CANDY GO!GO!|狙うは全人類! ガールズロックユニットが結成10年目に賭ける思い

こんなレベルで何が「歌うの好き」だよ?

──続いて2013年に加入された磯野さんはどうでしょう?

磯野 私は2015年にやったマイナビBLITZ赤坂のワンマンですね。この公演はCANDY史上、もっともお客さんを動員したライブなんですよ。でも映像を観直したとき、自分の歌声を聴いたら悪い意味で衝撃を受けたんです。「よくこんな歌声で人前に立っていられたな」と思うぐらいレベルが低くて、ちゃんと技術を身に付けないといけないと焦りました。それまでは「歌うの好き!」とか言ってたんですけど、「こんなレベルで何が『歌うの好き』だよ?」って思うぐらい、本当に落ち込んだんです。そこからボイトレにも積極的に通い始めて、グループ内でもボイトレを取り入れてもらって。あの映像を観たおかげで、歌にもダンスにもちゃんと目を向けられるようになりました。

──プロ意識がより高まって。

磯野 はい。CANDYはメンバーの人数が多いので、勢いでなんとかしちゃうところもあるんですよ。だからこそ、個々のレベルを上げなくちゃいけないと思いました。

菜月アイル

──菜月さんも磯野さんと同じ2013年に加入されましたね。特に印象に残っていた時期は?

菜月 CANDYに入った瞬間だと思います。加入したとき、ちょうどCANDYがスイーツ系アイドルからロック路線に切り替わるタイミングだったんです。そこで「私はカッコいい要員として呼ばれたんだろうな」とわかったので、パフォーマンスも歌もできるだけカッコよく見せなきゃって感じましたね。

──菜月さんはカッコよさへの探究心がすごいですよね。腹筋する動画を600日以上連続で公開していますけど、あれは何がきっかけで始めたんでしょうか。

菜月 私はお腹を出している衣装が多いので、スタッフさんや磯野さんから「鍛えたほうがいいよ」と言われて始めました。やっぱりシュッと引き締まっていたほうがいいので。

──ストイックな印象があるんですけど、磯野さんから見て菜月さんはどんな方ですか?

磯野 やることは徹底的にやる。一度決めたらやり通す人ですね。

──初めて会ったときからその印象は変わらないですか?

磯野 いや、かなり変わりました。昔は子供みたいな感じで、嫌なときはすぐ表情に出てたんだけど、今はなくなりましたね。

あんなに破天荒だった人が……

──最後は唯一の初期メンバーである、なぎささんにとってのターニングポイントを教えてください。

なぎさ 初期メンバーが全員卒業して、私がリーダーにならざるを得ない状況になったときですね。私はメンバーを仕切るようなことはしたくなかったんです。むしろ破天荒でいたかった。

磯野 でもリーダーになったことで、りんさんはすごくメンバー思いになりました。言い方が悪くなっちゃうんですけど、昔はみんなと一緒に何かやるとき、できない人はすぐ嫌うタイプだったんです。だけど今は、うまくできない後輩がいたらどうすればいいか考えるようになって。「あんなに破天荒だった人が……」とびっくりしたし、これからも彼女に付いていこうと思えました。

なぎさ あとは病気になったことも大きいですね。私は芸能人生に関わる病気に何度もかかってまして。最初が声帯ポリープの手術で、次は顔面神経麻痺で顔の左半分が動かなくなってしまって入院したんです。活動ができなくなる危機に直面して、「あのときやっておけばよかった」と後悔する場面がたくさんあったんですよ。だからこそ、今は適当なことをしたり、手を抜いたりすることは一切なくなりました。すべての仕事に全力でぶつかりたいですね。

アイドルを辞めて徹底的に考えてきたから今がある

──ちなみに外から見ると、2017年7月にOKBさんが「アイドルを辞める」宣言をしたのも、CANDY GO!GO!のターニングポイントかと思いました。

磯野未来

磯野 あの発表も大きかったですね。当時はただでさえ卒業メンバーが続出していたので、メンバーも焦っていたんですよ。そしたら突然OKBさんから「アイドルを辞めます」と言われて、「今応援しているお客さんはどうするの!?」ってびっくりしちゃって。

なぎさ お客さんもめちゃくちゃ減ったしね。

磯野 この発表以降、グループ内で本音を言う機会を設けたんです。「アイドルを辞めたCANDYをどうしていくのか」を徹底的に考えてきたからこそ、今があるのかもしれません。

──これからやってみたいことはありますか。

菜月 ライブでは曲の魅力を伝えることが最優先だから、この取材のように和気あいあいと話している部分はあまり見せられていないんですね。だからこそ、これからは動画配信などでその魅力を伝えられるようにしたいです。だって、この子たち本当に面白いじゃないですか? パーソナルな部分をきっかけに好きになってくれる人も絶対にいるので、そこもアピールできたら。

なぎさ 私も来年、あることを実行します! でもまだ内容は言えません!

一同 ええー!

──ネタバレしない範囲で話せませんか?

なぎさ 間違いなく精神力が強くなることです。音楽シーンはこんなに人口が多いのに、今のような小さい規模で終わりたくないんです。もう全人類に見てもらえる活動をしたい。

杉本 ワールドツアー?

なぎさ それは12月28日に発表するので、楽しみにしていてください!

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