音楽ナタリー Power Push - ディスクユニオン DIVE INTO MUSIC.オーディション
BALZAC・HIROSUKE×fox capture plan・岸本亮が語る 大型インディーズレーベルの魅力
海外での活動ではレーベルの力が大きい
──ジャズの場合、プロのセッションミュージシャンとして活動するという方法もありますよね。
岸本 うん、そういう道の切り拓き方もありますね。僕らの場合は、近い場所にいたジャズ系のアーティストやバンドの方にアプローチすることが多かったです。元MONDO GROSSOの中村雅人さんがやっていたSLEEP WALKERのライブに行って、中村さんに自分たちのCDを手渡したり。沖野修也さん、須永辰緒さんにも渡しましたね。これは僕がやっているJABBERLOOPというバンドの話なんですけど、ニック・ウェストンというイギリスのDJに音源を渡したらすごく気に入ってくれて、イギリスで12inchのアナログ盤をリリースしたことがあって。その曲をジャイルス・ピーターソン(1990年代のアシッドジャズ・ブームの仕掛け人としても知られる有名DJ)がBBCのラジオ番組でかけてくれたんですけど、そういうデモテープ文化みたいなものはまだ残ってるかもしれないですね。オーディションもすごくいいと思いますよ。僕なんかが偉そうに言うのもアレですけど、ディスクユニオンのオーディションは「音楽には自信があるけど、どう広めていいかわからない」という人にはぜひ注目してほしいですね。
──オーディションをきっかけに音楽活動の方向性が見えることもあるだろうし。
HIROSUKE そうですよね。BALZACに関して言えば、事務所に所属したことがないんですよ。それは「自分でプロデュースしたい」という考えがちょっとあったからなんですけど、ディスクユニオンのレーベルはマネージメントの部分でも動いてくれていて。制作はもちろん、バンド活動全般で協力体制が取れたのもすごく大きいんですよね。ほかのバンドの人から「海外でもすごくライブをやってるけど、どうやって活動してるんですか?」ってよく聞かれるんですけど、やっぱりレーベルの力が大きいと思う。
岸本 そうですよね。
実現しようと動いてくれるレーベルが一番
HIROSUKE さっき岸本くんが言ってたグッズも、ディスクユニオンの店舗で展開してもらったこともあるし。すごく円滑ですね。
──作品、グッズなど、アーティスト側に発信する力があることが前提だと思うのですが、そこに関してはどうですか?
HIROSUKE どうかな……。僕はデザイン事務所で働いていたこともあるし、シルクスクリーンを使ってTシャツを作ったりもしてましたからね。そういう意味では天職なのかも。
岸本 ずっと「BALZACのメンバーの中に、デザインやグッズを担当している人がいるのかな?」と思ってたんですけど、HIROSUKEさんだったんですね。
HIROSUKE 最初はライブのときに着る衣装を自分たちで作っただけなんだけどね。それこそパンクのDIY精神みたいな感じで、自分たちで作ったものを自分たちで着るっていう。
岸本 京都の河原町あたりとか、BALZACのグッズを持ってる人をけっこう見かけましたからね。大阪のアメ村にBALZACのショップもあったし、グッズに興味を持って、そこからバンドのことを知った人も多いんじゃないですか?
HIROSUKE うん。ファッション誌の街角スナップみたいなページでかわいい女の子がBALZACのTシャツを着てたり(笑)、一時期はTシャツがすごく売れてたんですよ。でも「こいつら、グッズばっかり作ってるな」と思われても困るから、すごいペースでリリースも続けてたんですけどね。
岸本 なるほど。そう考えると、バンドって会社みたいなところもありますね。fox capture planは僕がリーダーだし、メンバーの2人にはバンドに費やした時間の対価は払わないといけないと思ったり。
HIROSUKE ハハハハハ(笑)。
岸本 いろいろ考えなくちゃいけないこともありますね。バンドのカルチャー自体、歌モノがメインじゃないですか。インストだからと言ってあきらめるのではなくて、どうやってシーンに切り込んでいくかということも常に考えているし。活動の広げ方に関しては、レーベルの皆さんにも協力していただいてますね。
HIROSUKE 俺らも戦略的なことを考えてるけど、むしろレーベルに任せたほうがいい部分も多いからね。やりたいことがはっきりしてないと「こいつら、何がやりたいんや?」ということになるけど、さっきも言ったように「これがやりたい」っていう気持ちがあれば「じゃあ、こうしてみましょう」と提案してもらえるので。そういう関係が築けるレーベルは素晴らしいですよね。ほかのレーベルからリリースしたいとか、ぜんぜん思わないですから。
岸本 それは僕らも同じですね。
HIROSUKE ディスクユニオンの宣伝みたいな対談になってるけど(笑)、冗談を抜きにして、バンドがやりたいことを理解して、実現しようと動いてくれるレーベルが一番だから。せっかくバンドをやってても、やりたいことができなかったら面白くないですからね。
岸本 そうですね。やりたいことがある人はぜひ応募してみてほしいです。
ディスクユニオン DIVE INTO MUSIC.
オーディション
ディスクユニオンが主催する初の本格的オーディション
合格者はDIW PRODUCTSよりCD、レコードのWフォーマットでリリース!!
BALZAC(バルザック)
1992年にHIROSUKE(Vo)を中心に京都で結成された4人組パンクバンド。“ホラーパンク”と銘打った独特のサウンドと世界観で人気を博す。1995年10月に1stアルバム「THE LAST MEN ON EARTH」をアルケミーレコードよりリリース。1997年10月にPHALANX RECORDS(現・DIWPHALANX RECORDS)移籍第1弾となる2ndアルバム「DEEP-TEENAGERS FROM OUTER SPACE」をリリースした。2002年3月に親交の深いMISFITSと発表したスプリットシングル「DON'T OPEN 'TIL DOOMSDAY」で、初の全世界リリースを果たす。その後本格的に海外での活動を行い、アメリカやヨーロッパでのロングツアーも開催した。これまでにリリースした音源や映像作品の総タイトル数は160を超える。9月17日にはニューシングルを発表する。
BALZAC ライブ情報
- DIRTY BLACK SUMMER 2016 - ISOLATION FROM NO.13 & DEEP BLUE SPECIAL
- 2016年8月20日(土)大阪府 難波Mele
- [昼の部] OPEN 16:15 / START 16:30
[夜の部] OPEN 18:00 / START 19:00
- EVER FREE FROM #9 DREAM TOUR 2016
- 2016年10月1日(土)愛知県 CLUB Zion
- 2016年10月29日(土)京都府 京都MOJO
- 2016年12月23日(金・祝)東京都 下北沢SHELTER
fox capture plan(フォックスキャプチャープラン)
岸本亮(Key / JABBERLOOP)、カワイヒデヒロ(B / Immigrant's Bossa Band)、井上司(Dr / nhhmbase)からなるトリオ編成のバンド。それぞれ違った個性を持つバンドで活動する3人が集まり2011年に結成。“現代版ジャズロック”をコンセプトとしたサウンドで話題を集め、2012年8月にタワーレコード新宿店のみで発売したCD-R「Sampleboard」はフロアデイリーチャート1位を記録。2013年5月には初のフルアルバム「trinity」、2013年12月に2ndアルバム「BRIDGE」をリリースした。2015年はfox capture planとして3枚のアルバムをリリースすると宣言し、4月にミニアルバム+ライブDVD作品「UNDERGROUND」、7月にカバーアルバム「COVERMIND」、11月にオリジナルアルバム「BUTTERFLY」を発表。2016年7月には「FUJI ROCK FESTIVAL'16」に初出演を果たした。
fox capture plan ライブ情報
- fox capture plan ≪英華発外≫
- 2016年10月15日(土)神奈川県 相模女子大学グリーンホール・多目的ホール
- OPEN 16:30 / START 17:30