──ここからは、「DISH//と前山田健一の妄想クリスマスデート」というテーマで、1人ひとり理想のデートプランを発表していただきたいと思います。ではまず、前山田さんは妄想が得意とのことなので……。

前山田　妄想検定1級ですから。妄想ならなんでも来いですよ。

DISH//　あはははは！（笑）

──（笑）。まず前山田さんからお願いします。最初に、どうやって相手を誘いますか？

前山田　まず、誘わないっていうところからスタートですかね。

TAKUMI　ははは！（笑） まさかの。

前山田　「ごめん仕事だ」と。前振りとして、僕は忙しい作曲家っていうイメージが付いてるじゃないですか。それを利用して、忙しいから会えないっていうことにしときます。で、僕は彼女の家の合鍵はもう持ってて、何時から何時まで仕事してるかっていうのもだいたい把握してます。その間に家に入りましょう。入って、部屋を完全にデコレーションしましょう。

DISH//　おおー。

前山田　しかもそのデコレーションもすぐに片付けられるもの。ちまちま取らなきゃいけないとか、ガムテープ剥がして「あーっ、跡が残る！ 除光液持ってきて！」みたいなくだりはイヤじゃないですか。なので養生テープを使って、ベッベッベッて剥がせてすぐに現状復帰できるデコレーションにします。

To-i　ふふふ（笑）。

前山田　で、彼女がごはんを食べてきてるかどうかはわからないので、食べてきたバージョンと食べてきてないバージョンっていうのはやっぱり考えなきゃいけなくて。

MASAKI　あー！

前山田　まあお酒は用意しときます。シャンパンね、シャンパン。で、最近「fineDine」っていう、有名なレストランのごはんを出前してくれるとってもいいサイトがあって。そこでクリスマスディナーをとりあえず「カートに入れる」「カートに入れる」「カートに入れる」。あとワンクリックで注文できるっていう状態にまで持っていっときます。そこに彼女が帰ってきて、サプライズ……あ、あとでこのサプライズの話させていただきますけども、そのあとに「ごはん食べてきた？」と一言聞いて「食べてきてない」って言われたらはいクリックー！ それで45分後に届くわけですよ。でもどちらにしろケーキはいる。けれどもケーキっていうのはクリスマスディナーをおいしくいただいたあとにはお腹がいっぱいで基本入らないんですよ。あんなね、でっかいケーキを買ったところで2人だったら食べ切れない。なので、青山にあるちっこくて4000円くらいするケーキを買っておきます。これは絶対彼女の好みのケーキにする。……あっ、帰ってきたときのこと説明するの忘れてましたね、ごめんなさいね。

DISH//　あはははは（笑）。

前山田　部屋は真っ暗にしといて。彼女が帰ってきて電気を点けたら、養生で貼られたデコレーションがあるわけですよ。「えっ、どういうこと？」ってなってる彼女にクラッカー鳴らしたら、ヘタしたら心臓発作で死んじゃうかもしれないんで、そおっと音楽を鳴らしましょう。

DISH//　おおー。

前山田　「ホワイト・クリスマス」とかにしましょうかね。そこでようやく彼女が気付いたら、常日頃の会話から盗み聞いておいた、彼女が欲しがってるものをあげましょう。で、「どういうこと？ 仕事だったんじゃないの？」って言われたら……「サンタさんの仕事はこれだよ」って。

DISH//　うわあーー!!

前山田　よし！

TAKUMI　すーげえ！ すーげえな！

To-i　いい、それ！

前山田　プレゼントもけっこう豪華なのあげたいですね。ちょっと背伸びして……車あげましょう！ 時計とかだったらリサイクルショップで売られる可能性があるからね。それもやだし、残るもんだったら徹底的に残るもんで、車。ハイブリッド車。

To-i　車かー……。

RYUJI　かっけえー！

──では前山田さん、そのプランにタイトルを付けるとしたら？

前山田　そうですね、「壮大な前振り」編ですね。仕事してがんばって貯めたお金はなんのためかって言ったら、あなたのためだったんだよっていう。

TAKUMI　なるほどー……。もう作曲家の仕事も前振りだったっていう。

To-i　いい！ 泣くねこれは！

前山田　でもこれは33歳の残念な大人の妄想クリスマスだから。みんなは自由に、普通のことしゃべっていいんだぞ！

RYUJI　ああもうやりづれー、なんも言えねえ。

前山田　妄想デートですからね。スラッシャーをキャーっと言わせましょうよ。

──DISH//のみんなが前山田さんの妄想デートに圧倒されて黙り込んでしまったので（笑）、前山田先生にアドバイスをもらいながら話していただければと。

前山田　よし、先生がその妄想プランを添削しよう！

──じゃあTo-iくんから。

To-i　まじすか！ えーっと……。じゃあ、めちゃめちゃ妄想を振り絞っていきます！ まず「2人で普通のクリスマス過ごそう」って誘っておいて、24日の昼くらいに俺が彼女の家に迎えに行きます。1人暮らししてるとして……僕はインドア派なんで、「家で一緒に鍋を作ろう」って言って、ほんとに普通の日と変わらないクリスマスを過ごすわけですよ。

前山田　おお、いい。いいね。

To-i　材料を一緒に買いに行ったら、コタツの上で鍋作って、イブは終わり。あっ、でも12時超えてからがクリスマスですもんね。じゃあ、「メンバーに渡さなきゃいけないものがある、でもそれがいつになるかわからない」っていうのを伝えといて、12時近くなったらメンバーから電話が来たふりして「ちょっと行ってくるから待ってて」って家を出ます。そこでサンタコスをする。やっぱり彼女にとっちゃ、大事な人がサンタさんなわけじゃないですか。

前山田　その通りだ！ 「恋人がサンタクロース」ってユーミンも言った！

To-i　ははははは！（笑）

前山田　続けたまえ、いいよ！ 今の流れすごいいいよ！

To-i　で、僕はサンタの格好でケーキを持って、ドアをコンコンと。彼女がガチャって開けたら、「メリークリスマス！」って言います。ケーキはさっきまで鍋があったところに置いて、一緒にろうそくを静かに立てて、「イエー」って写真撮っちゃったりして。で、僕は明るい部屋があんまり好きじゃないのでキャンドルをつけて、キャンドルの明かりがついた部屋でケーキを一緒に食べて……。

前山田　怖くね？ それ（笑）。

To-i　いや、いい感じにいっぱい置くんですよ！ いい匂いのするやつとか。で、ケーキを食べ終わってサンタの服を脱いだら、プレゼントを渡します。ネックレスか指輪か、ペアのものを買って、俺はもともと付けておく。で、もう1つを彼女に渡す。

前山田　いいねえー、すっごいバカップルっぽくて。

──この妄想は何編と名付けますか？

To-i　うーん……「初々しいクリスマス」編。

前山田　うん、いい、いいよ。とても筋いいと思う。

To-i　変な汗かきました（笑）。

TAKUMI　じゃあ僕は、けっこう長い間付き合ってる彼女だと妄想します。毎年クリスマスは一緒に過ごしてるから、「今年は何して過ごそうかね？」って誘って、2人で計画を練る。24日はけっこう盛大にして、ディズニーランドなんか行っちゃおうかみたいな。チケット代は俺が払う。

前山田　おっ。男！

TAKUMI　プレゼントは2個あげて、1つ目がそのチケット。イブのディズニーランドは、朝から夜まで遊び尽くすんですよ。2人でミッキーの耳付けたりして。

前山田　ああ、ちょっと浮かれちゃうんだね。はいはいはいはい。あの、テレビで観たら殺意が沸くやつね。

DISH//　はははは（笑）。

TAKUMI　で、帰ってから連絡取り合って、次の日の予定を立てます。「明日どうしよっか？」「まあ2人で過ごせればいいよね」みたいに話して、決まらないから「とりあえず明日昼過ぎくらいから会おっか。いいとこ探しとくよ」と。

──次の日も外出ですね。どこに行きますか？

TAKUMI　そうですねえ。どうしよっかな……じゃあ海沿い、お台場。僕は散歩が好きなんで、お台場を散歩して、昼メシはちょっとおしゃれな店に行く。夜9時くらいには、海沿いで「今までいろいろあったよね」みたいに付き合ってからの経緯を2人で話すんですよ。

To-i　あーいいねえ。

TAKUMI　そうそう。それで、付き合った当初に僕がちょっと高価なものをあげて、それを相手の女の子がなくしちゃってたとして。その思い出話をしてる最中に「そういえばさ」って言ってポケットから同じ物を取り出して、あげる。

前山田　ああー、いいじゃない。ドラマっぽいね。いいよ、筋いいよー！

TAKUMI　「そういえば！ あのときはごめんね」「全然いいよ」って。そのままいろいろ話してたら、親から「帰って来い」って言われて、終了！

──ははは（笑）。じゃあこのプランはなんと呼びましょうか？

TAKUMI　「親が厳しい」編。「帰って来いデート」（笑）。

前山田　これポイント高いわー。