ナタリー PowerPush - 電気グルーヴ

WOWOWライブ放送直前 ツアーパンダを振り返る

4月21日(日)21:00より、WOWOWライブにて特別番組「電気グルーヴ ツアーパンダ2013」がオンエアされる。この番組では電気グルーヴが約5年ぶりに実施した全国ツアーから3月13日の東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の模様を放送。ナタリーではこれを記念して石野卓球とピエール瀧の2人にインタビューを行った。

取材・文 / 大山卓也 撮影 / 福岡諒祠

 
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背中に雪を入れあったり

左からピエール瀧、石野卓球

──約5年ぶりのツアーを終えた感想はいかがですか?

ピエール瀧 5年ぶりっていっても、いつのまにか空いちゃったって感じなんですよね。内容に関しても今回は終始ふざけてただけだったっていう(笑)。

石野卓球 こんなにリハーサルをやらないツアーは初めてだったんですよ。でもなんとかなるもんですね。

──ツアー各地でのエピソードみたいなものはありますか?

卓球 ありすぎてわかんない。もうあげたらキリがないですよ。

 しかもわざわざインタビューで話すことじゃないだろっていうような話ばっかりで。

卓球 北海道で背中に雪を入れあったりとか。

 その様子を動画で隠し撮りしてたりとか。小学生の修学旅行以下ですね。はい、エピソード終了、と。

卓球 あははは(笑)。

──ライブのトラックはけっこうアップデートされていた気がしたんですが。

卓球 いや、あのね、実は古いやつはそんなにいじってないんですよ。昔のマルチから引っ張ってきて、音圧的に弱かったりするところ以外はそんな大幅には変えてないですね。ゼロから打ち込み直したりとかっていうのはないです。だからその20年ぐらい前のマルチを開いてみて、自分の手癖の変わってなさを感じましたね。意外に今と共通するところがあったりとか。

──演出面ではプロジェクションマッピングが非常に印象的でした。

卓球 もともとプロジェクションマッピングにすごく興味があって、今回スタッフからやってみない?っていう提案があったんで、じゃあ一度試してみようということで。結果的にはすごく面白くできたし。次にまたなんかもうちょっと変わった使い方とかできないかなっていうのも思ってますね。

「ツアーマグマ」には負けた

──「ツアーパンダ」という名前はどこから?

卓球 マネージャーから「ツアータイトル早く決めてくれ」って言われてて。で、何がきっかけだったかわかんないですけど。俺が言ったのかな?

ピエール瀧

 お前が急に言い出したんだよ。

卓球 そうだそうだ。「じゃあパンダにしよう」って適当に。そしたらなんかマネージャーがいたく気に入って「うん、見えました!」だって(笑)。ただ同じ時期に同じレーベルのギターウルフがツアーやってたんですけど、そのツアータイトルが「ツアーマグマ」だったんだよね(笑)。それには負けたなと思った。

 さすがだよね。

卓球 「ツアーパンダ」と「ツアーマグマ」ってね。精神年齢が低いんですよ。

 お互いけっこういい歳なのに(笑)。

──最近のツアータイトルはシンプルですよね。昔はかなり凝ったタイトルが多かったですけど。

卓球 昔はね、口に出せないとか放送できないとかっていうツアータイトルにして面白がってたんですけど。でも結局それで損するのはこっちだからね。せっかくプロモーションで番組出てるのにツアー名言えないってなんなんだ、っていうのがあって。

 あと「今回どうくるかな?」って構えられるとはぐらかしたくなるっていう、天邪鬼な感じもあって。

石野卓球

卓球 まあモノにも寄るんで、例えばたまにやってるLIQUIDROOMの単発とかっていうのはあんまりそういうの関係なく付けたりしてるんですけど。一応全国ツアーとかになってくるとうかつなタイトルも付けられないぞっていうね。

 今回もヤバイ感じのタイトルだったらWOWOWでオンエアされないでしょ。この企画自体そもそもないでしょ。

卓球 ないね(笑)。

 例えば「生理用ショーツ~」みたいなツアータイトルだったら「何をやってるんだWOWOWは!」っていう話になるわけですからね(笑)。

俺らにそもそも深みはない

──今回のツアーを観ていて、ステージ上のお2人がすごく楽しそうなのが印象的でした。ベテランゆえの余裕もあるのではと感じたんですが、若い頃と現在とで心境の変化などはありますか?

卓球 たぶん若い頃から楽しかったんですけど、ここまでじゃなかったかもしれないですね。やっぱり当時は若気の至りというか、もっとこういうふうに見られたいとか、こういう部分も見てほしいみたいな気持ちがあったと思うんです。今となってはもうそういうのもなくて。見たまんまですから。今のほうが楽しんでやれてますよね。

ピエール瀧

 若い頃は自分たちに足りてないところ、言ってみれば“深み”みたいなものですけど、それをテクニックでカバーしようとしてたんです。でもこの歳になってはっきりわかったのは、俺らにそもそも深みはないっていうことなんです(笑)。だったらもう楽しむしかないなってことで。

卓球 馬鹿が利口に見られようと思ってがんばってる姿ほど滑稽なもんはないですからね(笑)。

──(笑)。最後に今年の予定について伺っていいですか?

卓球 今年はまず夏フェスがいくつかあって。アルバムの制作に入るっていうのはないだろうから、もしかするとシングルを作るかもしれないっていう感じですかね。ちょっとふざけすぎたんで戻さないと(笑)。このままいくとお互い個人でやってることの説得力がなくなって、社会復帰できなくなっちゃうんで。

 日々ギャグマンガ的すぎたんで(笑)。日々の生活をもうちょっとなんとかしないとね。

──なるほど。普通のグループは個人活動で自由に遊んで、本拠地に帰ってきて真剣にやるというパターンが多いと思うんですが、電気グルーヴは逆なんですね。

卓球 あー、逆ですね。ほんとなんなんですかね(笑)。

左からピエール瀧、石野卓球

電気グルーヴ ツアーパンダ2013 WOWOWライブ

2013年4月21日(日)21:00~
2013年5月3日(金・祝)25:00~

番組公式サイト

電気グルーヴ(でんきぐるーぶ)

電気グルーヴ

前身バンド・人生での活動を経て、石野卓球とピエール瀧を中心に1989年結成。テクノ、エレクトロを独特の感性で構成したトラックと、破天荒なパフォーマンスで話題になる。1991年にアルバム「FLASH PAPA」でメジャーデビューを果たし、同年に砂原良徳が加入(1998年に脱退)。1990年代の音楽リスナーに本格的なテクノを啓蒙する役割を担いつつ、1994年の「N.O.」や1997年の「Shangri-La」などではシングルヒットも記録する。2001年から2004年の活動休止期間を経て、2005年にはスチャダラパーとのユニット「電気グルーヴ×スチャダラパー」としても活動。その後、2008年にアルバム「J-POP」「YELLOW」、2009年に結成20周年記念アルバム「20」を立て続けにリリースし、その存在感を見せつけた。2011年4月にはベストアルバム「電気グルーヴのゴールデンヒッツ~Due to Contract」とPV集「電気グルーヴのゴールデンクリップス~Stocktaking」を同時リリース。2013年2月に通算13枚目のオリジナルアルバム「人間と動物」を発表した。