音楽ナタリー Power Push - Cupitron

テクノな女神が銀河を目指す

テクノアイドルの誕生

──そもそもCupitronはどういう経緯で結成されたんですか?

山川 最初は私と彩加が呼ばれて「アイドルグループを結成するよ」って話になって。

──「テクノ・エレクトロ要素×アイドル」というコンセプトはその時点から?

Cupitron

山川 はい。私はアイドルとは無縁の芸能生活だったので、最初に「テクノアイドルをやる」と聞いたときは少し混乱しました。でも、それまで以上に自分が表現できる幅が広がるかもしれないと思って参加しました。

浜田 私はもともと中田ヤスタカ(CAPSULE)さんが好きで、テクノポップには興味があったんです。ただ、同じレーベルメイトにつりビットさんがいるので「私たちもこんな感じなのかな?」と思ったら、ちょっと違いました(笑)。まさか見た目もここまでテクノ寄りになるとは。

山川 まずは私たち2人が参加することが決まって、そのあとオーディションで里奈が入ったんです。

──宮川さんはなぜこのオーディションを受けようと?

宮川 事務所に入ってすぐの頃で、何を考えてたのか覚えてないんですけど、淡々とオーディションを受けたんですよ。

──事務所に入った当初は何をやる予定だったんですか?

宮川 なんにも。

──なんにも(笑)。

宮川 いや、一応女優志望だったんですけど、最初はなんでもがんばってみようと思って。でも私、ダンスがまったくできないから、アイドルなんて絶対無理!と思ってたんです。オーディションのときも「私はダンスができないし、リズム感も本当にないですよ」って正直に話したんですけど、なんか受かって……。

──何が決め手だったんでしょう。あとで理由を聞いたりはしてないんですか?

宮川 いえ。なんだったんだろう。

山川 気になる。あとで聞いてみます(笑)。

──3人が並ぶと姉妹のようなバランス感があるので、雰囲気的な部分も大きかったのかもしれないですね。

山川二千翔

山川 でも今でこそ家族みたいな関係ですけど、最初はみんな距離があったんですよ。彩加はよくオーディションで会ってたので知ってはいたんですけど、そんなに話したこともなかったし、里奈は人見知りでまったくしゃべらない子で。私たち2人の後ろをトコトコ付いてくるだけ。

浜田 今もそこはあんまり変わんない(笑)。

山川 自分の世界は持ってるけど、自分の意思では動かない(笑)。最初は本当によそよそしかったですね。グダグダな、本当にやっていけるのかな……という感じでした。

何もわからないままステージへ

──2014年6月には初の配信シングル「サマーカイジュウ」がリリースされて(参照:テクノ&エレクトロ3人組女性アイドル、Cupitronデビュー)、同年の9月にシングル「ユニコーンパレード」でCDデビューしました(参照:テクノ女子3人組Cupitron、初のCDシングル)。活動が始まってすぐの頃はいかがでしたか?

浜田 今振り返れば何もわからなかったよね。

山川 わからないけどステージに立つ、みたいな。

宮川 でもデビューライブ(2014年6月28日、東京・SHIBUYA REXで開催)がすでに満員だったんですよ。

山川 初めてパフォーマンスを観ていただいたので、あとで反応が気になって、あとでTwitterをチェックしたりしましたね。

──先ほど中田ヤスタカさんの名前も出てきましたけど、女性3人でテクノポップというと、やっぱりどうしてもPerfumeと比較される部分が大きかったと思うんです。そこをどう打破していくかというのが当初の大きな壁だったんじゃないかなと。

浜田 それはありましたね。でも違った色は出せていると思います。

──Cupitronはクールでカッコいいテクノポップがある一方で、「ピコピコクラブ」(「ユニコーンパレード」カップリング曲)や「π」(2015年7月発売の3rdシングル「ロボットボーイ ロボットガール」カップリング曲)みたいなアッパーでちょっとヘンな曲もあって(笑)、それも個性の1つになっていますよね。

山川 中毒性があるってよく言われます(笑)。

普段聴いてる音楽は?

──ちなみに皆さんリスナーとしてはどんな音楽を聴いてるんですか?

山川 私は主にLDH系です。EXILEさん、三代目(J Soul Brothers from EXILE TRIBE)さん、E-girlsさん……語っちゃいますよ(笑)。小学生の頃からEXILEさんが大好きで、三代目さんもデビュー当時から応援してるんですけど、皆さんまず人としてカッコいいんですよ。礼儀正しくて、大人として尊敬できる方々なので、音楽も好きですけど、1人の人間として憧れています。

──浜田さんは先ほど中田ヤスタカさんの名前を挙げていましたが。

Cupitron

浜田 私はアイドルも聴けばバンドも聴くし、ドラマの主題歌で話題になったものも聴くし……DD(「誰でも大好き」の略称として主にアイドルファンの間で使われる用語)です。

──ジャンルを問わず、音楽DD(笑)。最近聴いていいなと思ったバンドは?

浜田 最近だとなんだろう? ミセスかなあ。Mrs. GREEN APPLEさん。あとBLUE ENCOUNTさんも好きです。

──宮川さんは?

宮川 私は関ジャニ∞さんとか、きゃりーぴゃむぴゃむさんとか……。

山川 言えてないじゃん(笑)。

宮川 あと西野カナさんも聴きます。

山川 みんなけっこうバラバラなんですよ。

浜田 でも車の移動とか、3人でいる時間はLDH系の曲ばっかりです。

宮川 音楽を流す権利はリーダーにあるので(笑)。

ニューシングル「銀河鉄道999」 / 2016年5月25日発売 / Kisspoint Records
Cupitron
初回限定盤 [CD+DVD] / 1599円 / RPK-1042~3
通常盤A [CD] / 1000円 / RPK-1044
通常盤B [CD] / 1000円 / RPK-1045
初回限定盤CD収録曲
  1. 銀河鉄道999
  2. テクノテクノ
  3. 銀河鉄道999(Instrumental)
  4. テクノテクノ(Instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
  • 「銀河鉄道999」ミュージックビデオ
通常盤A CD収録曲
  1. 銀河鉄道999
  2. LOVE SCIENCE
  3. 銀河鉄道999(Instrumental)
  4. LOVE SCIENCE(Instrumental)
通常盤B CD収録曲
  1. 銀河鉄道999
  2. 一分間だけ夢を見る
  3. 銀河鉄道999(Instrumental)
  4. 一分間だけ夢を見る(Instrumental)

Cupitron「Galaxy Party ver2.0.0」

2016年6月11日(土)東京都 渋谷WOMB
OPEN 16:30 / START 17:00
料金:前売 2000円 / 当日 2500円(ドリンク代別)
Cupitron(キュピトロン)
Cupitron

トベタ・バジュンのプロデュースのもと「テクノ・エレクトロ要素×アイドル」をコンセプトに2014年結成。「第1回JUNONプロデュースガールズコンテスト」ファイナリストの山川二千翔、石川県のアイドルグループ・Jumpin'のメンバーとして活動していた浜田彩加、一般オーディションで選ばれた宮川里奈の3人からなるアイドルユニットとして、2014年6月に配信シングル「サマーカイジュウ」でデビューを果たす。同年9月には初のCDシングル「ユニコーンパレード」を発表。2015年2月発売の2ndシングル「バッテリー」では篠原ともえデザインの衣装も話題を集め、同年7月には3rdシングル「ロボットボーイ ロボットガール」とコンスタントにリリースを重ねた。2016年5月発売の4thシングルではゴダイゴの「銀河鉄道999」をカバー。衣装デザインはマンガ「銀河鉄道999」の作者である松本零士が手がけた。ユニット名の「Cupitron」は、恋の神「Cupid」と、コンピュータ・アーキテクチャを意味する「TRON」を組み合わせた造語。