音楽ナタリー PowerPush - bohemianvoodoo

メロディを追求する、歌えるインストバンド

「ボヘっぽさ」とは

──その「ボヘっぽさ」とは?

bashiry (ナタリー編集部の壁にかけられている「童貞」と書かれたイラストを指差す)

──あんまりそういうイメージはないですけど(笑)。

bashiry なんていうか、暑苦しい感じっていうかね。きれいにまとまってて、おしゃれな感じのテイクは、「違うね」ってなっちゃうんですよ。「イオリくん、立って弾いてるんじゃないの?」ぐらいの暑苦しい感じのほうが、みんな好きなんですよね。

Nassy 今回は歌ものの3曲以外はクリックも外して、ホントに一発で録ったので、余計そういう部分が出てるのかなって。

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──暑苦しさというか、生々しさというか。

木村 うん、生々しさをすごくいい音質で届けることができたアルバムなのかなって。すごいいいスピーカーで聴くと、bashiryのソロ中の「ヴヴーン」っていう妖怪みたいな声も聞こえます(笑)。

bashiry 僕ね……妖怪なんですよ(笑)。

Nassy それ、便乗じゃない?

──「妖怪ウォッチ」ですか(笑)。

木村 ライブに来ると、生で妖怪が観れます(笑)。

「Aromatic」を聴いて何かを思い浮かべてほしい

──アルバムに話を戻すと、「Aromatic」というタイトルで、「香り」がテーマになっていますね。

bashiry 前作の「SCENES」は「旅」をテーマにしていて、物理的にどこかに飛び立つようなイメージだったんですけど、今回は自分の中に向かって旅をするようなイメージで、「記憶をたどる」っていうのをテーマにしようと思ったんです。実際、自分の記憶をたどるときに、一番脳みそに直結してるのって、音もそうなんですけど、匂いなんですよね。昨日僕ひさびさに実家に帰ったんですけど、実家の埃臭い匂いとかって懐かしく感じるんですよ。アルバムを聴いて、そういうふうに何かを思い出してほしいと思って「Aromatic」っていうタイトルにしました。

──「SCENES」は外で、「Aromatic」は内という話でしたが、どちらにしても、曲を聴いて何かを思い浮かべてほしいという気持ちがあると。

木村 そこはすごく大事にしてます。基本的には、インストで歌詞もないので、自由に聴いてもらえればいいんですけど、曲のテーマっていうのは大事にしてますね。

Nassy 2人が書いてきた曲を聴いて、そのタイトルを見ると、すごく腑に落ちるんですよ。

──デモの段階でタイトルがある場合が多いんですか?

木村 よくある「新曲1」とかっていう渡し方は僕らはあんまりしないです。

bashiry タイトルから曲を書くことも多いですね。

──じゃあ、「El Ron Zacapa」にしても、最初からラム酒のロンサカパのイメージがあったわけですか?

bashiry ひさびさにイオリくんと共作で1曲作ってみようと思ったときに、イオリくんの家にロンサカパを持って行って、「ここにロンサカパがあります、このあと飲みます、ロンサカパって曲を書きましょう」って、3時間くらいセッションしました。

木村 次の日全然記憶なかったんですけど、でもちゃんと曲ができてました(笑)。

Nassy ロンサカパの甘くてフワッとしてて、でもスパイシーな香りみたいなのが、聴いてるとなんとなくイメージできるんですよね。

bashiry 物でも場所でもなんでもそうなんですけど、「これが好きだから、これのために曲を書きたい」っていう、やっぱりそこがスタートなんだと思いますね。

イオリくんの家は駆け込み寺?

──「Ferris Wheel」はNassyさんの作曲で、「観覧車」のことですよね?

Nassy 今住んでる街に観覧車があって、僕別に乗るのはそんなに好きじゃないんですけど、幸せっぽい感じがするじゃないですか?(笑)

bashiry 「観覧車は1人じゃ乗らないから」って言ってた。

左から木村イオリ(Key)、Nassy(B)。

Nassy そう、誰かと乗るものだから、僕の中では幸せの象徴なんです。「Ferris Wheel」って、字面もいいし、それで1曲書いてみようと思って。

──曲自体はどんなイメージだったんですか?

木村 最初はギターと鼻歌だったよね?

Nassy それをイオリくんの家に、駆け込み寺みたいな感じで持って行って(笑)、最初は卵かけごはんぐらいのものだったんですけど、イオリくんに2~3日預けたら……。

木村 オムライスぐらいにはなった?

Nassy そう、デミグラスソースかかってました(笑)。

bashiry 僕らはデモをイオリくんの家に持って行けばなんとかなると思ってるんです(笑)。イオリくんはアイデアマンで、相当な引き出しを持ってるんで、「こういうのが欲しいんだけど、よくわかんない」っていうときに、いつも的確なアドバイスをくれるんです。

ニューアルバム「Aromatic」 / 2014年11月19日発売 / 2700円 / Playwright / PWT-013
「Aromatic」
収録曲
  1. Seven Color Days
  2. El Ron Zacapa
  3. Cardamom
  4. Mothertree feat. Aki Sawazaki
  5. Families
  6. Ferris Wheel
  7. Cleopatra's Dream
  8. Skyroad
  9. Relation Ship feat. Hiro-a-key
  10. Father And Bookshelf
  11. A Peacock
  12. Jet Setter feat. Hiro-a-key & Aki Sawazaki
  13. Flyaway
bohemianvoodoo(ボヘミアンブードゥー)
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bashiry(G)、木村イオリ(Key)、Nassy(B)、山本拓矢(Dr)によるインストバンド。2008年に結成され、東京や神奈川を中心にライブ活動を開始する。2011年にはMotion Blue yokohama初登場にして同所歴代観客動員記録に名を連ねる。2012年12月、新鋭レーベル・Playwrightより2ndアルバム「SCENES」を発表し、近年の若手ジャズバンドとしては異例のセールスを記録。2013年、ドラマーが井上孝利から山本拓矢に交代。2014年1月にはブルーノート東京に出演するなど急成長を遂げている。同年11月、3rdアルバム「Aromatic」をリリース。