“汗”のNorthern19、北の大地を感じさせるNOISEMAKER

──続いて、Northern19です。「良い意味で一番土臭さがあるバンドだと思ってます。不器用なんだけど、身体の体幹からあふれてくる感情で会場を煌びやかな空間に変えてほしいです」ということです。

笠原　あざす！ 俺たちはこの中でもひと際土臭いと思います（笑）。ここにいるバンドは出してる音こそ違うけどみんなオープンマインドと言うか、そんなところが僕は好きです。そういうバンドって本来あまりいないんだけど、JMSにはそろってる。今回のツアーも1本1本のライブからいろんなことを吸収したいし、盗みたいっていう気持ちでいますね。

Sit　ノーザンはまさに“汗”ですよね。音楽ももちろん好きだけど、ライブで3人そろって同じ方向に向かって汗かいてる姿がいい。もちろん、サウンドは進化してるけど、変わらないところはしっかり変わらずにいるところが好きです。

──確かに、ノーザンはサウンド的にいろんな挑戦をしてきたけど、バンドとしての在り方は本当に変わらないですよね。

笠原　僕はいろんな音楽が好きなんですけど、自分の芯からアウトプットするものはいつも変わらないんですよね。周りにカッコいいバンドがたくさんいる中で、そうやって自分を発揮できるのはすごく幸せなんだなっていう思いが年々強くなってます。その結果、こういうツアーに参加できるというのも幸せなことだし、楽しみですね。特に難波さんは地元の先輩で、そういう人と一緒にツアーができるだなんて高校生の頃の自分に教えてやりたいですよ。それぐらい誇りに思います。

Ryo　ノーザンはメロディが一番の魅力だと思うんですよ。シンプルなスリーピースを突き詰めた結果として生まれた、みんなに届くメロディがある。（笠原）健太郎さんは本当にいろんな音楽が好きで、会うたびにデスメタルとかグラインドコアの話になるんですよ（笑）。

笠原　夜中の3時半ぐらいにそういう感じのツイートをすると、Ryoがすぐに反応してくれるんですよ（笑）。

Ryo　そう、Twitterとインスタで、「お、こんなの聴いてるんだ！」って（笑）。そういう音楽を経て、究極に突き詰めた結果としてあのメロディが生まれてるんだと思うとグッときますね。

──グラインドコアからいいメロディが出てくるっていうのはいい話ですね（笑）。では最後、NOISEMAKERです。「かなりの勢いで加速している彼らのライブは、紆余曲折を経たバンドにしかない緊張感と重厚感があります。今一番ギラギラしている彼らの圧倒的なライブで、捲りに捲ってほしいです」。

AG　おおー！ （目の前にあるコーヒーを見ながら）イッキしてもいいっすか？

一同　あははは（笑）。

AG　自分たちにはこれまでいろんな状況があって、いいときも悪いときも経験した結果、メンバー同士の関係性は今が一番いいんじゃないかと思います。よく、バンドのメンバーは家族みたいなものだって言うじゃないですか。まあ、家族って言うと安っぽいですけど、本当にガチで喧嘩するし、それでもこうやってバンドが続いてるっていう。そういう空気感がいろんな人に伝わってるんだと思います。僕らも海外からの影響が強くあって、海外の音楽に憧れてきたんですけど、日本ってどうしても海外のトレンドからちょっと遅れてるじゃないですか。でも、自分たちはそれをひっくり返したい。海外の人らが「日本人に先にヤラれた」って思うような音楽をやりたいんで、そういうものが伝わったらいいと思います。

Sit　NOISEMAKERの音からは北の大地を感じるんですよね。サウンドは作品ごとに進化してるけど、出会った頃に感じた北海道のちょっとひんやりした空気はずっと残ってるし、「KITAKAZE」でひさしぶりにライブを見たらその感じがさらに凝縮されてて、バンドとしてすごく太くなってるのを感じましたね。

AG　北の感じってなんなんすかね？ それ、けっこう言われるんですよね。

難波　エモさかな？

Hiro　UTA（NOISEMAKERのドラマー）から感じるんじゃない？ UTAがいつもセカンドバッグ持ってる感じ。北のほうに多めじゃん。

AG　ああ、田舎のチンピラ感ね（笑）。

難波　でも、北海道は元から独特なものがあるよ。

Hiro　俺らも似たようなことをよく言われますよ。夏っぽい曲を作ってんのに、「冬っぽい」としか言われない。「スノーボードがよく似合う」とか。NOISEMAKERもそれに近いのかもしれない。

ヘパリーゼをケータリングに……

──では最後に、今回のツアーに対する意気込みを聞かせてください。

Sit　ライブで毎日ミラクルを起こせたらいいなと思います。

AG　さっき難波さんが言ったように、素直にカッコいいと思えることを自由にやってるJMSのバンドとスタッフが、俺もすごくうらやましかったんで、今回そこに参加できることがすごくうれしい。いろんな思いを持っているバンドたちと全国を回ることで、本当にカッコいいものを日本中に広めていけるような熱いツアーにしていけたらいいなと思います。若いバンドマンが「いつかこのチームに入りたい」って思うようなものを見せたいですね。

笠原　「『BODY and SOUL』のときのあのバンド、いつもと全然違ったね！」って思わせるぐらい各々が毎日フルスイングで、その日にしか生まれないライブを展開して、それぞれが何かいい物を得て、その後の活動につながっていったらいいなと思いますね。遊びに来るお客さんもこのツアーの空気感にやられて、自分の好みとかに対する固定概念がなくなったらいいと思うし、いろんなバンドや音楽が好きになるきっかけになったらすごくいいですね。

──この大所帯で全国を回るうちに、この6組が生み出すグルーヴもどんどん大きくなっていくんでしょうね。最終日はいったいどうなるんだっていう。

笠原　想像するだけで怖いっすね（笑）。

Ryo　俺はこの6バンドじゃないと感じられないような、新しい刺激を与えられるようなツアーにしたいですね。これが来年以降も毎年続いて、「今年も『BODY and SOUL』に行こう！」って言ってもらえるようにしたい。

難波　まずは楽しみたいですね。そして、NAMBA69を観たことない人に対してブチかまして、認知させたい。今、やれ動員がなんだとか、そういう尺度でバンドを判断するヤツがすごく多い気がするんだけど、そういうことじゃない。俺らがすげえ音を出して、すげえアティチュードを持ってステージから発信して爆発していけばきっと状況は変わっていくから、俺らがここで本気にやべえものを見せて、このツアーをとんでもないものにしたいですね。

Hiro　俺はひたすら笑いたいですね！ もう、絶対楽しいんで。ライブはもちろん、移動してる間も楽しいだろうし、毎日顔を合わせて笑って、最終的に「すっげえ面白かった！」って言い合えるようなツアーにしたい。そうしているうちに『BODY and SOUL』っていう1つの新しいシーンを作れたらさらにすごいことになると思う。

──Hiroさんが最初に言ってましたけど、オフステージがどうなるかも気になりますね。

Hiro　毎日、ヘパリーゼをケータリングに置いといてもらえたら（笑）。

笠原　俺、このツアー中に35歳検診があるんですよ。大丈夫ですかね？

一同　あははは（笑）。