ナタリー PowerPush - BUZZ THE BEARS×グッドモーニングアメリカ
対バンツアー目前! 同世代リスペクト対談
TOTALFATとBIGMAMAがいたから解散しなかった
──そんな状態でも解散にならなかったのはなぜですか?
渡邊 同じ高校の同級生にTOTALFAT、後輩にBIGMAMAがいて。彼らが活躍しているのをずっと悔しい思いをしながら見ていたんですよ。それはデカかったです。俺らは活動休止してブレまくっていたのに、あいつらはずっとブレずに前進して、どんどんステージを上げていって。負けたくないと思いつつも前に進めない。それは単純に悔しかったし、音楽を続ける意地にもなりましたね。
金廣 かなりネガティブだったし。田中(たなしん / B)も今の突き抜けたキャラクターが想像できないくらいヒドい状態でしたね(笑)。
渡邊 ホントにこもっていたから、みんな視野が狭くなっていて。金廣が作る曲や自分たちがこれから進むべき方向性には変な自信もあったんですよね。「俺らが本気出したら、TOTALFATもBIGMAMAも絶対に抜く!」みたいな。そんなことはぜんぜんなかったんですけど(笑)。でも、逆に言えばTOTALFATやBIGMAMAがいなかったら、たぶん俺らはバンドを続けられてなかったですね。
金廣 特に田中はそうだと思う。
渡邊 で、活動休止から2年経って、少しずつ曲もできていたのでライブをやることになったんです。そのときにグッドモーニングアメリカというバンド名をつけたんですけど。でも、最初のライブがもう最悪で。ぜんぜんお客さんに届かなかったんですよね。そのときから、改めてライブでちゃんと曲を届けられるバンドになろうと思ったんです。
──曲作りにおいてもそこが核になった?
金廣 そうですね。それ以外のこだわりは捨てようと思いました。逆に言えば、どれだけ自由に曲を作ってもライブでお客さんに伝わらなければ意味がないと思うようになったし。そういう思いがうまく形になり始めたのが2ndミニアルバム「ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ」(2010年7月リリース)あたりからで。あのアルバムのツアーから、ボーカリストとしての意識も変わったんです。自分のエゴはそこにいらないなって。グッドモーニングアメリカの金廣という存在はあるんだけど、「これが俺の歌だ!」という主張はまったくなくていいやって。
──だからMCもたなしんや渡邊くんに任せてるんだ?
金廣 そうなんですよ。ただ歌う人でいたいなと思って。別に無機質でありたいんじゃなくて、生身で歌を媒介する人でありたいというか。
──ただ、グッドモーニングアメリカの多くの曲が歌の中で自問自答しているし、内側に向けても、外側に向けても戦っているなと思うんですね。そこには金廣くんのパーソナリティがどうしようもなくにじんでいて。
金廣 そうですね。歌の中にはどうしても自分が出ちゃいますよね。嘘っぽい曲は絶対に書きたくないし。1つ一貫してあるのは、痛みのある曲を書きたいということですね。でも、それを押し付けたくないんです。「俺はこう思ってるけど」というレベルで止める。「こうしていこうぜ!」ではないです。受け止めたらあとは自由にしてくださいというスタンスです。
悔しい思いをした経験がバネ
──そのあたり越智さんはどういうスタンスですか?
越智 俺らは応援歌みたいな曲が多いんですけど、ライブに来てくれる人に直接的に「がんばれ」とは言わずに「俺たちはまっすぐ歩いていくよ」くらいのニュアンスで伝わればいいなという感じで。自分に言いたいことがあってそれをリスナーに投げるというよりも、自分が誰かを大切にしていることやそれを守っていく強さであるとか、それを曲に込められたらと思ってます。
──BUZZ THE BEARSもグッドモーニングアメリカのように閉塞感が漂うような我慢の時期があったんですか?
池田大介(B, Cho / BUZZ THE BEARS) もうめっちゃありましたよ。ついこの前まで(笑)。
越智 なんなら今も耐えてますから(笑)。
桑原 「爪痕」という1stフルアルバム(2010年4月リリース)を出すまでは、なんのためにバンドをやっているのかちょっと見失っていた時期があって。後輩のバンドのレコ発ファイナルに出るために大阪から東京まで単発で行って、最初にパッと出てちょっと盛り上がって後輩につなげるみたいな、そんな状況がずっと続いていて。
池田 リリースも2年くらい空いてたしな。
桑原 mixiでは解散したみたいに書かれたりな(笑)。そういう時期を経て「爪痕」を出して、ライブにもお客さんがちょっとずつ来てくれるようになったんですよ。そこからバンドをやるやりがいと楽しさをまた感じ始めたんですよね。
越智 だから、グッドモーニングアメリカと同じように俺たちも悔しい思いをした経験がバネになっているところはめっちゃありますね。
BUZZ of FIRE TOUR
- 2013年4月19日(金)
大阪府 心斎橋Pangea - <出演者>
グッドモーニングアメリカ / BUZZ THE BEARS / EGG BRAIN - 2013年4月21日(日)
愛知県 名古屋ell.SIZE - <出演者>
グッドモーニングアメリカ / BUZZ THE BEARS / ROTTENGRAFFTY - 2013年4月23日(火)
東京都 下北沢SHELTER - <出演者>
グッドモーニングアメリカ / BUZZ THE BEARS / OVER ARM THROW
この座談会の別テイクを4月15日よりスペシャの音楽SNS「mob」で掲載!
- BUZZ THE BEARS 1stシングル「ダーリン」/ 2013年3月20日発売 / Victor Entertainment
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1575円 / VIZB-40
- 通常盤 [CD] 1050円 / VICB-35051
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CD収録曲
- ダーリン
- サウンド
- ふたり
初回限定盤DVD収録内容
- サンライズ~サタデーナイト~花火~羽根(Live at 新宿ACB)[ダイジェスト]
- ブルースカイ~虹~雨(Live at F.A.D YOKOHAMA)[ダイジェスト]
- 光り(Live at F.A.D YOKOHAMA)
- 約束(Live at F.A.D YOKOHAMA)
- グッドモーニングアメリカ ニューアルバム「未来へのスパイラル」/ 2013年5月8日発売 / 日本コロムビア
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3200円 / COZP-766~7
- 通常盤 [CD] 2800円 / COCP-37940
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CD収録曲
- ファイティングポーズ
- キャッチアンドリリース
- タイムスリップしたみたいに
- 未来へのスパイラル
- ロールプレイングゲーム
- 突破していこう
- 風で高く舞い上がれる程
- たった6文字じゃ
- あなたに逢えて
- バンバンガンガン
- 下らない毎日が
- 餞の詩
初回限定盤DVD収録内容
- 「輝く方へリリースツアーファイナル」@渋谷CLUB QUATTRO 2012.09.30
- だけど不安です
- ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ
- 光となって
- 言葉にならない
- 心臓抉って
- 空ばかり見ていた
- MUSIC VIDEO「輝く方へ」
BUZZ THE BEARS(ばずざべあーず)
関西を中心に活動中の越智健太(G, Vo)、池田大介(B, Cho)、桑原智(Dr, Vo)からなるメロディックパンクバンド。日本語詞によるメッセージ性の高い歌詞や、メロディアスかつアグレッシブなサウンドでファンを惹き付けている。インディーズでの活動を経て、2012年8月にアルバム「燦燦」でメジャー進出を果たした。2013年3月に1stシングル「ダーリン」を発表したばかり。
グッドモーニングアメリカ
金廣真悟(Vo, G)、渡邊幸一(G, Cho)、たなしん(B, Cho)、ペギ(Dr, Cho)による4人組バンド。2001年に前身バンドfor better, for worseを結成し、2007年より現在のバンド名に変更。for better, for worse時代は英語詞だったが、バンド名変更を機に日本語詞へと切り替え、サウンドもよりポップさを増す。2008年より現在の編成で活動を開始し、自主企画の開催やリリースを積極的に行う。2012年冬には初のワンマンツアーを成功に収める。2013年5月にアルバム「未来へのスパイラル」でメジャーデビューする。