BAND-MAID|曲に対する意識の変化が、また1つバンドを成長させた

BAND-MAIDが「glory」「Bubble」という2枚のシングルを1月16日にリリースした。「glory」はテレビ東京系アニメ「遊☆戯☆王VRAINS」のエンディング曲で、「Bubble」はABCテレビ / テレビ朝日系ドラマ「パーフェクトクライム」の主題歌。テレビタイアップ曲の2タイトル同時発売という今回の試みは、彼女たちの今の勢いを象徴していると言えそうだ。

そしてこの「glory」と「Bubble」はいずれも、これまでの作品と比べて繊細なアレンジに仕上げられている。彼女たちの曲作りに対するアプローチはなぜ変化したのか。その理由についてメンバー5人に話を聞いた。

取材・文 / 阿刀“DA”大志 撮影 / 草場雄介

濃すぎてよくわからないぐらいの勢い

──年が明けたということで、まずは2018年の振り返りから始めたいんですが、皆さんにとってどんな1年でしたか?

小鳩ミク(G, Vo)

小鳩ミク(G, Vo) いやー、もう密度が濃くて、気付けば1年終わってたって感じでしたっぽ。いろんなことがあったっぽね。

KANAMI(G) 忙しすぎて記憶があまりございません(笑)。

小鳩 アルバム(「WORLD DOMINATION」)を2月にリリースしたところから始まり、4月にはBAND-MAIKOになって(笑)(参照:BAND-MAID、舞妓コンセプトのBAND-MAIKOに改名)。

彩姫(Vo) それから東名阪ツアーがあって、夏にはシングル(「start over」)をリリースして、夏フェスにも出させていただいて、9月から全国ツアーが始まって海外にも行き……。

小鳩 あとは今回のシングルの制作もしてたっぽね。

彩姫 ほぼずっと制作してたね。

小鳩 なんかもう、濃すぎてよくわからないぐらいの勢いでしたっぽ。

彩姫 「え、それって今年だったっけ?」っていうことが多くて、「なんか、人気者みたいじゃね?」って(笑)。

──2018年で印象に残ってる出来事はなんですか?

MISA(B) ヨーロッパツアーで初めてツアーバスに乗ったことですね。

──おお、バンドマン憧れの!

小鳩 今まではホテルに泊まって車で移動するって感じだったんですけど、今回は大型バスで寝れましたっぽ。

彩姫 バスの生活にも慣れたので、次のツアーはもっとお給仕(ライブ)できます!って感じですね。アメリカもバスで回れたらいいな。

KANAMI 楽しそう!

AKANE(Dr)

AKANE(Dr) 私はアニメが大好きで、いつかBAND-MAIDがアニメのオープニングテーマやエンディングテーマをやれることがあればいいなと夢見ていたので、今回ついにシングル「glory」で「遊☆戯☆王VRAINS」のエンディング曲をやれることになったのがすごくうれしいです!

──初めて「遊☆戯☆王VRAINS」のオンエアを観たときの気持ちは?

AKANE あんなにアニメのエンディングをドキドキしながら待ったのは初めてですね。

彩姫 ちゃんと放送時間に合わせて家に帰って、テレビの前で待ってました。流れた瞬間、「はあーっ! すごーい!」って。

小鳩 アニメの映像と曲がどんなふうにマッチするのか知らなかったので、「うわー!」って感動したのと同時に、「glory」のクレジットが出たときはすごくうれしかったですっぽ。その画像をいろんな人がTwitterとかInstagramに載せてくれたのもうれしかったですっぽ。

──KANAMIさんの印象的な出来事は?

KANAMI ヨーロッパツアー中にモスクワから飛行機に乗ってヘルシンキに着いたら、なんと私のギターが届きませんでした!(笑)

──それはキツいですね!

KANAMI(G)

KANAMI その日はヘルシンキでお給仕があったので、近くの楽器屋さんに行っていつも使ってるPRS(ポールリードスミス)のレンタルをお願いしたら、貸してもらえたのがビンテージのPRSだったんです。実際にお給仕で鳴らしてみたらカラッとしたビンテージらしい音だったし、こういうギターを弾く機会はなかなかないのですごくいい思い出になりました。

小鳩 その日のお給仕の間にギターが見つかったからよかったっぽね。

KANAMI そうなんです! 大変ではありましたけど、トラブルが起こっても楽しめるような余裕が出てきたと思います。

彩姫 私はスニーカーが好きなんですけど、2018年はいろんなスニーカーをゲットできた年でした(笑)。

KANAMI さいちゃん(彩姫)のおうちはお店みたいにスニーカーが並んでるんですよ。

AKANE ツアー先のロサンゼルスでもスニーカーを買いに行ってましたね。

小鳩 実は、ヘルシンキでロストバゲージした中にさいちゃんの荷物もあって(笑)。

彩姫 その中に買ったばかりのスニーカーがあったんで、「ほかのものはいいからスニーカーだけは返して!」って願ってたら次の日に見つかりました。

きわどい歌詞をどこよりも大声で笑顔で

──小鳩さんはいかがですか?

小鳩 小さい頃から憧れていたオランダに行けたことがうれしかったっぽね。一番行きたかったのはユトレヒトで、大好きなミッフィーが生まれた街なんですっぽ。でも、お給仕があったのがアムステルダムだったので、ちょっと離れてたんですっぽ。しかもスケジュール的に唯一オフがない国だったので、「次こそ行きたい」って、今後の夢がますます広がりましたっぽ。

──アムステルダムとユトレヒトって絶妙な距離なんですよね。

小鳩 そうなんだっぽー! 電車で40分なので、午前中だけでもオフがあれば行けたっていう。

彩姫 今年に期待ですね!

小鳩 オランダでは初めてのお給仕だったんですけど、ご帰宅(来場)してくださったご主人様お嬢様の数が思ってた以上に多くて、小鳩が大好きなオランダでたくさん人が来てくれたことがうれしかったですっぽ。

──アメリカはどうでしたか?

小鳩 アメリカでお給仕したことはこれまでにも何回かあったんですけど、ワンマンは初めてだったんですっぽ。でも、どこの国よりも歓声が大きいというか、一緒に歌ってくださる声の大きさが異常でしたっぽ。

彩姫(Vo)

彩姫 歌ってくれる人の数はアメリカが一番でしたね。私たちの曲「Thrill」を初めて見つけてくれた国なので、「Thrill」の盛り上がりは特にすごかったです。

小鳩 あと、「start over」の最後に出てくるきわどい歌詞をどこよりも大声で歌ってくれましたっぽ。

彩姫 しかもすごい笑顔で。

小鳩 あの曲を出したときは、「世界征服が目標なのに、そんな汚い言葉を使っていいの?」って言われたのに。

彩姫 結局、アメリカが一番あの歌詞を受け入れてくれて、「別に大丈夫だったじゃん」って(笑)。

──それはいい話ですね(笑)。あと、アメリカのイベンターからかなり好評だったっていう話を聞きました。

小鳩 すごくいい言葉をいただきましたっぽ。グッズも飛ぶように売れてたっていうし。

彩姫 「この会場でやったアーティストの中でも群を抜いて売れたよ」っていう話を聞いて、「お、じゃあ、次もお願いします!」って(笑)。