RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)が語る「バズ・ライトイヤー」

ディズニー&ピクサーが贈る映画「バズ・ライトイヤー」が、7月1日より全国公開される。

同作は「トイ・ストーリー」シリーズに登場する少年アンディが大好きなおもちゃ、バズ・ライトイヤーの原点が明かされるファンタジーアドベンチャー。アンディにとって、バズは人生が変わるほど大好きな映画の主人公で、このたび封切られる「バズ・ライトイヤー」こそ、その“映画”を描いた物語だ。

ナタリーでは、「バズ・ライトイヤー」の封切りを記念して音楽、映画、コミックの3ジャンルで特集を展開する。音楽ナタリーのインタビューに登場するのは、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカル・RIKU。大の「トイ・ストーリー」シリーズ好きである彼が「バズ・ライトイヤー」に感じた興奮やアンディに共感したところとは?

取材・文 / 清本千尋撮影 / 曽我美芽

僕はアンディと同じものを観たんだ!

──「トイ・ストーリー」シリーズが大好きなRIKUさんですが、「バズ・ライトイヤー」はいかがでしたか?

「『トイ・ストーリー』で観ていたバズだ!」と思いました。走り方もそのままだったし、足元から顔に向かって動くカメラワークも「トイ・ストーリー」のバズの登場シーンと同じ。でも戦闘方法はけっこう肉弾戦で意外でした。「身体能力高!」みたいな(笑)。「トイ・ストーリー」では、自分のことをスペース・レンジャーだと完全に信じ込んでいたバズが自分の役割を理解して行動するさまが描かれますよね。「バズ・ライトイヤー」に登場する人間のバズは「トイ・ストーリー」で最初にアンディの家に来たときのようなバズだなと思いました。独りよがりで一匹狼のようなバズが、仲間と一緒に過ごし、協力していく中でどれほど大きな力を生むことができるのかを学んでいく姿を観ることができてよかったです。この映画のバズのような経験はなかなかできないけれど、子供たちも大人も、彼のマインド的な部分で受け取るものはきっと多いはず。

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)

──大人の方には、どういった部分が響くと思いますか?

自分がどれだけ周りに支えられて生きているのかがわかる作品だと思ったんですよ。バズはスペースシップの操縦はできるけど、そのスペースシップ自体は作れないじゃないですか。シンプルに童心に帰ってワクワクしながら観るのも素敵だけど、僕はこの映画で社会の縮図を見たと思ったんですよね。部下を抱える偉い人にこそ観てもらいたい映画です(笑)。

──RIKUさんは子供の頃にテレビで放送されていた「トイ・ストーリー」を観て、ご両親にウッディとバズのおもちゃを買ってもらったというエピソードを、映画「2分の1の魔法」のインタビュー(参照:RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)が語る「2分の1の魔法」)の際にお話しされていました。アンディは「バズ・ライトイヤー」を観てバズのおもちゃを誕生日にプレゼントしてもらいますよね。アンディはバズのどんなところに憧れていたと思いますか?

スーパーヒーローでカッコいいからじゃないですかね。僕らが子供の頃に戦隊モノのテレビを観て変身アイテムをおねだりするような感覚だったのかなと思います。男の子ってとにかく新しいものが好きなんですよ。それまではウッディの背中の紐を引っ張ってしゃべらせていたのに、バズはボタンを押したらレーザーが光って羽も出て、めちゃくちゃカッコいいから、インテリアまでバズ尽くしになったんだと思います。ちなみに僕が買ってもらったウッディとバズは英語音声でしゃべるバージョンで、当時自分は吹き替えで観ていたのでちょっと残念だった(笑)。でも親が足の裏に「RIKU」って書いてくれてうれしかったですね。今でも実家の僕の部屋に飾ってあります。

──素敵なエピソードですね。

ありがとうございます。この映画って、アンディの気持ちをたくさん想像できるんですよね。「トイ・ストーリー2」の冒頭でレックスが「バズ・ライトイヤー」のゲームをやっているじゃないですか。あれで僕らは「バズ・ライトイヤー」の世界の片鱗を見たわけですけど、想像に任せる部分が多かった。バズをもらった7歳くらいのアンディがどういう経緯でこの映画を観に行くことになったのかとか、いろいろ想像すると楽しいです。「僕はアンディと同じものを観たんだ!」という気分になれたし、観終わって「早く『バズ・ライトイヤー2』が観たい!」と思ったので、きっとアンディも続編を楽しみにしているはず!

バズ・ライトイヤーになりきるRIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)。

バズ・ライトイヤーになりきるRIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)。

想像通りのバズだった

──「トイ・ストーリー」と「バズ・ライトイヤー」のバズで、似ていると思った部分はありましたか?

責任感の強さですかね。「バズ・ライトイヤー」のバズはみんなを助けるために超高速での渡航実験にトライして、自分が機内で過ごす4分半がみんなの4年以上だとわかっても、自分たちの故郷に帰るんだという強い意志で何度も挑戦を重ねていくじゃないですか。「トイ・ストーリー」のバズは一度自信を喪失してしまいますけど、シドの家に捕らえられたときにウッディから「バズは俺たちにとってはスーパーヒーローなんだよ」と言われたら、その世界の中でのスーパーヒーローを全うしようと奮闘する。与えられた使命に対する責任感はもはや意地でもあるなと思いました。やり遂げなければ死ねないぐらいの覚悟を感じましたし。

──なるほど。

あと、親友のアリーシャは家族ができて子供も産まれて、どんどん生活環境が変わっていったけれど、バズには常にスペース・レンジャー同士の目線で接していたじゃないですか。だからこそバズは挑戦を止めなかったのかなって。「トイ・ストーリー」ではおもちゃ同士、「バズ・ライトイヤー」ではスペース・レンジャー同士という“同じ目線”の相棒がいるということが似ている点だなと思いました。あとはやっぱり、最後は仲間のひと押しが大事だったところも「トイ・ストーリー」らしいなって。

──確かにそうですね。最初は独りよがりでも、最後には仲間のサポートを受け入れるところもバズらしいなと思いました。

「バズ・ライトイヤー」のバズは、「我々が生きる人間の世界に彼がいたらきっとこうやって動いていただろうな」と想像する通りのバズだったんですよ。だから「トイ・ストーリー」のバズとのギャップを感じなかったというか、バズはバズだなと思えたんですよね。強がってしまうところも、譲りたくないところも、全部バズらしかったです。

「バズ・ライトイヤー」

「バズ・ライトイヤー」

バズと同じくらい価値のあるレアな体験をしている

──「バズ・ライトイヤー」は監督が「劇場で観てほしい」という強い思いのもと作った作品、かつ、ピクサー作品としては約2年ぶりの劇場公開作品です。劇場で観てよかったと思うことはありましたか?

シャトルで光速の世界を目指すシーンは、まるで自分がバズになったかのようでした。大きなスクリーンとリアルなサウンドはなかなかおうちでは体験できないので、ぜひ劇場で味わってほしいですね。

──バズがミッションに挑むたびに、アリーシャが過ごす時間とバズが過ごす時間がずれていきますよね。その間にアリーシャはパートナーを見つけ家族を築きプライベートも充実させていきますが、バズは1人きりで超高速の世界を目指して挑戦を続けます。アーティストとして活動するRIKUさんと、一般の人が過ごす日常は、時間の流れなどあらゆる面で異なる部分も多いと思うのですが、ある種そこに重なるのでは?と思いました。

ライブで観る光景や何万人もの人の視線が自分に集中したときのピリピリ感なんかは、アーティストだからこそ味わえる感覚で。それってバズと同じくらい価値のあるレアな体験なのかも(笑)。

バズ・ライトイヤーとRIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)。

バズ・ライトイヤーとRIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)。

ソックスとRIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)。

ソックスとRIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)。

──バズがミッションを果たすために奮闘する姿と、RIKUさんがファンを思ってトレーニングに励む姿も重なりました。スペース・レンジャーとアーティスト、みんなの期待を背負うという点では似ていると思うのですが、RIKUさんはバズに共感した部分はありましたか?

何かを追いかけるためには何かを捨てないといけないという点で共感しましたね。僕は普通の青春を捨てて、歌手になるための準備時間にすべてを捧げたので。バズとアリーシャみたいに時空を超えることはないけれど、同じ1分を過ごしても、普通の生活を送っている人とでは時間の質感みたいなものが違うのかなと思います。

──RIKUさんは昨年、舞台「ETERNAL」で座長を務めました。7月30日からはTHE RAMPAGEメンバーを引き連れて「『ETERNAL2』-荒野に燃ゆる正義-」に出演されますが、「ETERNAL」でRIKUさんが演じるレンブラントは、バズのようにリーダーシップがある人物像ですよね。

THE RAMPAGEの中だとリーダーが別にいるんですが、「ETERNAL」では座長ですし、少数精鋭の部隊を引っ張る隊長という役柄なので、バズの立場と似ているかもしれませんね。