「超アーティストオーディション」特集| 泉大智(DISH//)が語る“一歩踏み出すこと” (2/2)

より“家族”になってきた4人の空気感

──大智さんが加入して以降、2020年の「猫」のメガヒットを機にバンドは一気に脚光を浴びました。以降のDISH//のメディアや音楽フェスにおける活躍は言わずもがなですが、バンド加入から8年、これまでを振り返ってみてどんなことを思いますか?

DISH//は14年活動してますけど、僕が入る前よりも入ってからの時間のほうが長くなったみたいなんです。でも、自分の中ではまったくそういう感覚がなくて。まだ加入してからの時間のほうが短く感じるんですよね。「突っ走ってきたな」っていう感覚が強いかもしれないですね。

泉大智

──そうなんですね。これまでの8年の中で、メンバーの関係性的に何か変化はありましたか?

より“家族”みたいな感じになってきました。常に一緒にいますし、同じ方向を向いて活動していますし……だから、むしろ言葉数は減ってきたかもしれない(笑)。最近は「会話せずとも」みたいな空気感があるような気がしますね。

──8年前、DISH//のドラマーとして新たな場所に飛び込んだ。その決断をしたことに対して、今大智さんが思うことを言葉にするなら、それはどんなものになるでしょう。

やっぱり、入ってよかったなということですね。周りのみんなにも本当に感謝ですし……そこはもうね。イチかバチかで人生を懸けてよかったなと思う瞬間は、これまでもかなりありました。DISH//に入ったからこそ経験できたことが山ほどあるので、そういったことを考えてもやっぱり、一歩踏み出したことが間違いじゃなかったと改めて感じますね。

自由にやらせてもらえる環境がありがたい

──DISH//はもちろん、最近は活動の幅を広げてソロアーティストとしても楽曲をリリースされている大智さんですが、ソロ活動を始めるきっかけはどういったものだったんでしょう?

DISH//は“4人で作り上げるもの”という意識がすごくあるんですが、一方で“自分の表現したいこと”もあって。なんだろうな……DISH//は、より大きなバンドになっていくべきだと思うんですよ。ただ自分は規模の大小にとらわれない音楽も好きで、普段から聴いていたりするので。個人として、そういう音楽にチャレンジしてみたいという思いがあって始めました。

泉大智

──曲作りはいつ頃からやられているんですか?

19歳ぐらいのときアコギを練習し始めて、その頃から弾き語りでなんとなく曲を作る、みたいなことはしてました。ただ、それをちゃんと形にするみたいなことは一切なくて。そこから少し時間が経って、コロナ禍にパソコンで作業する時間ができたタイミングですね。そこで初めて本格的に作曲を始めました。

──おっしゃるように、ソロワークにはDISH//とは違った大智さん独自の音楽性が如実に現れているように感じます。

そうですね。僕はイギリスの音楽が好きなんですけど、ソロでは自分自身のルーツと言えるようなサウンドからインスピレーションを得ているかもしれないです。

──ソロ活動を始めたことで、何か新たな発見はありましたか?

それはすごくありましたね。DISH//とはやってる楽器も立ち位置も違うから、それぞれを客観的に見られるようになったというか。その経験がそれぞれの活動に生かされていると思うし、そうやって今後も還元していきたいなと思っています。

──ちなみに、そうやって活動の幅を広げたときの、周囲のサポート体制みたいなものはいかがでしょう?

ソロ活動のほうは自由にやらせてもらえる環境がめっちゃありがたいですね。それはもちろん、DISH//としての活動があってこそできていることですけどね。自分のやりたいことをチャレンジさせてくれる環境はしっかりあるなと思います。

──ソロ活動に関して、DISH//のメンバーからのリアクションはありますか?

めっちゃあります。みんな応援してくれているし、ちゃんと聴いて感想もくれますね。「自由にやってて楽しそうでいいね」って(笑)。そうやって自分が振り切れるのはDISH//の活動があってこそなんで、大事ですよね、どっちも。

泉大智

いろんな音楽の可能性を探っていける場所

──バンド活動、ソロ活動を踏まえて、大智さんが感じているSDRというレーベルの印象、オーディションへの応募を考えている方への“先輩”としての意見を聞かせていただけますか?

本当に自由にやらせてもらえますし、今僕がやっているDISH//とソロはそれぞれジャンルも音楽性も違うけど、同じSDRで成立させることができているっていうのが持ち味なのかなと。しかもSDRって、レーベルとしての歴史はまだ浅いほうだと思うので、そこもある種……まだ“開拓中”で、凝り固まらずにいろんな音楽の可能性を探っていける場所なんだと思います。いい意味でなんでもチャレンジできる、そういうレーベルなんじゃないかなと感じますね。

──では、オーディションで自分自身をアピールする応募者の方へ向けて、大智さんからアドバイスがあれば。

審査員側に寄り添おうと思わなくていいんじゃないですかね。余計なことを考えず、本当に自分がやりたいことをちゃんと提示して、SDRの人に「いいね」と受け入れてもらえるならば、それがベストだと思うんで。「SDRがこういうレーベルだから、自分を寄せていこう」みたいなことは考えないで大丈夫。あとはやっぱり、チャレンジすることが何よりも大切だと思います。挑戦した結果がたとえダメだったとしても、それが何かのきっかけになるかもしれない。行動を起こして初めて、夢に近付くことができるので、最初の一歩としてとにかく受けてみるっていうのが重要なんじゃないかな。結果はきっと、そのあとに付いてくると思うんで。まずはやってみるってことですね。

──ちなみに今回のオーディションは、韓国でも募集を行うそうです。

そうなんですか。確かに最近韓国でもJ-POPが流行っていますし、海外から応募したいっていう人もいそうですよね。

──もしかしたら韓国発のレーベルメイトが増えるかもしれないですね。

そうですね、それは楽しみです。

──では最後に、大智さんが今後叶えていきたい目標について教えていただけますか?

DISH//も現状に満足していないので。まだまだやれることがあるとみんな思っているので、そこに向かってがんばっていきたいです。個人的には、若いうちにいろいろとチャレンジをしたいですね。でもやっぱり、たくさん作品を作りたいです。とにかく曲を作って、コンスタントにライブもして。DISH//でもソロでも、めいっぱい活動していきたいなと思ってます。

泉大智

SDR Presents 超アーティストオーディション 2025

超特急、DISH//、Vaundyなど、多彩なアーティストを輩出しているスターダストプロモーションの音楽レーベル・SDRによるオーディション。第4弾となる今回は歌手のみならず、作詞作曲などでアーティストを目指す人、その他音楽で将来を考える人、すべての人が対象となる。

グランプリ獲得者には賞金および今後の活躍を期待しての活動費として、300万円が贈呈される。さらに、デビューへ向けて、レーベルが育成契約を締結する。

募集期間

2025年7月17日(木)0:00~9月30日(火)23:59

審査

一次審査:10月初旬(書類審査)※選考通過者には10月初旬までに二次審査を案内予定
二次審査:10月中旬(オンライン)
最終審査:11月のいずれかの土日(東京都にて開催予定)

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プロフィール

泉大智(イズミダイチ)

1996年6月1日生まれ、東京都出身。10歳のときにドラムを始め、2017年1月にロックバンド・DISH//に加入。ドラマーを務めながら、ソングライティングの中核も担っている。2024年2月にはソロアーティストとしての活動をスタートさせ、「nerve impulse」を配信リリースした。音楽活動のほかに映像、アートワークのプロデュースやファッションブランドとのコラボなど、ジャンルにとらわれない活動を展開している。