ナタリー PowerPush - BUZZ THE BEARS×グッドモーニングアメリカ
対バンツアー目前! 同世代リスペクト対談
ともにメロディックパンクシーンに出自を持ちながら、現在はそれぞれ柔軟なサウンドアプローチでエモーショナルかつポップな楽曲を鳴らしているBUZZ THE BEARSとグッドモーニングアメリカ。これまでお互いの存在は認識しながらも、深い交流はなかったという2組が、4月19日から東名阪で対バンツアー「BUZZ of FIRE TOUR」を開催する。
BUZZ THE BEARSが1stシングル「ダーリン」をリリースしたばかり、グッドモーニングアメリカは1stフルアルバムにしてメジャーデビュー作でもある「未来へのスパイラル」のリリースを5月に控える中で実現するこのツアー。これを記念して、互いの歩みやバンド観などをじっくり語り合ってもらった。
取材・文 / 三宅正一(ONBU) 撮影 / 上山陽介
ずっとすれ違ったままだった
──2バンドの出会いはいつ頃だったんですか?
渡邊幸一(G, Cho / グッドモーニングアメリカ) 記憶が曖昧なんですけど、最初に一緒になったのは横須賀の個人イベンターの方の主催イベントだったと思うんですよね。それが3、4年前かな?
桑原智(Dr, Vo / BUZZ THE BEARS) いや、そのときが最初ではなかったと思う。たぶんそれは2回目で。その前に電話番号は交換していたから。
金廣真悟(Vo, G / グッドモーニングアメリカ) そうですよね。その前にタイトラ(神戸のライブハウス「太陽と虎」)の打ち上げでしゃべった記憶があるので。
──つまり、けっこう曖昧だと。
渡邊 そうですね(笑)。お互い名前は知ってたんですけど、ちゃんとした接点がないままここまで来た感じがあって。去年、「FREEDOM NAGOYA 2012」というイベントで一緒になったときにひさしぶりに挨拶して、音源の交換をしたんですけど。で、ライブも観たいと思っていたら、別のステージで出演時間が被っていたという(笑)。そうやってずっとすれ違ったままだったんですけど、今回の「BUZZ of FIRE TOUR」でやっとガッツリ対バンすることになった感じですね。
──年齢的には同世代なんですよね?
越智健太(G, Vo / BUZZ THE BEARS) 年齢は僕らが1つ上ですね。
──当然、音楽的なルーツも被ってるでしょうし。お互い青春時代にメロディックパンクにやられてバンドを始めたという流れを踏んだのかなと思うんですけど。
桑原 でも、最初はJ-POPまみれでしたよ。
越智 中学、高校が愛媛の田舎の学校やったんで、その頃はいわゆるインディーズシーンとか「AIR JAM」のムーブメントとか届きにくい環境やったんですよね。
桑原 そうそう。シーンのムーブメントを知ってる人間が周りにいなくて、高2とか高3でHi-STANDARDとかBRAHMANとかを聴き始めたやつがちょこちょこいるくらいでしたね。
──そこからバンドをやろうってなったときにメロディックを選んだ理由はなんだったんですか?
越智 高校の最後のほうにメロディックを聴くようになって。高校を卒業して、大阪に出てバンドを組んだ頃には自然とそうなっていたというか。
桑原 最初はHi-STANDARDもL'Arc-en-Cielも黒夢もコピーする雑多な感じで、「メロディックをやろう!」みたいな意識って特になかったんですよ。でも、周りにメロディックのバンドが多かったというのもあって、そのまま自分たちもそっちに寄っていったという感じなんですね。
──ルーツを考えたら現在のメロディックの枠に留まらないサウンドアプローチも、日本語で歌うことも必然だと。
越智 そうですね。ひとつのジャンルに固執する感じではなくて、そのときに興味のあることをやるのは昔から変わってなくて。日本語詞という意味では、僕らがバンドを始めた頃ってMONGOL800しかり、メロディックな音で日本語詞を歌うバンドも増えていたので。
──パンクと日本語詞という意味では、青春パンクと呼ばれるムーブメントもあったし。
越智 そうですね。175Rとかにも影響されましたね。僕らも日本語で歌うことで、それまで聴いてきたJ-POP的な要素も取り入れやすかったところがありますね。あとは、パンクなサウンドに日本語がうまいことメロディに乗ったときにグッとくる感じがたまらなく好きなんですよね。
日本語のほうがもっと多くの人に届く
──グッドモーニングアメリカは、2006年に前身バンドであるfor better, for worseの活動休止と改名を経て日本語詞の曲を鳴らすようになったんですよね。そのきっかけはなんだったんですか?
渡邊 for better, for worseは英語詞のみのメロディックバンドだったんですよね。メンバー4人の理由はそれぞれなんですけど、ほとんど同じタイミングで日本語詞でやりたいという思いを持って。金廣は歌詞を書くうえでそう思っていた部分があったと思うし、俺やほかのメンバーも日本語のほうがもっと多くの人に届くんじゃないかという思いが出てきて。
金廣 当時、英詞を歌っていてすごくヤだったのは、悲しい曲を歌っているのに楽しそうにしているお客さんがいたことで。それで俺は日本語詞にしたいと思うようになったんです。でも、今になって思うのは、曲の受け止め方なんて人それぞれだし、日本語詞で歌っても悲しい曲をにこやかに聴いてくれる人がいるんですよね。それはそれでありだなって思う。でも、当時は思うように曲が届いてなかったし、そのフラストレーションが日本語詞を歌うきっかけになったんです。
──そこからサウンドも劇的に変わっていったと。
金廣 相当変わりましたね。
渡邊 前身バンドを活動休止して、2年くらい迷走しました。アコギを入れたり、同期を入れたり、シンセを入れたりいろんな試行錯誤をして。
──精神的にもしんどかった?
渡邊 もう、かなり。死んだような2年間でしたね(笑)。
金廣 バイトして、飲んでを繰り返す毎日で。最初の1年はスタジオもロクに入ってなかったですね。
BUZZ of FIRE TOUR
- 2013年4月19日(金)
大阪府 心斎橋Pangea - <出演者>
グッドモーニングアメリカ / BUZZ THE BEARS / EGG BRAIN - 2013年4月21日(日)
愛知県 名古屋ell.SIZE - <出演者>
グッドモーニングアメリカ / BUZZ THE BEARS / ROTTENGRAFFTY - 2013年4月23日(火)
東京都 下北沢SHELTER - <出演者>
グッドモーニングアメリカ / BUZZ THE BEARS / OVER ARM THROW
この座談会の別テイクを4月15日よりスペシャの音楽SNS「mob」で掲載!
- BUZZ THE BEARS 1stシングル「ダーリン」/ 2013年3月20日発売 / Victor Entertainment
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1575円 / VIZB-40
- 通常盤 [CD] 1050円 / VICB-35051
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CD収録曲
- ダーリン
- サウンド
- ふたり
初回限定盤DVD収録内容
- サンライズ~サタデーナイト~花火~羽根(Live at 新宿ACB)[ダイジェスト]
- ブルースカイ~虹~雨(Live at F.A.D YOKOHAMA)[ダイジェスト]
- 光り(Live at F.A.D YOKOHAMA)
- 約束(Live at F.A.D YOKOHAMA)
- グッドモーニングアメリカ ニューアルバム「未来へのスパイラル」/ 2013年5月8日発売 / 日本コロムビア
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3200円 / COZP-766~7
- 通常盤 [CD] 2800円 / COCP-37940
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CD収録曲
- ファイティングポーズ
- キャッチアンドリリース
- タイムスリップしたみたいに
- 未来へのスパイラル
- ロールプレイングゲーム
- 突破していこう
- 風で高く舞い上がれる程
- たった6文字じゃ
- あなたに逢えて
- バンバンガンガン
- 下らない毎日が
- 餞の詩
初回限定盤DVD収録内容
- 「輝く方へリリースツアーファイナル」@渋谷CLUB QUATTRO 2012.09.30
- だけど不安です
- ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ
- 光となって
- 言葉にならない
- 心臓抉って
- 空ばかり見ていた
- MUSIC VIDEO「輝く方へ」
BUZZ THE BEARS(ばずざべあーず)
関西を中心に活動中の越智健太(G, Vo)、池田大介(B, Cho)、桑原智(Dr, Vo)からなるメロディックパンクバンド。日本語詞によるメッセージ性の高い歌詞や、メロディアスかつアグレッシブなサウンドでファンを惹き付けている。インディーズでの活動を経て、2012年8月にアルバム「燦燦」でメジャー進出を果たした。2013年3月に1stシングル「ダーリン」を発表したばかり。
グッドモーニングアメリカ
金廣真悟(Vo, G)、渡邊幸一(G, Cho)、たなしん(B, Cho)、ペギ(Dr, Cho)による4人組バンド。2001年に前身バンドfor better, for worseを結成し、2007年より現在のバンド名に変更。for better, for worse時代は英語詞だったが、バンド名変更を機に日本語詞へと切り替え、サウンドもよりポップさを増す。2008年より現在の編成で活動を開始し、自主企画の開催やリリースを積極的に行う。2012年冬には初のワンマンツアーを成功に収める。2013年5月にアルバム「未来へのスパイラル」でメジャーデビューする。