUIRE.- mixed by DJ和」
収録曲
  1. Get Wild / TM NETWORK
  2. My Revolution / 渡辺美里
  3. 愛は勝つ / KAN
  4. Runner / 爆風スランプ
  5. それが大事 / 大事MANブラザーズバンド
  6. 翼の折れたエンジェル / 中村あゆみ
  7. DIAMONDS(ダイアモンド) / プリンセス プリンセス
  8. 星のラブレター / THE BOOM
  9. ZOO / ECHOES
  10. SOMEDAY / 佐野元春
  11. ロード / THE 虎舞竜
  12. 違う、そうじゃない / 鈴木雅之
  13. 太陽が燃えている / THE YELLOW MONKEY
  14. One Night Carnival / 氣志團
  15. 男の勲章 / 嶋大輔
  16. どか~ん / 真心ブラザーズ
  17. 夏を抱きしめて / TUBE
  18. YOUNG MAN(Y.M.C.A) / 西城秀樹
  19. 浪漫飛行 / 米米CLUB
  20. 目を閉じておいでよ / BARBEE BOYS
  21. 蝋人形の館 / 聖飢魔II
  22. 激しい雨が / THE MODS
  23. 紅 / X
  24. TRUTH / T-SQUARE
  25. ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO / 麻倉未稀
  26. 六本木心中 / アン・ルイス
  27. 男 / 久宝留理子
  28. フレンズ ~remixed edition~ / REBECCA
  29. GLORIA / ZIGGY
  30. WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント~ / H Jungle with t
DJ和(ディージェーカズ)
DJ和

クラブイベント「J-POPナイト~日本式~」でメインDJを務め、一貫してJ-POPにこだわった斬新な選曲と高いスキルで注目を集める。2008年にリリースしたミックスCD「J-ポッパー伝説 [DJ和 in No.1 J-POP MIX]」から、現在までに18枚のMIX CDを発表。シリーズは累計95万枚を超えるヒットを記録。そして2011年からDJとして活動しながら、ソニー・ミュージックで自身の作品の制作をする為にA&Rとして勤務スタート。「ANIMAX MUSIX」「@JAM」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUNSET LIVE」といった国内イベントだけでなく、イタリア、インドネシア、台湾、タイ、シンガポール、ベトナムで行われたフェス・イベントに出演するなど活躍の場を国内外で広げている。2015年8月にはTOYOTA ESQUIREとのコラボで武井壮がジャケットを飾るミックスCD「俺の応援歌- BE ESQUIRE.–mixed by DJ和」をリリースした。またDJプレイができる仕様に改造したESQUIREに乗り、全国各地のお祭りでDJプレイを披露するなど精力的に活動中。

武井壮(タケイソウ)

1973年生まれの元陸上・十種競技の元日本チャンピオン。現在は主にタレント活動をしながら、今もなおさまざまなスポーツにチャレンジし、“百獣の王”を目指すために日夜トレーニングに勤しんでいる。2015年8月にフランス・リヨンで行われた35歳以上を対象とした陸上の国際大会「第21回世界マスターズ陸上競技選手権」のM40クラス(40~44歳クラス)の4×100メートルリレーで日本代表チームとして出場し、金メダルを獲得した。