ASP|衝撃のデビューから4カ月、駆け抜けた日々に4人は何を思う

不安におびえていたナアユも今は昔

──ナアユさんはライブのMCで「自分を変えたい」と話していました。信念を持ってステージに立っているとも以前話していて、とてもカッコいいなと思ったのですが、以前から言っていた「自分を変えたい」というのは、別人になりたいという変身願望か何かですか?

ナアユ ナ前ナ以

ナアユ WACKの合宿オーディションに参加したのは、それまでの自分がすごく嫌いで、突発的に応募して全然違う世界に行きたいなと思ったからなんです。当時の環境も自分も嫌だったので。

──では別人になりたいわけではなくて、“理想のナアユ像”がある?

ナアユ 理想のナアユ像としては、「どうでもいっかー!」と考えすぎない人間になりたいと思っています。もともとの性格的になんでも考え込んでネガティブになりがちだったので。最近、本当に考えすぎなくなってきて、ポジティブな意味で人はいつか終わりが来るし、まあいいかってなりがちです。

──話を聞く限り、昔のナアユさんは先々への不安が強かった感じがしますね。

ナアユ ずっとびくびくしていました。人からの見られ方もそうだし、こうしたらこう思われるんじゃないかとか、前に間違えたのと同じところでまた間違えたらどうしようとか。今でも気を抜くと、褒められたときに「そんなことないんです! やめてください!」って否定しちゃいますね、昔みたいに。今の目標は「ありがとうございます!」ってニコニコ言えるようになることです(笑)。まだ「あっ、ありがとうございます……」の段階なので。褒められたのを認めることや自信を持つことが、天狗になってうぬぼれていることだと思い込んでたんですけど、実際はそうじゃない。自分を信じるのはそういうことじゃないって気付いてから自分に自信を持てるような変化の兆しがあります。それはWACKの、ASPのナアユだからできることです。

──過去のなかなか変われなかった自分がいるからこそ、1stアルバムに入っている「被害者ぶるな」のような歌詞も書ける。成長するための原動力が自分の中にあることを知っているというのはすごいですね。

ナアユ (笑顔で)ありがとうございます!

ユメカ お!(笑)

──ナ前ナ似さんあたりは参考になりそうな話ですね。

ナ前ナ似 刺さる部分がたくさんありました。こんな言い方していいのかわからないんですけど、「自分を変えたい」と言っていた過去のナアユちゃんが、今の自分に似ているなって。そうやってナアユちゃんが変わりたいと言って変わっているんだから、自分も変わらなきゃって思います。具体的に言うとなんだろうな……伝えたいことを言葉にするのが苦手で……ごめんなさい。

ナアユ 意味はわかるし、大丈夫だよ。

ナ前ナ似 ナアユちゃんはもっともっと先を見てるんですよ。練習でも満足しないで、こんなんじゃダメだよと思ってくれているからこそ、細かいところも指摘してくれるんです。でも、えーと……(涙を流す)。

ナアユ 大丈夫だよ(笑)。

──ミーティングでこういうふうになることもあるんですか?

ナアユ ナナシちゃんはその場で自分の気持ちを言うより、持ち帰って整理して、ちゃんと伝えてくれるんです。

ナ前ナ似 失言してしまわないか、すごく怖くて。お家にちゃんと持ち帰って、言葉を整理してきれいに並べてから伝えるとか、自分が他人にとって苦手な人にならないようにしていたら、すぐに言葉がでなくなってしまって。

ナアユ 大丈夫だよ! この2人(ユメカとモグ)にお願いしていいですか(笑)。

ユメカ ナアユちゃんはさっき話していた通り、変わろうとした結果、ツアーの最後は全然違ったし、ライブ中の表現もどんどん変わりました。今まで見たことのない、お客さんに食らいつくような表情に。誰かに何を思われるのかをどんどん気にしなくなってきて、自分の思うままのパフォーマンスを出せてるんだなと思うことが多くて。それはファンの方々もしっかり見てくれています。みんなどんどん加速度つけて成長してるから、本当に私もがんばらなきゃって思うんです。これまでずっと「ナアユちゃんはかわいいねー」「そのまんまでいいよ!」なんて思っていたんですけど、どんどん立派になっているから(笑)。

モグ ナアユちゃんは一緒にいるとき、話が合うので楽しくしゃべってます。めちゃくちゃかわいいから癒しの存在なんですけど、ライブ中はすごくカッコよくてさすがだなって。前から好きだったし、実際ずっと一緒にいると本当にカッコいいし、参考になります。

ナアユ (小声で)ありがとう。

一同 ははは(笑)。

ユメカの夢は叶うかな?

──ユメカさんは明るく元気で頭がよくて。明るすぎて逆に少し闇も感じるというか。

ユメカ 何をおっしゃいますか!(笑)

──ユメカさんが1年前と大きく変わったことはファンにもわかると思います。昨年のCARRY LOOSE解散という大変辛い時期を乗り越えたうえでの今がある。そう思うと喜びも倍なのかなと。

ユメカ・ナウカナ? モグ・ライアン

ユメカ 活動できることに対する思いは誰よりも強いと思います。ライブ会場に1人でもお客さんが来てくれるというありがたさが身に染みます。自分のパートにどれだけ尽くせるか、どれだけ気持ちを絞り出せるかは大切だし、込み上げてくる感情をどうやってみんなに届けるかはよく考えていますね。ひと言ひと言も大事だし、その一瞬一瞬が本当に大切だなって思っているので。

──ちなみにユメカさんがWACKに入ったきっかけはBiSHに出会ったことですよね?

ユメカ はい。前に別のアイドルをやっていた時期にBiSHさんに出会って、暗闇の中から救ってくれたんです。BiSHさんは同じアイドルシーンから見ていて、とんでもなくすごいグループだと思いました。暗闇というのは前のアイドルが解散したときで、「私はもうダメだ」と自分に絶望してたんです。大好きだったアイドルも大好きじゃなくなってしまったこともあったし、「もうアイドルはできないな」と思ったんですけど、近くにいなくても、聴く人に寄り添うような歌を届けてくれるBiSHのような存在に私もなりたいと思って。胸をギュッとつかまれるような、言葉にできない感覚を私も届けたいって。それでWACKに入りたいって心から思って、オーディションを受けたんです。

──そんな経緯でWACKに入ったユメカさんに対して、傷をえぐるようなことを言ってしまい申し訳ないですが、CARRY LOOSEではWACKに入れたのにかなりつらい経験をしましたよね。「なんでこうなるんだ」と思うこともあったでしょうし、傷付いただろうなと。

ユメカ そうですね。でも本当にCARRY LOOSEがあっての今なので、なくてはならない経験でした。壮大に傷付きましたし、膝を抱えて悩む日が続いて、それまで経験したことのない時期を過ごしました(笑)。でもそれがあったからこそ、今の私が届けられる言葉があると思うんです。

──仮にWACK加入後、いきなりASPに加入していたらそうは歌えなかった?

ユメカ そう思います。昔できなかったことが、今はできているような気がするので。私たちの思いが少しでも届いてたら本当にうれしいです。

──メンバーから見て、ユメカさんは楽しそうですか?

ナアユ 楽しそうです!(笑)

ユメカ ははは(笑)。

──ユメカさんは“ユメカ・ナウカナ?”という名前の通り、いつか夢を叶えるためにがんばっていると思いますが、この2年でつかみ始めている感覚はありますか?

ユメカ まだまだです! まだまだ私はできます。ライブを終えるたびに「やりきった!」とは思うんですけど、まだ足りてないんですよね。先に進めば進むほど、先が永遠にあり続ける世界なので、一生自分の理想をつかむことはできないのかなとも思って、続けています。

──「ユメカ・ナウカナ?」という名前の疑問形の質が、最近変わってきている感じはありますよね。

ユメカ そうですね! ツアーの最終日に話をさせていただいたんですけど、自分の名前の重みをどんどん感じるようになってきています。最初は名前にポップなテンションを感じてたんですけど、出会う人、歩んでいる道、全部が刻まれていて、どんどん熱い名前になってきています!

ASP

──ユメカさんと3人は普段どうやってコミュニケーションを取っていますか?

ナ前ナ似 主に言語で(笑)。

ユメカ ギリギリね(笑)。

ナ前ナ似 すごく頼もしいです。一緒にいて頭がいいなって思います。

ユメカ 頭よくないですよ!

──サウンドプロデューサーの松隈ケンタさんも「クレバーだ」と言ってましたね。

ユメカ いやいやノットクレバーですよ! どこで頭がいいって思ったの?

ナ前ナ似 吸収するのが上手だなって。いろいろインプットしてそれをアウトプットする情報量が多くて。やっぱり頭がいいよね?

モグ 想像以上に物事について考えてくれているし、それをちゃんと教えてくれるからグループ全体がよくなります。

ユメカ ひゃああ! そんなことないですよ! 頭いいキャラにキャラ変ですか?

ナアユ もしユメカちゃんのことをただの声のでかいバカだと思っている人がいたら、その人こそバカですよ(笑)。

ユメカ ホントに? いやーうれしい。けど困っちゃいますね(笑)。