B'z的発想で決まったアルバムタイトル

──あの○△□のビジュアルイメージは何をきっかけに生まれたものなんですか？

DJ KAYA　ある日突然宮下くんが「○と△と□がデカいところでライブをやっている夢を見た」と言い始めまして（笑）。

宮下　（笑）。でもホントにそうなんです。じゃあ「Sayonara Twilight」をどうやって世の中に発表するの？ってなったときに、生身のソロシンガーでいくのも方法の1つではあったんですけど、せっかく面白い夢を見たんだから、これを形にしてみようかなっていう。「Sayonara Twilight」っていうおいしい料理はある。じゃあ、どう盛りつけて、どう給仕するの？っていう、面白い届け方を考えなきゃいけなかった。試行錯誤しているときにそういう夢を見て、最終的には夢は最後の一押しですが、今に至るという（笑）。間口を広げるためにも、本当に誰でも知っている記号でかつ圧倒的にキャッチーな◯△□で最終的に着地しました。

DJ KAYA　その○△□のイメージがすごく面白かったから、今も宮下くんにクリエイティブやビジュアル周りを考えてもらうようになったんですよね。

──で、今回のメジャー1stアルバムなんですけど、なぜ「THE BEST OF CTS」というタイトルに？

DJ KAYA　プロデューサーが自分で言うとちょっとサムいですし、プロデューサーとしてメンバーとは一歩離れた位置で見れてるからってのもあると思うんですけど、CTSってほんとにいい曲がいっぱいあるんですよ（笑）。YouTubeでPVを公開しているいわゆるリード曲じゃない曲の中にもいいものがいっぱいあって。だからなんて言えばいいんだろう……。例えばB'zのシングルの中で一番売れたシングルって「ZERO」なんですよね。それはなぜかっていうとカップリングの「恋心（KOI-GOKORO）」が名曲だったからっていうのが大きくて。けっこうその発想に近いかもしれないですね。

──つまり、B'zの場合はシングルで、CTSの場合はアルバムで、という違いはあるけど、出し惜しみせずに今手元にあるいい曲は全部CDにパッケージしてしまえばいいじゃないか、と。その「いい曲を集めた」ことが、イコール「THE BEST～」ということ？

DJ KAYA　ええ。せっかくこんなにいい曲があるんだから、ちゃんと聴いてもらおうよ、っていうのが一番のポイントですね。しかもCTSのやっていることはダンスミュージックでもあるので、鮮度のあるうちに聴いてほしかったっていうのもありますし。次のアルバムにはまたちょっと進化した曲が収録されることになると思うから、今のうちに今のCTSを聴いてもらうためにベスト的な内容にした面もあります。

宮下　タイトルもシンプルに「THE BEST OF CTS」って（笑）。メジャーでのデビュー戦なので、このくらいのキャッチーさがあったほうがいいだろうっていう判断もありました。

「日本のCTS」として世界にコミットする

──そこも聞きたかったんです。インディ時代からクラブヒットもiTunes Storeでのヒットも飛ばしていた人がなぜメジャーデビューしたんだろう？って。

宮下　確かにメジャーには行かないっていうプランもありました。インディーズでやっていこうって。でも、「Sayonara Twilight」を聴いた瞬間「とりあえずオリコンだったり、日本のオーバーグラウンドの世界で戦いたい」って思ってたのも事実なんです。実は僕自身は今までにJ-POPをほとんど通っていない生き方をしていたけど、CTSとならミーハーでカッコいいことができるし、やりたいと思えたというか。だったら行けるところまで行ってみたいっていうところで、メンバー、チーム内で協議した結論です。

DJ KAYA　「絶対に売れる」とはもちろん思ってなかったんですけど、CTSが立ち上がった頃から「絶対に届かせたいし、届く」っていう気持ちはありましたし。ただ宮下くんの言う通り「インディーズでやってたほうがブレないでしょ」っていうところもあったんですけど、今回声をかけてくれたユニバーサルの洋楽部の方と話しているうちに「ここならインディーズのときと同じスピード感で、でもメジャーならではの規模で届けることができるな」って思えたんです。

──では今後、そのメジャーレーベルでどういう展開を？

宮下　「紅白」に出たいですね（笑）。

──おおっ！（笑）

DJ KAYA　なんなら「COUNTDOWN JAPAN」と「紅白」にダブルヘッダーで出ることもできるわけですし（笑）。そしてそういう場でCTSを観てダンスミュージックを好きになってくれる人が増えるような状況を作っていきたい。人材もいるし、ノウハウもあるし、いろんなステージにアプローチするための道もある。その強みを最大限に駆使して、音楽を含め、国内のいろんなカルチャーシーンとちゃんとつながることが当面の目標ですね。そして「日本で人気のCTS」として世界にアプローチしてみたいんですよ。