音楽ナタリー Power Push - ディスクユニオン DIVE INTO MUSIC.オーディション
BALZAC・HIROSUKE×fox capture plan・岸本亮が語る 大型インディーズレーベルの魅力
ディスクユニオンによるオーディション企画「ディスクユニオン DIVE INTO MUSIC.オーディション」の募集受付が、7月10日にスタートした。性別、年齢、ジャンル、活動形態、活動歴を問わず、幅広いアーティストからの応募を受け付け、合格者はディスクユニオンのレーベル部門、DIW PRODUCTSのスタッフの協力のもと、音源を制作。CDおよびアナログレコードを全国流通でリリースすることができる。応募受付期間は8月31日まで。くわしい応募要項はオフィシャルサイトで確認してほしい。
今回ナタリーでは、ディスクユニオンのレーベルに所属するパンク / ハードコアバンドBALZACのHIROSUKE(Vo)、ジャズを軸にしたインストバンドfox capture planの岸本亮(Key)による対談を実施。両氏にディスクユニオンのレーベルの魅力、お互いのバンド観、オーディションを目指すアーティストへのメッセージなどを話してもらった。
取材・文 / 森朋之 撮影 / 佐藤類
ワガママを言っても前向きになってくれるレーベル
──約25年のキャリアを持つパンクバンドBALZAC。そして、2011年に結成され、ジャズ、ロック、クラブミュージックを融合した音楽性で注目されているfox capture plan。音楽性もジャンルもまったく違いますが、岸本さんは以前からBALZACのファンだったそうですね。
岸本亮 はい。BALZACは中学3年生の頃から聴いてました。今33歳なので、人生の半分くらいはずっと好きですね。
HIROSUKE ハハハハハ(笑)。
岸本 僕はHIROSUKEさんと同じ京都出身なんですけど、BALZACは当時の仲間内ですごく人気があったんです。ちょうどHi-STANDARDやBRAHMANが流行ってたんですけど、僕らの間ではBALZACのほうが人気で。
HIROSUKE ウソやろ?
岸本 全然盛ってないですよ(笑)。今もそうですけど、BALZACはグッズ展開もすごかったんですよね。うちは制服を着なくていいようなユルい高校だったので、BALZACのTシャツを着て登校してくるヤツもいたし、僕もめちゃくちゃ聴いてました。だから今回の対談のお話をいただいたときも「ぜひ!」という感じで。
HIROSUKE うわ、汗かいてきた(笑)。僕もメンバーと一緒にfox capture planの音源を聴かせてもらったんですけど、「すげえな」って度肝を抜かれましたね。「こんなに超絶技巧のバンドが、どうして俺らのことを知ってるんだ?」って。ジャズをやってるバンドと会う機会もないから、とにかくビックリして。
岸本 マジっすか。BALZACのメンバーの皆さんが僕らの曲を聴いてくれただけでも、すごく光栄です。僕はDeep PurpleのJon Lord(Key)も好きだし、実はロックの影響もかなり大きいんですよね。だからBALZACも好きなんだと思います。
HIROSUKE そうなんや。俺らはずっと同じようなスタイル、同じような格好でやってるし、あまり変化してないんですよ。今年で23年目だし、長いことやっているうちに進化はしてるんだろうけど。
岸本 23年ってすごいですね。
HIROSUKE 完全に止めどきを失ってるけどね(笑)。メンバー同士も仲がいいし、「次にこんなことやりたい」「あんなことやりたい」って続けているうちに、いつの間にかここまで続いていたっていう感じかな。もともとパンク、ハードコア畑の出身だったんですけど、1990年代後半のメロコアのブームにもなんとなく乗ったフリをして(笑)。そのあと海外のレーベルからレコードを出さないか?というオファーをもらって、海外でライブをやりまくってるうちに「そういえば日本のこと忘れてない?」って感じで、幅広く日本と海外で並行して活動するようになったりと、好きなようにやらせてもらってるんですけど、ディスクユニオンのレーベルは「好きなことやったらいいよ」という感じですごく協力してくれるんですよね。
──BALZACがディスクユニオンのレーベルと組んだのは1990年代中盤ですよね。
HIROSUKE 2ndアルバム(1997年リリースの「Deep-Teenagers From Outer Space」)からですね。それ以来ずっとこのレーベルから出させてもらってるんですけど、本当にやりたいことを実現させてくれるんですよ。京都のどこの馬の骨かわからないようなバンドなのに、初リリースのときからこっちがワガママを言っても「実現できるように考えよう」って前向きになってくれて。
岸本 fox capture planもずっとディスクユニオンのレーベルですね。4年くらいで10タイトルくらいリリースしてるのかな?
HIROSUKE すごいハイペース。
岸本 それだけリリースできるのも、自分たちがやりたい音楽を尊重してもらってるからだと思うんですよ。いまのHIROSUKEさんの話と同じで、こちらがやりたいことを軌道に乗せてくれるというか。インディーズといってもすごく大きな組織だし、ディスクユニオンの店舗でも展開してくれますからね。
オーディションは選択肢の1つになる
──7月10日からディスクユニオンの初のオーディション企画「disk UNION DIVE INTO MUSIC.オーディション」がスタートしました。HIROSUKEさんはオーディションを受けたことはありますか?
HIROSUKE ないですね(笑)。僕がBALZACを始めたときはオーディションを受けるようなジャンルのバンドではないと思ってましたから。ライブハウスに出演するためにデモテープを作ったくらいかな? 僕らが高校生くらいのときは、ライブハウスに出るためにデモテープの審査があったんですよ。一発録りのカセットテープを聴いてもらって「いいね。じゃあ、出てみる?」っていう。あとはパンクやハードコアのレーベルにデモテープを送ったこともあったかな。
──HIROSUKEさんが10代の頃はパンク系のインディーズレーベルがようやく活動し始めた時期ですよね。LAUGHIN’NOSEのメンバーさんが設立したAAレコード、雑誌「宝島」のキャプテンレコードとか。
HIROSUKE うん、そうですね。LAUGHIN'NOSEも大好きで中高生のときにずっと聴いてたし、そういうパンク系のインディーズレーベルからリリースしたいと思っていたかも。
岸本 そういえば当時のバンド仲間も京都の寺町にあるレコード屋さんにデモテープを置かせてもらったりしてましたね。
HIROSUKE 「アビスレコード」(インディーズのアーティストの作品を扱うレコードショップ)やろ? 俺らも自分たちのカセットテープを置いてもらってた(笑)。
岸本 あ、そうなんですか(笑)。オーディションは、僕らも受けたことがないんですよね。もし僕らの音楽を世に出す手段が何もなければ、選択肢の1つとして考えたかもしれないですけどね。
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ディスクユニオン DIVE INTO MUSIC.
オーディション
ディスクユニオンが主催する初の本格的オーディション
合格者はDIW PRODUCTSよりCD、レコードのWフォーマットでリリース!!
BALZAC(バルザック)
1992年にHIROSUKE(Vo)を中心に京都で結成された4人組パンクバンド。“ホラーパンク”と銘打った独特のサウンドと世界観で人気を博す。1995年10月に1stアルバム「THE LAST MEN ON EARTH」をアルケミーレコードよりリリース。1997年10月にPHALANX RECORDS(現・DIWPHALANX RECORDS)移籍第1弾となる2ndアルバム「DEEP-TEENAGERS FROM OUTER SPACE」をリリースした。2002年3月に親交の深いMISFITSと発表したスプリットシングル「DON'T OPEN 'TIL DOOMSDAY」で、初の全世界リリースを果たす。その後本格的に海外での活動を行い、アメリカやヨーロッパでのロングツアーも開催した。これまでにリリースした音源や映像作品の総タイトル数は160を超える。9月17日にはニューシングルを発表する。
BALZAC ライブ情報
- DIRTY BLACK SUMMER 2016 - ISOLATION FROM NO.13 & DEEP BLUE SPECIAL
- 2016年8月20日(土)大阪府 難波Mele
- [昼の部] OPEN 16:15 / START 16:30
[夜の部] OPEN 18:00 / START 19:00
- EVER FREE FROM #9 DREAM TOUR 2016
- 2016年10月1日(土)愛知県 CLUB Zion
- 2016年10月29日(土)京都府 京都MOJO
- 2016年12月23日(金・祝)東京都 下北沢SHELTER
fox capture plan(フォックスキャプチャープラン)
岸本亮(Key / JABBERLOOP)、カワイヒデヒロ(B / Immigrant's Bossa Band)、井上司(Dr / nhhmbase)からなるトリオ編成のバンド。それぞれ違った個性を持つバンドで活動する3人が集まり2011年に結成。“現代版ジャズロック”をコンセプトとしたサウンドで話題を集め、2012年8月にタワーレコード新宿店のみで発売したCD-R「Sampleboard」はフロアデイリーチャート1位を記録。2013年5月には初のフルアルバム「trinity」、2013年12月に2ndアルバム「BRIDGE」をリリースした。2015年はfox capture planとして3枚のアルバムをリリースすると宣言し、4月にミニアルバム+ライブDVD作品「UNDERGROUND」、7月にカバーアルバム「COVERMIND」、11月にオリジナルアルバム「BUTTERFLY」を発表。2016年7月には「FUJI ROCK FESTIVAL'16」に初出演を果たした。
fox capture plan ライブ情報
- fox capture plan ≪英華発外≫
- 2016年10月15日(土)神奈川県 相模女子大学グリーンホール・多目的ホール
- OPEN 16:30 / START 17:30