アルテミスの翼 1stアルバム「Wings of Artemis」発売記念インタビュー|10人体制で掲げる“7つのマニフェスト” (2/3)

【公約④】
アイドル日本代表として世界へ羽ばたきます!

──YouTubeやSNSのコメント欄を見ると、海外からの書き込みが多いことに驚かされます。背景に何があるのでしょうか?

ミズキ これは自分たちでも理由が読み切れていない部分があるんです。私たちはコロナ禍に入って結成されたグループで、まだ海外公演もしたこともないですし。

カナコ 1つ言えるのは、ギリシャ神話をベースにしたコンセプトと楽曲が海外の人に刺さった部分はあると思います。MVも「聖闘士星矢」をモチーフにしていたり、日本のアニメが好きな人にはより魅力的に映ったのかもしれません。最初の頃なんてSNSのフォロワーの半分が海外の方でしたから。

カナコ・ケンタウロス

カナコ・ケンタウロス

シオリ びっくりしたのは、アルツバの情報を英語に翻訳してまとめてくれるファンの方が海外にいたことですね。それを知ったときは本当に感激したなあ。

リサ ポーランド、フィンランド、ドイツ、アメリカ……サブスクを解禁した瞬間にApple Musicから連絡が届くんですよ。「この国でランクインしました!」って。ものすごくありがたいことですけど、遠い国だから実感が湧かないのも正直なところで……。

キアラ でも冗談抜きでビジュアルの印象って言葉の壁を超えるだろうから、そういうところも大きかったのかもしれません。

カナコ アルツバはこれまで何度かメンバーチェンジをしているんですけど、海外の方からすると何がどうなっているのかピンとこなかったんだと思うんですよね。だからこそ、今の10人体制で海外ライブをやるというのは私たちにとっても大きな夢です。コロナ禍でアイドルのネット配信が進んだことも私たちにとっては追い風になっているはずなので、アイドル日本代表として世界で活躍できるグループになりたいです!

【公約⑤】
名刺代わりの1stアルバムで知名度を高めます!

──サブスクやYouTubeの浸透も影響してか、アイドルはシングル単位で聴かれることが多くなり、アルバムのリリース数が減っている傾向があります。そんな中、アルテミスの翼にとっての待望の1stアルバム「Wings of Artemis」は、相当な力作に仕上がりましたね。

カナコ はっきり言って、気合いが入っています。今の10人体制が整ったのが今年の3月なんですけど、それまでかなりメンバー編成が変わっていて。そうなるとこれまでの音源に現メンバーの歌声が入っていないという問題が出てくるんですよ。なので、アルバムでは初期曲を含めた全12曲を10人でレコーディングし直しました。現在進行形のリアルなアルツバが、この1枚に収められています。

シオリ 既存の曲を集めただけではなく、「この10人でやっていくんだぞ!」という私たちなりの決意表明になっています。

リサ アルツバは初期メンバーこそアイドル未経験者が多かったんですけど、途中からはすでにアイドルとしてのキャリアがある子が入るようになったんです。イメージとしては強いメンバーだけが集結したアベンジャーズみたいな集団で。今回のアルバム「Wings of Artemis」は自分たちで聴いても“アベンジャーズ感”が出ているなと感じます。まだアルツバを知らないという人に対して、名刺代わりの1枚になると思います。

キアラ なので、このアルバムの成果として目に見える数字が欲しいところでもあって。例えばオリコンランキングで10位以内にランクインするとか……。

リサ 初めてのアルバムだから、どれくらいの人に聴いてもらえるのか想像もつかないんですけど、この記事が出る頃にはランキングの結果もわかっているわけですよね。ドキドキするなあ(取材は「Wings of Artemis」発売前に実施。アルバムはオリコンデイリーシングルランキングで1位を記録した)。

ミズキ 先ほど話に出たリード曲「PROUD of」のMVはすごく豪華で、ここだけの話、お金もかかっているのでぜひ注目してほしいです(笑)。

キアラ 時間をかけて大掛かりなクレーンを組んで、360°撮られ続けている感じでした。SFチックなCGの合成もあったし、グリーンバックの前で曲の世界観を表現するのに苦労しましたね。完成した映像を観たときは本当に感動しました。

リサ 「PROUD of」はアルツバにとって新境地を切り拓いた曲だと思います。歌唱が難しくて、思い切り感情を込めて歌わないと聴いている人の心に響かないところがあるんです。ライブでは「ピッチを合わせよう」ということよりも、心の底からの叫びを表現するように意識しています。

シオリ アルバムには「PROUD of」以外にも「DANGER SIGN」という新曲が収録されています。これは私とオリオン・ハズキちゃんの2人がメインで歌う曲でして。雰囲気としては90年代の恋愛ソングに近い感じで、儚さを表現しつつ、少し大人っぽい一面もアピールしています。エモい1曲ですね。

【公約⑥】
誰でも楽しめるライブでアイドル界に活気を取り戻します!

──コロナ禍に入ってからアイドル業界は逆境に立たされています。解散や卒業が相次ぐ中、アルテミスの翼としてはどのようにこの状況を突破していくつもりですか?

リサ アルツバはそもそもコロナ禍の中でスタートしたグループですからね。コールで応援する文化も最初からアルツバには存在していなくて。ファンの方がコピーしやすいようにサビの振付を簡単なものにしたりと、私たちも最初から「コロナありき」で動いていました。だから「コロナでダメージを受けた」という感覚はもとからないんですよ。

フェニックス・リサ

フェニックス・リサ

カナコ ちょうど今、声出し解禁の会場が徐々に増えてますよね。それに合わせて、私たちもファンの方たちと一緒に新しいライブのスタイルを模索している最中なんです。

キアラ 今の10人体制になってから、まだワンマンライブをやったことがないんですよ。だから、早く単独でライブをやりたいというのが私の強い願いです。今は11月6日のデビュー2周年記念日に向けて前進しているところなので、そこでファンの方にいいご報告ができればと思うんですけど……。ワンマンだとお客さんの層もまた変わってくるのかな?

ミズキ アルツバのファン層は幅広いほうだよね。若い女の子もいるし、私のおじいちゃんくらいの年配の方もいるし。ファンになる入り口もさまざまで、ギリシャ神話の世界観が好きでアルツバにハマったという方ももちろんいます。

カナコ 激しく踊れる曲もあれば、じっくり聴かせる曲もある。だからこそ、いろんな方が応援してくださっているんだと思います。メンバーの顔を見渡しても、かわいい系から美人系まで幅広くそろっていますし(笑)。

リサ アイドル現場って、その文化を知らない人からすると「行っても大丈夫なのかな……?」と不安になる部分もあると思うんですよ。でもアルツバは3月末に今の体制になって、イチから作り直している状態。リスタートして、まだ半年も経たないくらいなんです。つまり今だったら誰でも古参ファンになれるし、新規のお客さんは大大大歓迎です! ライブは理屈抜きで楽しめると思うので、まずは現場に足を運んでいただけたらうれしいです。

カナコ 「誰でも楽しめる」というのは確実だと思います。実際、お客さんから「初めてアイドルのライブに来ました」という声を聞くことがけっこうあるんですよ。ギリシャ神話というコンセプトがとっつきにくいと感じる人もいるかもしれないですが、実際はその逆で、アイドル初心者にも優しいグループです。

リサ 10人体制になって、大きいステージが大好きになりました。10人がずらっと並んでいる光景は自分たちでも高貴だなと感じます。MCでしゃべり始めると、パフォーマンスから一転してメンバーの面白キャラが飛び出すし、1回観ただけで好きになってもらえる自信があります。

【公約⑦】
伸び盛りの10人体制で夢へ突き進みます!

──今、アルテミスの翼はグループとしてどこを目指しているのでしょうか? 何か具体的な目標や夢はあるんですか?

リサ やっぱり海外公演を実現させることが1つの目標ですね。せっかく遠い国から応援してくださる方がいるわけだから、その期待に応えたいとすごく思います。日本って本当にたくさんアイドルグループがいるじゃないですか。そんな中、私たちはどこか異質で、コンセプトも含めて近寄りがたいと言われることがあるんです。

カナコ 私たちには日本が狭すぎるのかな(笑)。

リサ そこまでは言わないですけど(笑)、広い世界に飛び出していけば、受け入れてくれる人がもっと大勢いるんじゃないかなと考えることはあります。

キアラ 夢としては、アニメのタイアップも狙っていきたいです! アニメをイメージした要素をちりばめたグループでもありますから。これは完全にプロデューサーさんの趣味なんですけど(笑)、アニメ好きの方が応援してくれているのも事実なので、そっち方面の支持を拡大させていきたいです。

カシオペア・キアラ

カシオペア・キアラ

ミズキ グループ結成当初は「『NHK紅白歌合戦』に出場する!」という大きな目標を掲げていたんですよ。でも、そこからメンバーが大幅に入れ替わったこともあり、いつの間にか「紅白」と口にする機会が減っていったんです。とは言え、私としてはその目標をあきらめたわけじゃなくて。もちろん口に出すだけではダメなので、目の前の目標を1つずつクリアしていくことが大事だと考えています。

リサ メンバーのまとまりが強いのもアルツバの特徴なんですけど、これには理由があって、プロデューサーさんがとにかくクセの強い人なんです。その“仮想敵国”と対等に交渉するため、メンバー10人が結束しています(笑)。

シオリ それはあるよね(笑)。ある意味、感謝ですよ。こんなに自分たちで考えるようになったのもプロデューサーさんのおかげだし。

カナコ 「ファンの方が何を求めているのか?」ということは、メンバー自身も試行錯誤しながらつかんできました。

シオリ 今、この10人体制になってすごく手応えがあるんです。結成当時の私たちはアイドルについて右も左もわからない状態で、全部が手探りでした。メンバー名やギリシャ神話のコンセプトにしても、スタッフさんから言われたことに対して「はい、わかりました」と従っていただけで。そこからいろんな苦労をしながら経験値を積み、今は自分たちで「もっとSNSをがんばろう」とか、「今はレッスンを増やしてパフォーマンス力を上げる時期」といった方向性を決めることができるようになったんです。

カナコ ここからのアルツバ、本当に伸び盛りだと思います。私は最初期から活動しているんですけど、今は「これならいけるかも」という感覚があるんですよ。自分たちでもワクワクしています。