マサヒロ、板前からコックに転身
──お話にも挙がったMV撮影についてはいかがでしたか?
カイ 今回はオールセットで2日間にわたって撮影しました。ダンスシーンの日とイメージシーンの日、きっちり分けて。
ユーキ 人生ゲームをテーマにしたMVなんです。僕的には、桃鉄(「桃太郎電鉄」)も超特急に合ってるような気がするんですけど(笑)、今回はすごろくで。このね、すごろくもDa-iCEさんにかかってるかもしれないですしね!
リョウガ あら。
ユーキ サイコロを振って、進むマスを楽しんでいこう、楽しい生活を送っていこうと。メンバーそれぞれが、それぞれの起承転結を表現しています。今回の曲はセンターなしなので、9人にしっかりスポットが当たる映像になっていますよ。あと、今回の監督が“鬼才”というか、奇抜な表現を得意とされている方なので、きっと楽しいと思う。監督ならではの遊びがどう超特急と交わるのか?という面でも、完成が楽しみなんです。
──撮影の中で特に印象に残っていることは?
アロハ 高級車が2台もいたんですよ!
ハル 絶対言うと思った!
アロハ しかも僕、運転席に乗ったんです。
ハル エンジンもかけたんでしょ?
アロハ エンジンもかけました。ヤバかったですね……。ウィンカーって、だいたいハンドルの横に付いてるじゃないですか。ハンドルそのものに付いてるんですよ! 高級車すごいなって。
──マサヒロさんは、撮影の印象はいかがでしたか?
マサヒロ 撮影の印象ですか? スムーズに進んだんじゃないかと思います。
シューヤ マサ、お前……。
ユーキ 段取りの話(笑)。
タクヤ マーくん、インタビュー記事って読んだことある?(笑)
リョウガ それを知って誰が喜ぶんだよ(笑)。
カイ 意図と違う答えなのよ(笑)。で、実際どうだったの?撮影は。
マサヒロ あ、コックの衣装を着ましたね。メンバーそれぞれに役職があって。
タカシ 生活してる組と仕事してる組に分かれてね。
カイ 2桁の4人が仕事してる組だったんですよ。
マサヒロ 僕はコックだったので、なんだか「宇宙ドライブ」のMVでの板前姿を思い出すような感じでした。
タカシ 板前からコックに転身。
カイ 和から洋へ。
マサヒロ 板前のときみたいに褒めてもらえたので、自分は被り物が似合うんだなと思いましたね(参照:超特急「宇宙ドライブ」ロングインタビュー)。
愛ある現場
──タクヤさんはMV撮影はいかがでしたか?
タクヤ 今回はオールセットで、技術さんがしっかり仕込んで作ってくれて、なんか……やっと。やっとだなって。
アロハ やっと……?
ユーキ・シューヤ (大きな声で)やっとさーやっとさ!
タクヤ これこれ! これですよ(笑)。すごくカラフルなセットだったので、目が楽しいMVになっているかなと思います。
ユーキ あと、カメラマンさんとNOPPOさんがすごくコミュニケーションを取って、ワンカットずつこだわってくださってたのがすごく印象的でした。ホントにみんながワンチームとなっていて、あんまりこういう現場経験したことないなと思えるくらい。
リョウガ 確かに確かに。お互いが寄り添ってな。
ユーキ そう。リスペクトし合いながら作っているのがすごく感じられて。
──それほどにNOPPOさんも……。
ユーキ 気持ち込めてくださって。
──それってすごくうれしくないですか?
ユーキ うれしかったです、本当に。s**t kingzの皆さんには昔からお世話になっていて、超特急とDa-iCEの話もずっと聞いてもらったりしていたので。だからその分、忙しい中でも僕たちのことをすごく思ってくださっていたんだろうなと思います。
カイ 愛のある現場だったよね。撮影チームにも、本当に初期の頃からMVを一緒に作ってくださっているスタッフさんが入ってくださったんですよ。超特急のこと、僕たちのやりたいこともわかってくれているし。
予想の斜め上を行き続ける、あくまで道中なんだ
──「愛のある」というのは本当に、楽曲自体に関しても言えることだと思います。「AwA AwA」は一聴すると一緒に弾けよう!と誘う楽しいお祭りソングだけれど、超特急のことを少なからず知っている人が聞くと、“Our Hourが始まったんだ”というメッセージはまったく違った響き方をする。そこには楽曲提供者はもちろん、超特急を取り巻く人たちの愛が詰まっていると思いました。
ユーキ 「やっとさー」の歌い方とか、グッときますよね。
──そうですね、このフレーズへの力の込め方だったり。
シューヤ グッときた?
ユーキ 重みを感じたよ、すごく。
タクヤ 歌った本人はあんま意識してないんじゃないの?(笑)
シューヤ バチッバチに意識してるに決まってるだろ~?
リョウガ 言い方が軽いなあ(笑)。
シューヤ しっかり意味を込めて歌いましたから。
カイ 超特急の曲らしいですよね。「ジュブナイラー」とかもそうですけど、軽やかでポップな曲だけど、実はすごく深いこと言ってるという。この曲も例に漏れずなので。
──8号車さんはめちゃくちゃ感じ入るものがあると思いますし、活動13年のこのタイミングで皆さんが“今弾けよう!”と楽しく笑って歌えることに、個人的にもグッときてしまいました。
リョウガ 当たり前じゃないですか。ナタリーは身内なんだから。
──リョウガさんはこの曲に関してどう感じていますか?
リョウガ すごく明るくて楽しい曲なので、聴いた人観た人にとにかく明るい気持ちになっていただきたいというのはまず前提としてある部分なんですけれど、捉え方は人それぞれですからね。人生について歌っているけれど、それを超特急に置き換えたとしてもね。今年は特に音楽番組などにたくさん出させていただいたりと変化があったわけだけれど、それがゴールというわけではなく。「AwA AwA」の歌詞が「To be continued...」で締めくくられるように、これからも続いていくんだぞと。きっとこれからも、8号車の予想の斜め上を行き続ける、あくまで道中なんだという思いが込められているんじゃないのかな?というところですね。
──ちなみに……皆さんそれぞれ、“無理ゲー”な状況を乗り越える自分なりの方法があったりしますか?
タクヤ 無理ゲーはもう、無理!
リョウガ あきらめるタイプだ(笑)。
タクヤ 1回逃げる!(笑)
リョウガ まあ、それもアリかもな。戦略的撤退ね。
──ハルさんは何かありますか?
ハル そうっすねえ……。
タクヤ こいつは“無理ゲー”とか気にしないから(笑)。強いから攻略法もなにもないと思いますよ。
ハル そうっすね、全然「無理」とか思わないんですけど……一旦やるだけやって、ダメだったらあとから反省すればいいかなって。やらかしてもあとから謝ればどうにかなるんで。
カイ それ、俺らに対しての態度でしょ(笑)。
リョウガ どうにもならねえよ(笑)。
一同 あはははは!
きれいな花を咲かせられたら
──カップリングには山下達郎さんの「クリスマス・イブ」のカバーが収録されています。このカバーについてもぜひ聞かせてください。
シューヤ 冬が近付くタイミングでのリリースということで、オリジナルのクリスマスソングを出したいねという話にもなったんですけど、このタイミングでカバーをやるのがいいんじゃないかと。山下達郎さんの「クリスマス・イブ」はきっと誰もが一度は聞いたことのある楽曲ですし、超特急を知らない方にもカバーを通して僕らを知ってもらう、1つの手段になるんじゃないかと。
タカシ そうやね。
シューヤ 楽曲へのリスペクトを込めてアレンジや歌い回し決めていったので、これを機に、僕たちなりのいい形で冬を彩って「クリスマス・イブ」を通して思いを伝えていけたら。そして超特急のことを伝えていけたらいいなと思っています。
──山下達郎さんのファンでもあるタカシさんは、今回のカバーにどんな思いを持っていますか?
タカシ 僕は幼い頃から達郎さんの楽曲を聴いていて、達郎さんのことをすごく尊敬しています。こういう形で、CDリリースという形で超特急の楽曲群に「クリスマス・イブ」のカバーを加えられたことがすごくうれしいですし、達郎さんの寛大な心でカバーさせていただける、その事実が本当にボーカルをやっている身としては光栄なことなんです。なので、レコーディングもいつもとは違うような気持ち、初めてに近い緊張感を感じました。
──そうだったんですね。
タカシ 讃美歌のようなコーラスパートは、当初僕らのアレンジでは入れない予定だったんです。だけど、カバーさせていただくのであればここもぜひやらせていただきたいと。ここも達郎さんがご自身で歌われたパートなので、歌わせてほしいと相談して自分たちも入れることになりました。時間はかかってしまったんですけど、その分いい作品になったんじゃないかなと思います。
──もう1つのカップリング曲「JOKER FACE」は年末年始のアリーナツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2025 "Joker"」のテーマ曲になるのでしょうか?
ユーキ その辺はご想像におまかせします。ワクワクする演出もいろいろと考えているので、楽しみにしておいてください。
──「Joker」は、どんなツアーになりそうですか?
ユーキ 「AwA AwA」が“人生ゲーム”だとしたら、「Joker」もカードゲームにかかっていたりするので。ゲームに攻略法があるように、ツアー「Joker」に関しては僕たちが8号車のハートを攻略するつもりで挑みたいなと思ってます。なので皆さんには心の準備をしてもらえたらなと。
リョウガ いいね。“ゲームオーバー”にならないようにね。
ユーキ (キメ顔で)ハートを奪われないようにだけ、しておいてもらえたらなと!
タクヤ だからみんなは今、超特急の「Joker」というゲームを“予約”して待ってる段階だよね。
ユーキ そうそうそう。
ハル ダウンロード待ちっすね。
ユーキ “スペシャルハードモード”でいきますよ。楽しみにしててください!
カイ 「Why so serious?」という感じでね。
タカシ それはガチのジョーカーや。
──ありがとうございます。では最後に……2024年も残すところ2カ月なので、今年を振り返りつつ今後への思いを聞かせてもらえたら。タクヤさんお願いしてもいいですか?
タクヤ 早いなあ。でもやっぱり、何より一番に言えるのはたくさんの人の目に触れる機会が多い年だったので、超特急の名前とか個性豊かな9人のキャラクターとか……あとはイベントなどに出ると知ってもらえる、実は一番ヤバい8号車の存在とか。そういう、僕らが昔から大事にやり続けてきたもの、守ってきたものの“芽”がやっと出てきている段階なのかなと思います。なので、そこからさらに来年へ向けて、きれいな花を咲かせられたらなと思います。
公演情報
BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2024 "Joker"
- 2024年12月20日(金)大阪府 大阪城ホール
- 2024年12月21日(土)大阪府 大阪城ホール
- 2024年12月25日(水)東京都 国立代々木競技場第一体育館
- 2024年12月26日(木)東京都 国立代々木競技場第一体育館
- 2025年1月4日(土)愛知県 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
- 2025年1月5日(日)愛知県 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
- 2025年1月28日(火)神奈川県 横浜アリーナ
- 2025年1月29日(水)神奈川県 横浜アリーナ
プロフィール
超特急(チョウトッキュウ)
9人組の“メインダンサー&バックボーカルグループ”。カイ(2号車 / メインダンサー)、リョウガ(3号車 / メインダンサー)、タクヤ(4号車 / メインダンサー)、ユーキ(5号車 / メインダンサー)、タカシ(7号車 / バックボーカル)、シューヤ(11号車 / バックボーカル)、マサヒロ(12号車 / メインダンサー)、アロハ(13号車 / メインダンサー)、ハル(14号車 / メインダンサー)で構成されている。2012年6月に1stシングル「TRAIN」でCDデビュー。2015年6月には9thシングル「スターダスト LOVE TRAIN / バッタマン」をリリースし、インドネシア・ジャカルタでのライブイベントに出演して海外“開通”を果たした。2017年4月にはシングル「超ネバギバDANCE」を発売し、同作でグループ初のオリコン週間シングルランキング1位を獲得。2018年12月には初の埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演を含むアリーナツアー「BULLET TRAIN Arena Tour 2018 GOLDEN EPOCH」を成功させる。2019年8月に沖縄県内で行われた全国ツアー最終公演をもって“全国開通”を達成した。2022年4月にメンバーオーディションの開催を発表し、8月にシューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルの4人が加入して9人体制に。10月に新体制初のシングル「宇宙ドライブ」を発表。2023年3月に5thアルバム「B9」、5月にカンテレ・フジテレビ系ドラマ「ホスト相続しちゃいました」の主題歌「Call My Name」を発表した。2024年4月に1st EP「Just like 超特急」を、11月にシングル「AwA AwA」をリリース。