DAOKO×岡村靖幸のニューシングル「ステップアップLOVE」がリリースされた。タイトル曲はテレビアニメ「血界戦線 & BEYOND」のエンディングテーマとして現在オンエア中。岡村のシャウトとDAOKOのラップが絡み合うダンサブルなナンバーは、早くも大きな話題を集めている。
音楽ナタリーではこのリリースを受けて、DAOKOと岡村へのインタビューを実施。珠玉のコラボ曲の制作過程について話を聞いた。
取材・文 / 大山卓也
相思相愛で実現したコラボ
──まずは今回「ステップアップLOVE」で、お二人がコラボすることになった経緯から教えていただけますか?
DAOKO 私が岡村さんの大ファンで、うちの制作陣もファンなので、「いつか一緒にやれたらいいよね」って話だけはすごく前から出ていたんです。それで今回アニメのエンディングテーマを作るタイミングで、ダメもとでお願いしました。引き受けていただけたのは、私にとってはもう奇跡的なことでしたね。
──DAOKOさんは岡村さんのどんなところに魅力を感じていたんですか?
DAOKO 一番好きなアルバムは「家庭教師」(1990年リリース)なんですけど、私は1997年生まれなのでリアルタイムで聴いてたわけではないんです。だからちゃんと聴き始めたのは2年くらい前で、そこからもう「すごい人がいる!」みたいな。やっぱりスタイルがオリジナルだし、突き抜けてるし。
──岡村さんはDAOKOさんのことはご存知でしたか?
岡村靖幸 もちろん。曲を聴いて「いい音楽やってるな」「素敵だな」と思ってました。以前から好印象を持ってました。
──DAOKOさんは岡村さんとのコラボでどんな曲を作ろうとイメージしていましたか?
DAOKO 具体的な例で言うと、例えばSMAPの「ダイナマイト」とか「SHAKE」みたいな、インパクトがあってキャッチーで、しかも音楽的にも完成度が高くてっていうものですね。そもそも岡村さんの楽曲にも同じような印象を持っていたんで、今そういうイメージで作っていただいたら、すごくカッコいいものになるんじゃないかなって。
岡村 イケイケでポップな曲って言ってたよね。
DAOKO あとはちょっとセクシーで、みたいな。
歌とラップが複雑に絡み合う
──「ステップアップLOVE」は作曲とアレンジが岡村さんで、作詞はお二人の共作という形ですね。
岡村 歌詞はけっこうみっちりやりました。僕が作ったメロディがあって、まず彼女が全部の歌詞を書いてきてくれたんです。それに対して、僕のほうから「ここはこうしましょう」とか「こうしてほしい」って提案をして、最終的に2人で作り上げた感じですね。
──具体的にはどういうリクエストを?
岡村 「1人の女性の視点でちょっとセクシーな感じを出してみませんか」とか、そういうことは言ってたかもしれない。
DAOKO 最初はわりとアニメ「血界戦線 & BEYOND」の世界観を意識しながら書いてたんです。アニメの1期がすごく好きで食い入るように観てたので。でもそのせいでアニメに寄せすぎちゃったところもあって、岡村さんにアドバイスをもらってからは、作品の内容も踏まえつつ、改めて「自分の中の女性とは?」みたいなことも考えつつ。難しいところもありましたけど探りさぐり書いていきました。
岡村 アニメの世界観に寄りそって作るのもいいんですけど、やっぱり曲はずっと残っていくわけですから「血界戦線 & BEYOND」のファンの方以外が聴いても「いいな」って思えるものにしたくって。
──Aメロが誰で、サビが誰といった形で分担して書いたわけではないんですね。
DAOKO そうですね。1行ずつ担当が違うっていうくらい入り組んでる。
岡村 だいぶ複雑ですよね。ラップパートは全部彼女が書いてますけど。
──歌割りも面白いですよね。同じメロディでも1番は岡村さん、2番はDAOKOさんが歌っていたり、2人の声が重なったりしていて。
岡村 そうですね。
DAOKO ここまで絡み合っているデュエット曲っていうのもなかなかないと思います。
インパクトとユーモアを重視
──歌詞についてもう少し詳しく聞かせてください。「ステップアップLOVE」というタイトルはどちらの案ですか?
岡村 僕が考えました。
DAOKO やっぱり岡村さんの持っているグルーヴやリズム感がすごいんですよ。メロディに対する歌詞のハマり具合が本当に気持ちよくて、特にサビの「ステップアップLOVE」っていうフレーズが出てきたときにハッとなりました。「これだ!」って。自分では思い付かない言葉だし、すごく感動した瞬間でしたね。
岡村 この前ミュージックビデオを撮ったんですけど、児玉裕一監督に「彼女がガンガン成長して、僕を通過して乗り越えていく」っていうのが映像のコンセプトだ、みたいなことを言われて「そうか!」って思ったんですよね。確かに彼女はめちゃめちゃ若いし、ここからもっともっと女性としてもアーティストとしてもステップアップして開花していくと思うんで。そういう意味でも、今回いい感じの歌詞になったと思ってます。
──ところで歌詞に「まだ勉強中」というフレーズがありますね。これは岡村さんが書いた部分ですか?
岡村 そうです。
──岡村さんがプロデュースした川本真琴さんの「愛の才能」(1996年リリース)にも同じく「今も勉強中よ」という歌詞がありますが、それは意識しました?
岡村 いや、そこは自然に出てきました。勉強という言葉は繰り返し使ってきたキャッチーなキーワードなんです。
──そのほか歌詞で気を配った部分は?
岡村 DAOKOさんの魅力が最大限出るように、最後の最後までけっこう時間をかけて、粘って作りましたね。
──岡村さんの歌詞で、ここまで韻を踏んでるものはあまりないですよね。
岡村 そうかしら、だとしたら彼女の持ち味の部分が大きいのかも。
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やっぱりグルーヴが大切
- DAOKO「ステップアップLOVE」
- 2017年10月18日発売 / TOY'S FACTORY
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期間限定盤 [CD+DVD]
1404円 / TFCC-89643 -
通常盤A [CD]
1080円 / TFCC-89644 -
通常盤B [CD]
1296円 / TFCC-89645
- 期間限定盤 CD収録曲
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- ステップアップLOVE / DAOKO×岡村靖幸
- TOKYO-KICK-ASS / DAOKO
- 期間限定盤 DVD収録内容
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- 血界戦線 SPECIAL EDITION MUSIC VIDEO
- 通常盤A CD収録曲
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- ステップアップLOVE / DAOKO×岡村靖幸
- カルアミルク / DAOKO
- 通常盤B CD収録曲
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- ステップアップLOVE / DAOKO×岡村靖幸
- 忘らんないよ / 岡村靖幸
ライブ情報
- Cygames presents DAOKO TOUR 2017-2018
"THANK YOU BLUE" -
- 2017年11月26日(日)大阪府 BIGCAT
- 2017年11月29日(水)愛知県 THE BOTTOM LINE
- 2017年12月2日(土)福岡県 DRUM Be-1
- 2017年12月8日(金)宮城県 darwin
- 2017年12月10日(日)北海道 Sound Lab mole
- 2018年1月11日(木)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- 岡村靖幸 2017 FALL~WINTER TOUR「レッド」
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- 2017年11月3日(金・祝)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- 2017年11月4日(土)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- 2017年11月8日(水)東京都 中野サンプラザホール
- 2017年11月23日(木)大阪府 オリックス劇場
- 2017年11月26日(日)愛知県 Zepp Nagoya
- DAOKO(ダヲコ)
- 1997年生まれ、東京出身の女性ラップシンガー。ニコニコ動画のニコラップに投稿した楽曲で注目を集め、2012年に1stアルバム「HYPER GIRL-向こう側の女の子-」を発表。ポエトリーリーディング、美しいコーラスワーク、ラップを絶妙なバランスで織り交ぜたドリーミーな世界観で話題を呼ぶ。2015年3月にはTOY'S FACTORYよりアルバム「DAOKO」にて高校生にしてメジャデビュー。2016年4月にTeddyLoidとのタッグで学校法人・専門学校HAL(東京・大阪・名古屋)の2016年度テレビCMソングを担当。同曲も収めたトリプルA面シングル「もしも僕らがGAMEの主役で / ダイスキ with TeddyLoid / BANG!」を9月にリリースした。2017年2月より初の対バンツアー「“青色時代” TOUR」を開催。8月には映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の主題歌を含むニューシングル「打上花火」をリリースした。10月に岡村靖幸とのコラボレーションによるシングル「ステップアップLOVE」を発表。
- 岡村靖幸(オカムラヤスユキ)
- 1965年生まれ、神戸出身のシンガーソングライター。作曲家としての活動を経て1986年にシングル「Out of Blue」でデビュー。R&Bやソウルミュージックを昇華したファンキーなサウンド、青春や恋愛の機微を描いた歌詞などが支持され、熱狂的な人気を集める。90年代以降は作品発表のペースを落とし表舞台から姿を消すが、他アーティストへの楽曲提供やプロデュース活動は継続する。2004年には約9年ぶりのアルバム「Me-imi」をリリースし全国ツアーも実施。2011年8月にアルバム「エチケット」を2枚同時リリースし、2013年10月には6年ぶりのニューシングル「ビバナミダ」を発表した。2016年8月には約5年ぶりのオリジナルアルバム「幸福」をリリース。今年11月公開の萩本欽一のドキュメンタリー映画「We Love Television?」に書き下ろしの主題歌「忘らんないよ」を提供しており、この曲は10月リリースのDAOKOとのコラボレーションシングル「ステップアップLOVE」通常盤Bに収録されている。