「Coming Next Artists」#34 Runny Noize|バンドとお笑い、2つのシーンをつなぐ立役者を目指して

菅野結以

パーソナリティ
菅野結以

ロックバンドのライブの楽しみ方を教えるお笑い芸人

──ミニアルバム「We are Runny Noize」のリリースから9カ月が経ちましたが、周りの反響や、それを受けての活動の変化はありましたか?

すざき バンドのライブの本数は増えましたね。あとは特集を組んでもらったり、タワーレコードさんでインストアライブをやらせてもらったり。バンドとしての活動はかなり充実しました。

──リリース前まではお笑いの活動のほうが多かったですか?

けんと お笑いは毎日公演があるんで。数で言ったら、今もお笑いの公演のほうが多いです。音楽のライブがある日は1日空けてもらったり、夜だけ空けてもらって昼は漫才をやったりすることもあります。

左からすざき(Vo, G)、けんと(Vo, G)。

──芸人仲間からの反応はどうですか?

けんと 音楽好きな先輩がライブを観に来てくれるようになって。こないだも優しい表情で僕らの演奏を観てました(笑)。

──いい先輩ですね(笑)。

けんと あとはお客さんのノリもだいぶ変わりました。以前はライブの楽しみ方がわからなくて、スマホを取り出して写真を撮ってる人がたくさんいて。みんなライブハウスに入るのが初めてだったみたいで。

──へえー!

けんと 僕ら的にはキツくて嫌やったんですけど、最近はみんなノリ方を覚えて、暴れたりする人もいるし。

──すごい! お客さんを育ててますね。

けんと なるほど、確かに(笑)。ラニーノーズで僕らを知って、バンドのライブだけ観に来るようになった人もいます。それはうれしいし、面白いなって思いますね。

──もともと音楽を聴かなかった人もバンドのライブに来てくれるようになったと。

けんと 僕らのライブを体験して楽しみ方を覚えてくださって。

──めちゃめちゃいい活動ですね。

けんと 今後は音楽好きの人に僕らの楽曲を認知してもらいたいです。

──そこからお笑いの舞台に来てもらえるパターンもありますからね。

けんと そこが難しいところなんです。はじめに僕らの音楽が好きになっても、ラニーノーズの舞台に来てくれる人はなかなかいなくて。うまく混ぜられたらいいんですけど。

──私は音楽からのつながりで小籔(千豊)さんを知ったんですけど、吉本新喜劇を観に行ったらすごく面白くて。「お笑いの舞台ってこんなに楽しいんだ!」ってびっくりしました。

すざき そうなんですよ。生で観ると全然違う。それはもっとみんなに知ってもらいたいです。

──その立役者になってほしいですね。

けんと なってみせます!

英語じゃなくて、日本語があったわ!

──今は新作を制作されているそうですね。

左からすざき(Vo, G)、けんと(Vo, G)、菅野結以。

けんと まだ準備段階でリリースがいつになるかはわからないんですけど、新曲作りに取りかかってます。

──ミニアルバム「We are Runny Noize」は正統派のメロディックパンクと言うか、青春の匂いがすごくする作品になっていましたが、次の作品はどんな作風になりそうですか?

すざき けっこう変化、出したいよね?

けんと 「We are Runny Noize」は全楽曲英詞だったんですけど、今回は日本語詞の曲も準備してます。最近、日本語で歌詞を作ってもカッコいいかなと思ったんです。あと英語で歌詞作るの、めっちゃめんどくさくて(笑)。

──今気付いたんですね(笑)。英語は得意なんですか?

すざき 僕らは1年間、カナダに留学していたことがあったんです。単語とかボキャブラリーは増えたんですけど、そこまで習得はできなかったから結局歌詞は辞書片手に作ってて。

けんと 「なんやこれ、しんどいな……」って言い続けてきて(笑)。

──そこで「日本語があった!」と気付いたと(笑)。

けんと やっぱ日本語のほうが簡単やな。

──これまで制作してきた楽曲の歌詞はどれも実体験がもとになっているそうですが、架空の物語を作ることはありますか?

すざき 結局、実体験が混ざるかな……架空の出来事から歌詞を作ったことはまだないけど、ストーリー性のあるものは面白いのでやってみたいですね。

──歌詞を作る際、何からインスピレーションを得ていますか?

すざき 僕は普段考えてること、思ってることから歌詞を作ることが多いですね。

──すざきさんの書く歌詞は、“なにくそ系”のものが多いですよね。

左からすざき(Vo, G)、けんと(Vo, G)、菅野結以。

すざき 僕が好きなアーティストはそういう歌詞をよく書いていて、その影響を受けたのかもしれないです。歌詞のこと、こういう取材の場でいろんな方が教えてくださって「ほんまや!」って気付くんですよ。それで恥ずかしくなっちゃうんです……。

──今までご自身で気付かなかったんですね!

すざき 次回作はそういうの、少なくするかもしれません(笑)。ちょっとずつ、なにくそ感、なくしていきます。

僕ら、シーンに切り込めてました

──最近ではELLEGARDENやHi-STANDARDが復活して、メロコアシーンが盛り上がってきました。

すざき もう万歳ですよね。僕らもエルレを聴いてバンドを始めたようなもんやから、うれしいし、もっと活動をがんばって、同じシーンの人たちと対バンができるよう目指したいです。

けんと エルレの復活ライブ、観に行きたかったんですけどね。大阪公演ないし、僕らお笑いの舞台もあるし……。

すざき 難しいかなあ……。

けんと そこでまた、なにくそ精神、出てきそうやな。

──自分たちがメロコアシーンに切り込んでいくためにどうしていこう、というのは考えていますか?

すざき そうですね。シーンが盛り上がることで、僕らのライブを観てくれる人もどんどん増えてほしいです。

けんと メンバーのてつやはファンクバンドを掛け持ちしてるんですけど、お客さんの中でメロコアバンドをやってる方がおったらしくて。それで興味本位で「今熱いメロコアバンドって誰ですか?」って聞いたら、Runny Noizeって答えてくれたらしいんです。

──おー! すごい!

けんと その人、てつやがRunny Noizeのメンバーだと知らなかったんですけど、すごい絶賛してくれたみたいで。だから僕ら、もうシーンに切り込めてましたね(笑)。

すざき てつやも意地悪なやつで、メンバーだと明かさずにずっと質問したらしいです(笑)。

けんと 悪口言われたらどうすんねん(笑)。

左からすざき(Vo, G)、けんと(Vo, G)。

──最後に、音楽ナタリーの読者に伝えたいことはありますか?

けんと 最近僕らの楽曲のカラオケ配信がスタートしたんです。さっそく僕も歌いに行ったんですけど。

すざき だっせー!

けんと すごいいい音で歌えました(笑)。ぜひ行ってみてください。

すざき ただの告知やんか……。

──すざきさんは?

すざき お笑いとバンド、どちらの活動も興味を持ってもらえるようにがんばりたいです。それから12月に「Runny Fes」っていうイベントをなんばグランド花月で行う予定なので、そちらも来ていただけたらうれしいです。バンドもたくさん呼ぶので!

──すごい楽しみですね。

すざき すみません、僕も告知になっちゃいました……。

Runny Noize「We are Runny Noize」
2017年9月27日発売 / よしもとアール・アンド・シー
Runny Noize「We are Runny Noize」

[CD]
2000円 / YRCN-95285

Amazon.co.jp

TOWER RECORDS

HMV&BOOKS online

収録曲
  1. Successor
  2. Unsung Hero
  3. Runny Nose
  4. Nine Deadly Sins
  5. The Plan to be poor
  6. Bunny
  7. This is
Runny Noize(ラニーノイズ)
Runny Noize
お笑いコンビ・ラニーノーズのすざき(Vo, G)、けんと(Vo, G)をメンバーに擁するメロコアバンド。2008年にすざきを中心に結成され、2009年にはカナダに移住。翌2010年に帰国し、2013年にすざき、けんと、てつや(B)、こだま(Dr)の現体制となった。ラニーノーズとしての活動はバンドと平行する形で2012年にスタートしている。これまで西海岸系メロディックパンクを基調とした楽曲を制作し、2017年に配信シングル「Bunny」「Successor -Old Mix-」を発表。同年9月にはバンドにとって初のミニアルバムとなる「We are Runny Noize」をリリースした。8月1日にはニューアルバム(タイトル未定)を発売し、12月には大阪・なんばグランド花月で主催企画「Runny Fes」を開催する予定。
菅野結以(カンノユイ)
菅野結以
雑誌「LARME」「with」などで活躍するファッションモデル。10代の頃から「Popteen」「PopSister」の専属モデルを務め、カリスマモデルと称される。2010年8月に初の著書「(C)かんの」を出版し、その後最新スタイルブック「yuitopia」まで6冊の書籍を発売。アパレルブランド「Crayme,」、コスメブランド「baby+A」のプロデュースおよびディレクションを行っているほか、TOKYO FM「RADIO DRAGON -NEXT- 」、@FM「LiveFans」では豊富な音楽知識を生かしてパーソナリティを担当している。TwitterやInstagramなどSNSの総フォロワー数は約100万人におよぶ。2017年11月に初の写真集「Halation」を刊行した。