蒼井翔太が5月9日にニューシングル「Eclipse」をリリースする。
現在放送中のテレビアニメ「デビルズライン」のオープニングテーマとしてElements Gardenがサウンドプロデュースした表題曲は、蒼井史上最もダークでエモーショナルなロックチューン。低音を多用した荒ぶるボーカリゼーションを含め、新たな魅力を存分に感じさせる仕上がりとなっている。また、カップリングにはコンプレックスと戦い、それを乗り越えた経験を注ぎ込んだ自身作詞作曲の「I am」と、蒼井が尊敬する唐沢美帆が作詞を手がけた「Distance」の2曲を併録。異なるサウンドアプローチで作られながらも共通してエモーショナルな3曲について、彼に話を聞いた。
取材・文 / もりひでゆき
叫ぶように歌いたかった
──新曲「Eclipse」は蒼井さんの新たな魅力を感じさせる1曲となりましたね。
ありがとうございます。今回は約2年ぶりにElements Gardenの上松(範康)さんが詞と曲を書いてくださったんですよ。その間に僕はいろいろな方々の楽曲を歌わせていただき、たくさんの刺激を受けることができて。そのうえで今回、改めて上松さんとお仕事させていただくことになったので、僕の成長を感じてもらえるような新たなタイプの曲を作りたいと思ったんですよね。結果仕上がったものを聴いてみるとサウンドはもちろん、歌い方に関しても今までとはまったく違う1曲になったので、ここでまた新しい引き出しを増やすことができたかなと思いました。
──「Eclipse」はアニメ「デビルズライン」のオープニングテーマとなっています。楽曲の内容や方向性に関しては、上松さんと打ち合わせをして決めていった感じですか?
そうですね。「デビルズライン」の原作を読ませていただいたうえで楽曲に関しての会議をしたんですけど、そこでイメージを打ち合わせさせていただきました。作品の持つダークな世界観の中で描かれる葛藤や、そこに加わる甘酸っぱい恋愛要素、さらには少しのセクシーさみたいなものをエモーショナルな楽曲にできればと。
──蒼井さんの中にはかなり具体的なイメージがあったんですね。
ありましたね。歌に関しても、今まではロックな楽曲であってもどこかきれいに歌ってきたところがあったけど、今回は「ピッチも気にしないで叫ぶように歌いたい」「キーも低めで、少しざらつきを加えた声で歌えたら」とお話ししました。ロックな曲は「秘密のクチヅケ」とかいろいろ歌ってきてはいましたけど、「デビルズライン」の世界に合うのはもっとダークに振り切ったものだろうなと思ったので。
──サウンドはまさに蒼井さんがイメージした通りの仕上がりになっていますよね。
はい。確実に蒼井翔太としては新しい要素を注ぎ込んでいただいた気がします。アレンジは同じくElements Gardenの藤間(仁)さんなんですけど、これもまた間違いない仕上がりにしていただけて。イメージ通りのエモーショナルな楽曲になりました。
自分の中にある“鬼”の部分を引き出せた
──上松さんによる歌詞にはどんな印象を受けましたか?
聴き手のイメージを限定する書き方はされていないんですけど、アニメに触れた方ならきっと主人公の安斎さんとヒロインのつかさちゃんの2人のことを想像できる内容になっていると思います。鬼とヒトのハーフである安斎さんの葛藤も感じることができますし。大サビのところでは切ない映像がパッと思い浮かんで、思わずグッと来ちゃいましたね。この歌詞のおかげで、「デビルズライン」の世界により深く入り込んで歌えた気がします。レコーディングはかなり難しかったんですけどね。
──先ほどおっしゃっていたように、ボーカルについても具体的なイメージがあったわけですよね。
はい。サウンド同様、歌でも今までとは違う蒼井翔太をしっかり主張したかったんです。ただ、ピッチを気にしないでニュアンスを重視して歌うことがすごく難しかった。実際に歌うと、どうしても音程が気になってしまうんですよ。そこにはかなりの葛藤がありましたね。しかも今回の歌い方は喉にものすごく負担がかかるので、あまりテイクを重ねることができない。なので、限られたテイクの中でバシッと決められるように、自分を追い込んでレコーディングしていきました。
──以前アルバム「0」の取材時に「低音ももっと磨いていきたい」といった発言をされていましたが(参照:蒼井翔太「0」インタビュー)、今回はそこを大々的にフィーチャーした感じですよね。
はい。この曲では低音でドスを効かせたような歌い方をしています。そこは自分の中にある“鬼”の部分を引き出せたかなと。実際僕の中に鬼の部分なんてあるかどうかわからないですけどね。僕は天使ですから(笑)。
──あははは(笑)。でも鬼のように荒ぶった迫力のあるボーカルになっていると思います。
天使ではあるけど、たまにはイラっとする瞬間はあるので(笑)。そういうときの感情を歌に乗せることで今回は「デビルズライン」の世界をうまく表現できたかなと思います。そこも含めて、楽曲に込めたエモさが皆さんに伝わればうれしいですね。
──楽曲の後半にはファルセットが印象的に使われているところもあって。それがいいアクセントにもなっていますよね。
そうですね。全体的にダークで低めのトーンにはなっているんだけど、でも最後はちょっと高めで終わりたいなというイメージもあったんですよ。そういう起伏、ギャップみたいなものが1曲の中にあったほうが聴いてくださる方にもきっと楽しんでいただけるだろうなって。「デビルズライン」を観ている方には、最後に向けて安斎さんの葛藤が頂点に達していくみたいなイメージで聴いていただけるんじゃないかなと思います。
次のページ »
浸食される自分
- 蒼井翔太「Eclipse」
- 2018年5月9日発売 / KING RECORDS
-
初回限定盤 [CD+DVD]
1944円 / KICM-91843 -
通常盤 [CD]
1404円 / KICM-1843
- CD収録曲
-
- Eclipse
- I am
- Distance
- 初回限定盤DVD収録内容
-
- 「Eclipse」MUSIC VIDEO+メイキング
- 蒼井翔太「蒼井翔太 LIVE 2017 WONDER lab. Ø」
- 2018年6月27日発売 / KING RECORDS
-
[Blu-ray Disc 2枚組]
7344円 / KIXM-327~8 -
[DVD2枚組]
7344円 / KIBM-732~3
- DISC 1収録内容
-
「蒼井翔太 LIVE 2017 WONDER lab. Ø」2017.11.26. 東京・両国国技館
- 零
- 奏世
- glitter wish
- HEAVEN!
- MURASAKI
- Stay With Me!!
- flower
- Powder snow
- Virginal
- ずっと…
- Always Be Together
- Hungry Night
- INVERTED
- DDD
- イノセント
- 絶世スターゲイト
- ココに
<アンコール>
- SMILE SMILE SMILE
- ブルーバード
<アンコール2>
- START!!
- DISC 2収録内容
-
- SHOUTA AOI LIVE DOCUMENTARY ~make a Ø~
- 蒼井翔太 9thシングル発売記念イベント
-
2018年7月15日(日)大阪府 animate O.N.SQUARE
OPEN 12:00 / START 12:30
内容:ミニトーク&ポスターお渡し会 -
2018年7月15日(日)愛知県 第3太閤ビル
OPEN 16:30 / START 17:00
内容:ミニトーク&ポスターお渡し会 -
2018年7月22日(日)東京都内
[1回目]OPEN 13:00 / START 14:00
[2回目]OPEN 16:30 / START 17:30
内容:トークショー&お見送りハイタッチ会
- 蒼井翔太(アオイショウタ)
- 2011年に声優デビュー。「うたの☆プリンスさまっ♪」シリーズの美風藍役で注目を集め、2016年1月にはTVアニメ「ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション」にて地上波アニメ初の主題歌と主人公役を演じた。2016年3月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催。同年10月に武道館公演の模様を収めたライブBlu-ray / DVD「蒼井翔太 LIVE 2016 WONDER lab. ~僕たちのsign~」と、シングル「DDD」を同時リリースした。2017年1月にはシングル「flower」を発表。10月に2ndアルバム「0」をリリースし、地元の福井公演を含む全国ツアー「蒼井翔太 LIVE 2017 WONDER lab. 0」を開催した。2018年5月に自身が出演するアニメ「デビルズライン」のオープニングテーマ「Eclipse」を収めたシングルを発表。高い歌唱力と表現力が評価され、躍進し続けている。