ナタリー PowerPush - BugLug
楽しさ全開!ポップに回帰した「HICCHAKA×MECCHAKA」
自分たちらしくいられる「最高の遊び場」
一樹 BugLugってバンドとファンのみんなとの距離がすごく近いバンドなんじゃないかなって思いますね。ライブでちょっとツンとしたこと言ったあとに、ちょっとキュンとするようなこと言えちゃったり(笑)。それは狙ってとかじゃなくて、僕たちにとってはすごく自然なことなんです。その場所が一番楽しいから、自然とそうなれるというか。そんな人の懐にピョンって入れる人懐っこさのある、人間臭いバンドなんじゃないかなって思うんです。ライブ1本1本、次はどんなサプライズができるかな、とか、いろいろと考えながらやっているんです。そんなところも愛してもらえる理由なんじゃないかなと思いますね。
──人間って相手が全部さらけ出してくれていると感じたら、自分も心を許したくなるものですからね。
一聖 ですよね。本当にそうだと思います。それに気付けたのもライブなんです。2011年に3枚目のシングルをリリースしているんですけど、2枚目のシングルから3枚目のシングルまでの半年の間に、とにかくライブをしまくったんです。
燕 すっごいちっちゃなイベントライブにも出まくったんです。
一樹 月に20本くらいライブをやってたんですよ。そこで、バンドに対する考え方がまるっきり変わったというか。あの半年間の経験がなかったら、今ここにはいないと思いますね。その間は、メンバー同士いろいろと衝突もしたし、それまでそれぞれがバンドやってきたこともあって、個々にプライドもあったと思うんですけど、そこで1回プライドをへし折られたというか。それぞれがBugLugの前にやっていたバンドなんてみんなが知っているようなバンドじゃなかったんですけど、自分たち的にはそこにプライド持ってやってたんで。プライドってそんなもんじゃないですか。自分の中の価値観でしかないから。それをみんなが捨てた瞬間だったというか。ちゃんとBugLugというバンドに向き合っていこうと思えた時間になったんですよね。そこが間違いなくBugLugの大きな転機でしたね。
燕 自信はあるのに、どうしてうまくそれを反映できないんだろう? なんで結果が出ないんだろう?って、すごく悩んだ時期でもありましたね。それで、とことんメンバーと考えて、話し合って。その時期が一番長くメンバーとも一緒に過ごしてましたから。
一樹 ずっと機材車の中で、そんな話してましたからね、あの時期は。
優 そうだったね。新大久保のドン・キホーテでコンパクトDVDプレイヤーを買って、ライブが終わったあとにメンバー全員でライブ映像を観直したりしてたんです。そこで今までと同じことしてもダメだって気付いたんです。でもずっと自分たちの中で「ヴィジュアル系のバンドはこうでなくちゃ!」っていう固定観念があったし、それが正解なんだって疑わなかったから。そこを崩すのって、すごく大変だったんです。でも、その固定観念が邪魔なのかもしれないなって思ったんですよね。それがBugLugを結成して1年くらい、2010年のことでしたね。
──将海くんは2011年の11月に加入してるから、その1年前ってことになるのかな?
将海 そうですね。でも、その前に9月と10月にサポートでツアーを回ってたんですよ。でもサポートに入るっていうのもツアーの直前に決まったんで、一気に莫大な曲数を時間のない中で覚えなくちゃいけなくて、とにかく自分自身が必死だったから、みんながそんな大きな転機を迎えた直後だったとは知らなかった(笑)。けど、すごく勢いのあるバンドだなって感じたし、やっててすごく楽しかったんですよね。
──そこに惹かれたんですね。話を聞いていると、今BugLugという場所は5人にとって「真剣な遊び場」なのかなと。
一聖 うん、そう。まさにその通りですね。自分たちが一番自分たちらしくいられる、最高の遊び場ですね。
ひさしぶりにお日様にあたった感覚
──9月25日にリリースされる「HICCHAKA×MECCHAKA」の歌詞も歌い方も、かなり露骨に心情をさらけ出したモノになってますね。このシングルもBugLugにとって、また1つの転機になる気がしました。
一聖 はい。あと今年に入ってバンドのロゴを変えたんです。前はちょっとスポーティな感じだったんですけど(笑)、「こんなにスタイリッシュでもねえな、俺たち……」と思ってちょっと荒々しくしてみたんです。そのほかに悪魔みたいなロゴマークもあるんですけど、持ち前のポップさはそのままに、そこにちょっと毒を含ませたというか。そのロゴを変えたのが、また1つの変化のきっかけでしたね。その前に、アルバムをリリースして、その時点での最大キャパであるO-EASTでライブをして、“BugLug第1章”は完結させられたのかなって感じたこともあり、その先のBugLugとしての一歩を考えてみたくなったんです。今年の3月にシングルを3枚同時にリリースして、新たなBugLugの始まり、第2章を訴えたんです。で、今回はさらにそこからの一歩というか。ここ最近、ダークで激しい曲が多かったので、原点でもあるポップさをそこに足してみたらどうだろう?と思って作ったのが「HICCHAKA×MECCHAKA」ですね。
──原点のポップさというのは、意識が変化する以前の話のことですよね?
一聖 そうですそうです。ただピースフルで楽しければいいってだけで、特に何も考えていなかった頃の話です。まだ内面のドロドロした部分は見せちゃいけないと思っていたときというか。そこから、さらけ出すようになったことで、楽曲もヘビーで暗めなモノが多くなっていったんですが、また今、昔のポップさに立ち返ったら、きっとその頃よりも深い表現ができるんじゃないかなって。
──なるほど。
一聖 だから「HICCHAKA×MECCHAKA」は、バンド的にひさしぶりにお日様にあたった感覚ですね(笑)。タイトル通り、ひっちゃかめっちゃかな楽曲を作りたかったんです。でもポップの捉え方って人それぞれだから、ちょっと心配だったというか、不安もあったんですけど。幼稚なイメージを持たれてしまう可能性もあって。だからすごくバランスを考えながら作りましたね。
一樹 本当にひさしぶりの明るい曲調だったんで、とことん弾けようって思って、今まであえて弾かなかったフレーズとかも惜しみなく入れたんです。個人的にはポップな曲が好きなので得意ではあるんですけど、“ただのポップな曲”は作りたくなかったので、今のBugLugらしいポップさを追求しながら作りましたね。ハイブリッドな感じの見せ方ができたと思います。
優 明るいけど、かなり攻撃的なポップさのある曲ですよね。一樹がよく言ってるんですけど、エッジを利かせたポップな曲になったんじゃないかなと思います。
燕 これからライブでは欠かせない1曲になっていくんじゃないかな。
──リズム的には、曲中でテンポが変化したりと、なかなかアグレッシブですが。
将海 そうですね。どんちゃん騒ぎができる感じというか、本当にはちゃめちゃ感を出せるように試行錯誤しましたね。
- ニューシングル「HICCHAKA×MECCHAKA」/ 2013年9月25日発売 / Resistar Records
- 初回限定盤A [CD+DVD] 1890円 / RSCD-114~5
- 初回限定盤B [CD+DVD] 1890円 / RSCD-116~7
- 通常盤 [CD] 1260円 / RSCD-118
初回限定盤CD収録曲
- HICCHAKA×MECCHAKA
- アクマ笑ウ
- HICCHAKA×MECCHAKA(Let's Sing ver.)
初回限定盤A DVD収録内容
- HICCHAKA×MECCHAKA -Music Clip-
初回限定盤B DVD収録内容
- HICCHAKA×MECCHAKA -メイキングオフショット-
通常盤CD収録曲
- HICCHAKA×MECCHAKA
- アクマ笑ウ
- Revolution Perfect Game~BugLug Quest~
- HICCHAKA×MECCHAKA(Let's Sing ver.)
BugLug(ばぐらぐ)
一聖(Vo)、一樹(G)、優(G)、燕(B)、将海(Dr)の5人からなるヴィジュアル系バンド。2009年8月に結成され、2010年4月に1stシングル「ASOBIZ」をリリースする。結成当初はドラマー不在だったが、2011年11月に将海の加入によって現在の体制となる。毒をはらんだ歌詞や、ハイボルテージなサウンドが特徴。2013年に入ってからは3月に3枚のシングル「Live to Love」「BUKIMI」「R.I.P」を同時発売し、さらに5月にシングル「文明開化」をリリースするなどハイペースに作品を発表。9月25日にニューシングル「HICCHAKA×MECCHAKA」をリリースする。