ナタリー PowerPush - BACK DROP BOMB
メンバー&磯部正文が振り返るBACK DROP BOMBの15年
BACK DROP BOMBのベストアルバム「THE BDBEST」が3月11日に発売。さらに4月29日には伝説のイベント「BAD FOOD STUFF」が一夜限りの復活を果たす。
これを記念して、ナタリーではBACK DROP BOMBと盟友・磯部正文の合同インタビューを敢行。当時の思い出から現在の活動まで、ざっくばらんに語ってもらった。
取材・文 / 高橋美穂 インタビュー撮影 / 中西求
出会いはBACK DROP BOMB結成前
——まず、ベスト盤をリリースすることになった理由から伺えますか?
白川貴善(Vo) 年度末調整で(笑)。
——リアルなんですけど(笑)。
白川 これ、どこでも毎回最初に言うんです(笑)。こじつけだと結成15周年っていうこと。あと、年度末が重なったってことで。
——ちょうどよかったと(笑)。では、そんな15年の中で磯部さんとBACK DROP BOMBの出会いっていうのはいつ頃だったんですか?
磯部正文 14……5年前?
小島真史(Vo) ちょうど(BACK DROP BOMBを)結成する時期くらいでしたね。
磯部 僕が最初マサ(小島)と知り合ったんですけど。広島のバンド仲間がこっちに来てて、その人がマサを知ってて紹介されて。
小島 僕がその人とバンドやってたんですよ、少しだけなんですけど。
——そのとき磯部さん、ハスキン(HUSKING BEE)は?
磯部 まだやってないですね。
小島 ハスキンの前のドラムが、うちらの前のドラムになったりして。
ツインボーカルがうらやましかった
——ハスキンとバックって、当時から音楽性は全然違っていたと思うんですけど、どういうところで共鳴した感じだったんですか?
磯部 それぞれ好きな音楽の方向が決まってたりとか。バックは最初見たときからすごいなと思いましたから。インパクト大でしたね。自分たちは当初スリーピースでしたから、ツインボーカルでメロディを歌いあってるとことか、うらやましいなって思いましたね。
——そもそもな質問になっちゃうんですけど、BACK DROP BOMBってどんな音楽をやろうとして結成されたんですか?
小島 それぞれ個人個人で違うと思いますけど、遊ぶ場所が一緒だったんですよね。その当時は乱雑っていうか、今みたいに分かれてなかったから。ハードコアもパンクもヒップホップも、同じようなクラブイベントやライブハウスでやってて、そこで会って遊ぶようになったから、そういうイメージでバンドを組みたいなとは思ってましたね。僕は当時ニューキー・パイクスとか好きで、ああいうイメージで何かできないかなとは思ってましたけど、みんなバラバラだったと思います。
——じゃあ、最初にこういうバンドをやりたいとかいう話はなかったんですか?
小島 言い合いましたけど、そうはならなかったですね(苦笑)。そっから何年かは手探りでした。
ベストアルバムは自分で聴いても笑ってしまう
——ちなみに、このベスト盤に収録されてる曲で一番最初に作った曲ってどれですか?
小島 1曲目の「BACK DROP BOMB」は初期だと思います。覚えてないけど。
白川 オリジナル曲は何回目かのスタジオで作り出しました。目指すものがあって始まったバンドじゃないから。最初っからオリジナルを作る方向性でしたね。
——90年代からバックって、他と違うことを、新しいことをって目指していた印象があったんですけれども、当時そういう方向性は考えたりしてました?
白川 他と違うことは好きですよ。単純に友達になってくれるバンドにストレートな音楽をやってるバンドが多かったってのもあるし、逆にバラけた人で集まってるっていうところもあったから、それが並行してるような感じでしたね。
——磯部さんから見ていて、BACK DROP BOMBの曲作りってどのように感じてらっしゃいますか?
磯部 さっきタカ(白川)が言ってたことと違って、自分たちが組んでたバンドとかは、単純に歌モノをやろうとかは決まってましたから、曲作りも早かったんですよね。でもバックの場合、それぞれのメンバーの良さを集めて曲を作っていくってなると、見えないところでけっこう大変なんだろうなって。合致するまでに時間がかかるんじゃないかなとか。でもそこがあるから、他にはないグルーヴが生まれたりするんじゃないかと思いますね。
——やはり曲ができるまでには時間がかかったり、大変だったりしましたか?
小島 そのときによって、全然違うと思うんですけどね。
白川 合致してなくて、時間を掛けようとしたらいくらでも掛かっちゃうだろうし、つるっと行くこともたまにはあるよっていう感じですね。
——バックの楽曲は90年代にはミクスチャーと称されることも多かったですけど、そこに関してはどう感じてらっしゃいました?
小島 僕の場合は遊びで何か作りたいと思うタイプだから、その時代に引っ掛かったものを取り入れたいなって。そういう時代になると思ってたし。だから、やりたいと思ったことは恥ずかしくてもやろうっていうのは決めてましたね。頭で考えないで、まずはミーハーな気持ちでっていう。まぁ、90年代にはミクスチャーバンドに共感もありましたし。311とかとも一緒にやってましたからね。個人個人では違くても、バンドでまとまるとそういう見え方もしただろうし、時代によって言葉も変わるし。基本はそういう考え方でやってました。まぁ、ベストアルバム聴いてもらえればわかると思いますけど、わけわかんないですからね(笑)。好きなことやりたい放題で。自分でも家で聴いて笑っちゃいます、何だこりゃ!?って(笑)。
CD収録曲
- INTRO
- BACK DROP BOMB
- BOUNCE IT
- BLAZIN'
- TURN ON THE LIGHT
- YOU UP AROUND
- NEVER SEEM TO LAST
- SIGH
- Clap(toe mix)
- FLIP OUT
- REMIND ME
- MASTADABESTAH
- PERSPECTIVE
- IN ORDER TO FIND THE NEW SENSE
- BOOGIE AND SWERVE
- LIKE 8 BEAT
- graySONGzone
- GREAT VIEW
- OUTRO
DVD収録内容
- BACK DROP BOMB/Intro 1996
- Bad News Come
- Black Sky Above
- THAT'S THE WAY WE UNITE
- FLOW(it’s like that)
- CLAP
- NEVER SEEM TO LAST
- REMIND ME
- SIGH
- SIGH(cbsmgrfc classico mix)
- PERSPECTIVE
- NEVASHINEDD
- IN ORDER TO FIND THE NEW SENSE
- 撫子 Mango Fruits~FBDB Anthem:FBDB
- graySONGzone
- BOOGIE AND SWERVE
- VENOMETEORIC-1,2&3
BACK DROP BOMB(ばっくどろっぷぼむ)
1994年結成のミクスチャーロックバンド。現在のメンバーは白川貴善(Vo)、小島真史(Vo)、田中仁(G)、篭橋俊樹(B)の4人。ヒップホップやハードコア、ラウドロック、レゲエなどの要素を取り入れたサウンドで人気を博す。現在では一般的となっている複数のボーカリストを要するミクスチャーバンドの先駆者的存在として、後続たちからも熱いリスペクトを受けている。1996年8月にミニアルバム「THE NEW SOUTH HAND BLOWS AND NORTH KICK BLOWS」でCDデビュー。近年はダンスミュージックのテイストも取り入れつつ、つねに進化を続けている。
磯部正文(いそべまさふみ)
伝説的ロックバンド、HUSKING BEEのフロントマンとして1990年代より活躍。HUSKING BEE解散後の2006年に新バンド、MARS EURYTHMICSを結成し、2007年に1stアルバム「Range over hill and dale」をリリース。歌心あふれるサイドプロジェクトCORNERでもマイペースでの活動を続けている。