BiS|初々しさはもういらない、90年代オマージュにとどまらない実力勝負の2ndアルバム

シャウトで気を失う

──「テレフォン」はシングル「DEAD or A Lime」のカップリングですが、ライブでの進化はありましたか?

イトー 回数を重ねるうちにだいぶ手が上がるようになってきました。

トギー 合いの手も増えてきました。

ネオ 掛け合いの声が特に大きいよね。

イトー そうだね。自分たちもライブを重ねるごとにお客さんたちの熱を吸収して、それを倍にして返すぐらいの勢いのパフォーマンスを心がけてます。この曲は初めて見た人でもノリやすいと思います。

チャント これからライブの定番になるんじゃないかな。

──「FOR ME」は冒頭の「You can さぁ手に取れよ」で始まる、畳みかけるようなフレーズがありますけど、これはどなたが歌ってるんですか?

チャント 私です。聴いたときに自分でも「誰?」ってなります(笑)。

トギー 今までにない感じなので、モンちゃんってわからないですよね。

ネオ あの高さで歌うのあんまり聴いたことない。

イトー もともとこのパート、キーが低かったんです。歌録りをしてるときに「もうちょっと激しくしよう」「1回高いやつやってみて」とディレクションしていただいて、「高いほうがいいね」ってなって。

チャントモンキー

チャント 「そのティ部の(声の)高さでいこう」と言われて歌ったんですけど、私は最初難しいなと思って。ブレスのタイミングが難しくて、レコーディングのときはいっぱい吸ってバーッて歌えたんですけど、ライブだと後半で息切れると息が吸い切れなくて、めっちゃキツイです。しかもこのパート、1曲の中に2回あるからもっと体力付けないと(笑)。

──体力を付けないと叫ぶのも大変ですよね。

イトー 最初はロングシャウトも、単独でのシャウトもなかったですからね。今回は「FUCKiNG OUT」でネオが叫んで、「テレフォン」でトギーがずっと雄叫びを上げて。まるで試されてるかのような、本当に長いシャウトで(笑)。不安なのは本番で息が続かなくなったら大変だなって。

──叫んでるときは、周りを見る余裕がないくらい必死ということですね。

ネオ もうヤバいです。この間、ライブ中に一瞬気を失って……。

イトー そうだったの!?

ネオ 「あー!」って叫んでめっちゃ苦しくなってきて、でも歌い続けないといけないから続けてたら気を失ってて、気付いたらライブをしてる自分がいて。「え、今ライブしてる?」ってびっくりした。ホント一瞬ですけどね。

BiSはどんな苦境にも立ち向かっていく

──アルバム終盤の「SPiLLED MiLK」は切なく胸を打つような美しいメロディですね。

ネオ これは前作の「this is not a love song」を作曲した豊住サトシさんが作った泣きメロで繊細な感じの曲です。

イトー・ムセンシティ部

イトー 「アニメの主題歌っぽい」とファンの方から反響があって。確かにアニソンみたいなキャッチーさがあるなと思います。

チャント 実際、レコーディングのときは「『ONE PIECE』とか少年マンガっぽいイメージで歌ってほしい」と言われました。

──そういう抽象的なディレクションを受けた場合、すぐに理解できるものなんですか?

イトー ジャンプマンガの主人公は「前を向かなきゃいけない」っていう印象なので、そのイメージで。

ネオ でも歌詞の内容は切ないんです。この歌は感情移入してしまって、すごく悲しい顔で踊ってる気がする。

チャント 主人公になりきって歌っているので、切ない気持ちになります。

──楽曲の後半に静かな声のコーラスがありますけど、そういうメイン以外も皆さんが歌ったんですか?

チャント 録ってないです。

ネオ 誰かの声ですかね。誰?ってなるけど。

チャント 仮歌のまんまなら松隈さんの声を高くしてるはず。

トギー そういうことか。

──アルバムは終盤にエモーショナルな曲が続き、最後は「FOOL PROOF」で終わります。「バカでも扱える」みたいな意味のタイトルを冠したこの曲はどういう内容ですか?

ネオ 歌っている私たちも聴いている人も背中を押されるような曲です。

トギー うまくいかなくてもがんばるぞ、みたいな気持ちになります。

──何かの決意表明になっているのかなとも思いました。

ネオ 自分たちというか、BiSそのものの境遇と重なるような気がします。「何度も果たせぬ夢」とか。

イトー うん。この曲は自分を肯定されてるような気持ちになります。

チャント 「BASKET BOX」はこれまでの人生とか、今悩んでることを思いながら歌うんです。だけどこの曲は未来を想像しながら、「これからいろんなことが起こるけどがんばろう」みたいな気持ちで歌っています。

──その意味では、アルバムの締めくくりにふさわしい楽曲ですね。

イトー “どんな苦境にも立ち向かっていく”という意思表示にもなっているので、そう思います。

BiS

デビューから「もう半年」

──デビューから約半年ですが、現時点でBiSの活動は順調ですか?

イトー うーん。

チャント 順調では……ない。

トギー もっとグイグイ行きたい。

イトー 私たちのライブパフォーマンスをもっと多くの人に知ってほしいと思います。活動し始めてから「まだ半年」と言う人もいますけど、私たちからしたら「もう半年」なんです。デビューから1年が経つまでに今まで以上に成長しないといけないなと感じています。

トギー 「どういうライブがいいライブか」という感覚に手応えを感じ始めているので、毎回気合いの入ったライブができるくらいにはなりたいです。

──アルバムのリリース後には、WACK所属の全グループが出演するツアー「WACK FUCKiN'PARTY」を控えています。

トギー チャンスだよね。

ネオ 今のBiSを観たことない人のほうが多いと思うので、どんな出演順でもまずはお客さんにBiSを印象付けることを目標にしようと思っています。新規の人に印象付けるのが大変なぐらい、ほかのグループも魅力的なので。出番が一番手だったとしても絶対に印象付けたいです。

イトー 事務所の先輩たちは憧れている人たちだけど、私たちはそれを超える精神で活動しないと絶対に太刀打ちできないって理解してるので。きっかけはなんでもいいので印象付けられたらいいよね。

ネオ うん。イベントって最初に出た人ほど忘れられがちだと思うんです。そういうのは絶対に嫌ですね。まあ楽しんでほしいね、観た人みんなに。

チャント BiSを目的に来ているわけじゃない人がたくさんいる中で観てもらうチャンスだから……でもカッコいいグループがいっぱいいる中で、お客さんの目に私たちを焼き付けるには、歌もダンスももっと練習を積んで、がんばるしかないと思います。この前まで素人だったなんて、もう言っていられないので。

トギー 初々しさではないところで戦っていけるよう、もっと実力を身に付けたいなと思います。

BiS

ライブ情報

WACK TOUR 2020 "WACK FUCKiN'PARTY"
  • 2020年2月8日(土)宮城県 女川町生涯学習センター ホール
  • 2020年2月15日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2020年2月20日(木)東京都 Zepp Tokyo
  • 2020年2月24日(月・振休)北海道 Zepp Sapporo
  • 2020年2月29日(土)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2020年3月1日(日)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2020年3月14日(土)宮城県 仙台PIT
  • 2020年3月17日(火)東京都 Zepp Tokyo
  • 2020年3月18日(水)東京都 Zepp Tokyo

<出演者> BiSH / BiS / GANG PARADE / EMPiRE / CARRY LOOSE / 豆柴の大群 / WAgg
※全公演完売

HEART-SHAPED BiS TOUR 1st season
  • 2020年5月2日(土)福井県 福井CHOP
  • 2020年5月3日(日・祝)石川県 Kanazawa AZ
  • 2020年5月9日(土)広島県 Live space Reed
  • 2020年5月10日(日)岡山県 IMAGE
  • 2020年5月17日(日)東京都 WWW
  • 2020年5月24日(日)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2020年5月30日(土)静岡県 Sunash
  • 2020年6月6日(土)沖縄県 Output
  • 2020年6月13日(土)北海道 BESSIE HALL
  • 2020年6月14日(日)北海道 CASINO DRIVE
  • 2020年6月21日(日)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
  • 2020年6月27日(土)埼玉県 西川口Hearts
  • 2020年6月28日(日)愛知県 名古屋ReNY limited