ナタリー PowerPush - Civilian Skunk

合い言葉は「アッチャメダンシン」老若男女を踊らせるキラーチューン完成

沖縄出身の4人組バンド、Civilian Skunkが通算3枚目のシングル「ハレンチ学&祭」(ハレンチがくえんさい)をリリースした。ストレートなロックサウンドが印象的なデビューシングル「DRAGON BOY」、沖縄テイストを導入したミディアムナンバー「ひまわり」に続く本作は、エレクトロサウンドを取り入れたパーティチューン。聴き手を一瞬にダンスの渦に巻き込む、インパクトの強い1曲に仕上がっている。

ナタリー初登場となる今回は、「放課後ロック」をテーマに掲げるシベスカの活動に迫りつつ、新曲の魅力について語ってもらった。

取材・文 / 西廣智一

高校生相手でもステージに立つときは対等

──Civilian Skunkは「放課後ロック」をコンセプトに、いろんな活動を行ってますよね。それは自分たちも年代が近い中高生に音楽を届けたいという思いがあるからでしょうか?

チカラ(Vo / 手前)

チカラ(Vo) そうですね。自分たちが音楽を始めるきっかけになったのも、やっぱり中高生の時期に聴いてたアーティストがすごくカッコよかったからで、そういうアーティストってずっと忘れないと思うんです。実際、自分たちも強く影響を受けた音楽のこと、今も好きですし。だから俺たちもそういう存在になりたいと思ってます。

──で、「シベスカ軽音部」という企画では高校生が組んだバンドと競演しています。年齢的にそんなに変わらないアマチュアバンドから受ける刺激もあるのでは?

ジュンタ(G) そうですね。「シベスカ軽音部」はライブの楽しさとかバンドのカッコよさをストレートに伝えたい場所なので、普段のライブ以上に真剣に勝負しなきゃいけなくなってくるんです。それに相手は高校生ですけど、同じステージに立つ出演者としては対等なので、気合いを入れて常に攻めの姿勢でやってます。

チカラ 逆に高校生のみんなが俺たちを対等に見てるというか。みんな楽屋に来て、「お互いがんばりましょう」みたいに挨拶していくんで(笑)。でもその感じがバンドっぽくていいですよね。

──シベスカの皆さんもそうだったように、最近の高校生バンドって技術的にもめちゃめちゃうまいですよね。

チカラ 俺たちはどうだったかわかんないけど、最近はみんな芸が細かいですよ。

ジュンタ(G)

ジュンタ コピーバンドでも演奏だけじゃなくてMCもすごくうまい人たちがいて、勉強になりますね。あと「高校生活残り1年、がんばります」みたいに、限られた期間でがんばるっていう姿勢からも学ぶべきものがあるし。いろんなことから刺激を受けてます。

──メジャーフィールドで活躍しつつ、高校生のアマチュアバンドと一緒にライブをする。そうやっていろんな方面からのフィードバックがあるのが、今のシベスカの面白いところなんでしょうね。

ジュンタ 実際僕らが高校生の頃は、先輩バンドから積極的にライブに誘っていただいていたし、それがあって今のシベスカがあるので。僕らはそうやって先輩たちからしてもらったことを、沖縄の中だけでなく県外でもやれたらいいなって思ってるんです。最終的には今まで対バンしてきた高校生をみんな集めて、学園祭というかフェスをやれたらいいですね。

校歌を通じてシベスカを知らない世代にもアピール

伊計島小中学校での「SCHOOL ROCK PROJECT」ライブの様子。

──さらに「SCHOOL ROCK PROJECT」では、実在する校歌をシベスカ流ロックにアレンジして演奏していく。これも興味深い企画ですけど、そもそもなぜこういうことをしようと思ったんですか?

ジュンタ きっかけは沖縄にある伊計島小中学校の話を聞いたときです。「伊計島にこういう閉校した学校があるよ」って話を聞いたとき、ちょうど「放課後ロック」の一環で何か学校に対して面白いことはやれないかと話し合ってたんですよ。それで「じゃあ、伊計島小中学校の校歌をカバーしよう」という話が上がって。それが「SCHOOL ROCK PROJECT」のスタートですね。

──既存の曲を普通にコピーするのとは勝手が違いますよね。そもそも原曲はロックとはかけ離れた曲ですし。

チカラ ジュンタがアレンジしてるんですけど、すごいと思いますよ。校歌ってどこの学校もなんとなく雰囲気が似てるじゃないですか。最初は「アレンジ、大丈夫?」って思うけど、それを毎回違ったものにアレンジしてくるんで。そこに関しては本当に尊敬してます(笑)。

ジュンタ すでに10数曲アレンジしましたけど、けっこう似てるようで実は1曲1曲微妙に雰囲気が違ってるんです。その雰囲気に従っていくと、意外と違ったふうに完成していくんですよ。さらに自分なりに突拍子もないフレーズを入れて遊んだりして、アレンジの勉強の場にもなってますし。

チカラ ボーカル的には、歌詞に使われる言葉が意外と似てるので、ある校歌を歌ってるときに別の校歌を歌ってしまうこともあって(笑)。

──でも日本中のいろんな校歌を知ることができるなんて、とても貴重な経験ですよね。

チカラ そうですね。これが今後大きな出会いにつながると思いますし。自分たちがまだライブをしたことがない土地の校歌を歌うことによって、シベスカを知らない世代、それこそ俺たちのお母さんお父さんの世代、もしかしたらおじいちゃんおばあちゃんの世代の方にも自分たちを知ってもらえたらいいなと思います。

Civilian Skunk(しべりあんすかんく)

沖縄出身のチカラ(Vo)、ジュンタ(G)、マーサー(B)、ユウイチ(Dr)からなる4人組バンド。2008年、中学校で出会った4人で結成され、オリジナル曲を制作する傍らライブを精力的に行っていく。2010年にテレビ番組「ストリートファイターズ」主催の「Hジェネ祭り」沖縄地区大会で2位に。同年、「アジア国際音楽祭 musix」のイベント内で開催された「Okinawa Teens Live 2010」で優勝したほか、沖縄県内の中高生が熱いバトルを繰り広げる「FIGHTING OF MUSIC」で優勝するなど、数々のオーディションで賞を総なめにする。2011年にインディーズミニアルバム「01」をリリース。また地元沖縄ではインディーズとしては異例の、「ブルーシール」「沖縄ファミリーマート」のCMに出演し、知名度を高めていく。2012年8月にシングル「DRAGON BOY」でメジャーデビュー。翌2013年3月に発売された2ndシングル「ひまわり / JET」の収録曲「ひまわり」は、沖縄復帰40年企画作品映画「ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~」の主題歌に採用された。そして同年10月、3rdシングル「ハレンチ学&祭」をリリース。同曲はTBS系「CDTV」の10月度エンディングテーマとしてオンエアされている。