「D4DJ Groovy Mix」×ClariS|グルミク実装曲でClariSのキャリアをたどる

2019年にスタートし、DJをテーマにしたアニメ、ゲーム、声優陣によるライブを展開しているブシロードのメディアミックスプロジェクト「D4DJ」。スマートフォン用リズムアプリゲーム“グルミク”こと「D4DJ Groovy Mix」とClariSのコラボレーションが実現し、「irony -season 02-」「コネクト -2017-」「ヒトリゴト」「Fight!!」の4曲すべてが原曲でゲーム内に実装された。

これまでアニメタイアップ曲を多数担当してきたClariSの2人にとっても、グルミクへの実装は新鮮な体験になっているという。音楽ナタリーでは実際に自身の楽曲をプレイしてもらったClariSにリモートで取材を行い、楽曲の思い出やグルミクの魅力を聞いた。

取材・文 / 杉山仁

DJって楽しそう

──ClariSの楽曲が「グルミク」で使用されています。まずは皆さんの曲が音ゲーで遊べるようになったことについて、率直な感想を教えてください。

クララ これまでもテレビアニメで自分たちの楽曲が流れるたびに不思議な感覚になっていたんですけど、今回は“自分でプレイできる”という意味でもまた違った経験ですごく面白かったです。特に、最初に実装された「irony -season 02-」はkzさんが書いてくれた楽曲で、曲のポップなイメージがゲームにぴったりですし、実際にライブでDJをしてもらってコラボした思い出もあるので、その雰囲気を思い出しながら感慨深くプレイしました。

カレン わかる! 私もライブでkzさんと一緒にステージに立たせていただいて以来、DJにとても興味が出てきているんです。北海道の「さっぽろ雪まつり」にDJ和さんが出演されたときにも「DJって楽しいんだろうな」と思い、会場に観に行きました。ただ、自分でDJをする機会はこれまでなかなかなかったので、今回その疑似体験をアプリゲームで、しかも自分たちの曲でできるというのがすごくうれしくて、何回もプレイしちゃいました。

クララ スマートフォンの音ゲーだと、身近な感覚で誰にでもプレイしてもらえると思うので、そういう作品に関われて幸せです。

「D4DJ Groovy Mix」プレイ中の画面。

──2人はもともと、音ゲーは好きでしたか?

カレン 私は普段あまりアプリゲームはやらないんですけど、好きだと思える作品は音ゲーが多いんです。今回「グルミク」をプレイしていてもすごく面白くて、「こんなゲームを今まで知らなかったんだ……」と申し訳ない気持ちになりつつ、とってもハマっています。

クララ 音楽が好きなので親しみやすいジャンルですし、音ゲーは新しい音楽に出会うきっかけにもなりますよね。「グルミク」にもいろんなアーティストさんの曲が入っていますけど、音ゲーはあらゆる音楽の入口になっているような気がします。

カレン 私はアプリよりゲームセンターで音ゲーをやることのほうが多いですね。ノリのいい曲だとどんどん世界観に入り込めますし、やればやるほど上達していけるのがすごく好きで。それに、クララも言っていますけど、音ゲーは新しい音楽を知る機会にもなると思います。

クララ 特に「グルミク」はDJをテーマにしていることもあって、プレイ画面がDJ卓のようになっているところがすごく新しくて、今までの音ゲーとはまた違う感覚で楽しめました。

自分たちの曲なのにうまくできない……

──「グルミク」には、スクラッチやフェーダーといったDJならではの操作ができるノーツも用意されていますね。

Photon Maidenのロゴ。

クララ そうですよね! あと「グルミク」はDJ卓をカスタマイズできるのも魅力ですよね。ちなみに私はPhoton Maidenのデザインにしています。

カレン 私たちも普段ライブをするときに、お互いのイメージカラーを意識してステージを作っているんですけど、ゲームでもステージを自分たちでカスタマイズできるのは特別感があってすごく楽しいです。最初に簡単なモードでプレイして「できそう!」と思ったので、難易度を一気に上げてプレイしてみたら、全然うまくできなくて……これからどんどんやっていこうと思っています。

クララ 自分たちの曲なので、リズムも全部わかっているはずなのに、ゲームではうまくできないのが悔しくて……(笑)。私も何回もプレイしています。

──異なる複数の曲を選択すると、自動的に楽曲と楽曲をつないでDJプレイに仕上げてくれる機能も特徴的です。

カレン 曲を選ぶだけで、DJセットができちゃうんですよね。

クララ プレイしながら曲を聴いてもらうと、より楽曲の魅力を感じとってもらえるかもしれないので、この機会にたくさんの人に楽しんでもらいたいです。あと、「D4DJ」にはたくさんのユニットやキャラクターが登場するので、自分の好きなグループや好みのジャンルが絶対見つかると思っていて。そういう意味でも、たくさんの人が楽しめるゲームだと思います。キャラクター1人ひとりにストーリーがあって、そこも素敵です。

出雲咲姫

──お2人が好きなキャラクターやユニットと言いますと?

カレン 私は白髪の女の子が好きなので、Photon Maidenの出雲咲姫ちゃんですね。

クララ 私も、ユニットで言うとPhoton Maidenの白と水色の雰囲気がすごく好きです。

テレビ越しのClariSに勇気をもらった

──では、今回実装されたClariSの4曲について、それぞれに楽曲の思い出などを教えてください。まず、「irony -season 02-」は、カレンさんの加入前にリリースされたデビュー曲「irony」(2010年10月発表)を、2018年に2人でレコーディングし直した楽曲ですね。

クララ そうですね。私たちで歌い直していますし、アレンジもkzさんに作り直していただいています。

カレン “ClariSの始まりの曲”として私たちにとって思い入れのある曲ですし、今の4曲の中で一番リズムが取りやすい曲でもあるので、ぜひプレイしていただきたいですね。

──「irony」がリリースされた当初、ClariS加入前のカレンさんはクララさんがClariSのメンバーだとは知らずにこの曲を聴いていたそうですね。

カレン 小さい頃から「たくさんの人に笑顔を届けたい!」という夢を持っていたものの、具体的には何をすればいいのかまだ定まっていなかったときに、テレビからたまたま「irony」が聞こえてきて、「同年代なのに、もう夢を叶えてがんばっている人がいるんだ」と勇気をもらえたんです。私が夢に向かって努力しようと思えるきっかけになった特別な曲でした。

クララ 私とカレンは小さい頃に同じスクールに通っていたんですけど、そこまでClariSのことを好きで聴いてくれていたとは知らなくて、最初は驚きました。でも、そうやって思い続けていてくれて、今では一緒に活動できるようになって、この曲を一緒に届けられるのがすごくうれしいです。この曲はアニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のオープニングテーマで、女子特有の気持ちがかわいらしく描かれているところがポイントです。

カレン 当時は等身大の自分を重ねながら聴いていたんですけど、今歌っていると、中学生の頃の甘酸っぱい気持ちや、好きな人に素直になれなくて天邪鬼になってしまうような感覚を「すごく懐かしいな」と思うようになっていて。いつ聴いても当時の気持ちを思い出させてくれるような曲だと思います。

──続いて「コネクト -2017-」はどうでしょう? この曲も、「irony」に続いて2011年2月にリリースされた活動初期の2ndシングルを、2017年に今の2人で歌い直したものですね。

クララ この曲はClariSの代表曲ですし、「魔法少女まどか☆マギカ」という人気のアニメ作品に関わらせていただいて、当時からすごく光栄な気持ちで歌っていました。ただ、「コネクト」の場合は歌詞が大人っぽいので、当時まだ中学生だった自分ではわかりきっていなかった部分もあって。「魔法少女まどか☆マギカ」のキャラクターは、当時の私と同年代でも、みんなすごく大人っぽいと思っていました。今は歌い方も変わりましたし、「コネクト -2017-」では原曲と歌唱表現が違っていると思うので、そのあたりに注目して聴いていただきたいですね。今は歌により抑揚の起伏を作れるようになって、曲によりさまざまな感情を乗せられるように意識しています。

カレン 「コネクト -2017-」が「グルミク」に実装されると決まったとき、ClariSのファンの方だけではなくて、ゲームのファンの方にも喜んでもらえたのがすごくうれしかったです。ぜひたくさんプレイして、楽しんでください! アップテンポでノリのいい曲ですし、間奏でストリングスが入ってきたりして、広がりのある曲でもあるので、実際にプレイしてもすごく楽しかったです。私だけ、この曲を少しプレイさせてもらったんですけど、「irony -season 02-」と比べても、「この曲はそう簡単にはクリアさせないぞ」という雰囲気を感じました(笑)。