ナタリー PowerPush - ALTIMA

まだまだ未知数!アニソン界のスーパーユニットが語る未来

m.o.v.eのmotsu(MOTSU)、fripSideのsat(SAT)、そして黒崎真音(MAON)によるユニット・ALTIMAの3rdシングル「BURST THE GRAVITY」がリリースされた。アニソン界のスタークリエイター3人が結集したユニットによる今作は、現在放映中のアニメ「アクセル・ワールド」の後期オープニングテーマ。レイブミュージックを思わせる高速なテクノトラックに、同作の世界観とともにALTIMAとしての強い意思も込めたという。

ナタリー初となる今回のインタビューでは「BURST THE GRAVITY」の制作について、そしてALTIMAの歴史と未来について語ってもらった。

取材・文 / 成松哲 インタビュー撮影 / 上山陽介

 
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日本が世界に誇れるポップスはデジタルJ-POPとV系くらい

──皆さんが出会ったきっかけって、MOTSUさんがSATさんとMAONさんをスカウトしたからなんですよね?

MOTSU スカウトというか、以前からSATくんの存在をYouTubeなんかでチェックしていまして。SATくんが提唱するところの「デジタルJ-POP」、1990年代に盛り上がった打ち込みメインのアッパーなJ-POPってあったじゃないですか。僕もああいうサウンドをやりたいな、と思っていたんですよ。で、2010年の「アニサマ」(Animelo Summer Live 2010)の打ち上げ会場でお会いすることができたので「一緒にやろうよ」ってプッシュしたのがはじまりですね。

──MOTSUさんがデジタルJ-POPに興味を持った理由は?

インタビュー風景

MOTSU これまで世界のいろいろな国をライブで回ってみたんですけど、実は日本が世界に誇れるポピュラーミュージックって、デジタルJ-POPとV系くらいしかないんですよ。だから地球規模で考えたら、ああいう音楽こそが僕らの最大の武器になるんじゃないかって考えたんです。洋楽っぽいサウンドが聴きたいんなら、その国のアーティストやバンドを聴けばいいから僕がやる必要もないじゃないですか。それなら日本人が培ってきて、日本で独自に発展してきたジャンルの音楽をやってみたかった。ただ、この話を周りにしてみても、誰も動いてくれなかったんで、自分で動いてみました(笑)。

──周囲の腰が重かったのはなぜなんでしょう?

MOTSU 90年代に盛り上がりはしたものの、結局カルチャーとして成熟しないまま、ジャンルの元気がなくなっちゃったからでしょうね。

SAT そうですね。僕は2002年にfripSideを旗揚げしたんですけど、そのころのデジタルJ-POPってちょっと時代に埋もれてしまった感がありましたから。

MOTSU ただ、それはみんながあの面白さに気付いてなかっただけなんだと思うんですよ。

SAT 確かに。根っからのデジタルサウンド好きなので、この火を絶やしたくないということでfripSideの活動を一心にやってきた結果、多くの方から支持されるようになって、それこそ僕が90年代にすごく聴いていて、影響も受けたm.o.v.eやRAVEMANのメンバーであったMOTSUさんから声をかけていただけたっていうことは、みんなデジタルJ-POPのことが嫌いになったわけではないはずなんですよね。ただ、そういう僕もMOTSUさんからお話があったときは、絶対に社交辞令だと思ってましたけど(笑)。

──影響を受けたアーティストからいきなり声をかけられたら、半信半疑にもなりますよね(笑)。

SAT ところが「いやいや、本気だよ」と。何回もメールや電話をいただいたので「じゃあ」ってなったのが、僕とMOTSUさんのファーストステップなんですよ。で、MOTSUさんとも「いいよね」って話をしていたし、僕にとってはレーベルメイト、一緒にジェネオンでやっているという関係もあったのでMAONちゃんにボーカルをお願いしてみたんです。

MOTSU うん。彼女が地下活動をしていたころからチェックしていて、いいな、と思っていたので。

MAON 地下活動って(笑)。

──秋葉原での活動のことですか。

MOTSU それです。デビュー前から活発に活動していたことは知っていたし、そのときのライブ映像を観ていたんですよ。ALTIMAを始めるにあたって「ボーカルは新しい人がいいな」とは思っていたんですけど、その一方で「ステージでちゃんと歌える人がいいな」とも考えていたので。今は技術が発達しているから、スタジオでならボーカルなんてどうとでも修正できるんだけど、ステージの上ではどうやったってねつ造できないし、ごまかせないじゃないですか。だから、ステージ映えのする人、鳴り物入りの新人なんだけど、ちゃんと現場感のある人が欲しかったんですよね。

アニメタイアップという名の新巻鮭

──おふたりからラブコールがあったときのMAONさんの心境は?

インタビュー風景

MAON MOTSUさんもSATさんも大先輩ですし、そういう方からお話をいただけたというだけで、ただただうれしかったですね。これから新しいことがはじまる予感というか、おふたりと一緒に新しい音楽というか、なにか新しい風を吹かせられるんじゃないかという期待もありましたし。

MOTSU なのに、その後も業界のフィクサー、エラい方々は「えっ、ホントにやるの?」みたいな。「やりたい、やりたい」って言ってるけど、どういう座組、予算組みでやるのよ?と。例えるなら、餅の絵を描くのは上手だけど、実際の餅はどうするのよ? ちゃんと正月迎えられるの?っていう状態だったんですよ。ところがそのとき、このSATくんがですね、アニメタイアップという名のお歳暮の新巻鮭を担いできてくれたわけですよ(笑)。

──これで年を越せるぞ、と。

SAT まあ、そうと言えばそうですね(笑)。僕のところに「『灼眼のシャナFINAL』(シャナ)のエンディングテーマを」っていうお話があったので「じゃあ、ぜひALTIMAで」って提案させていただきました。

MOTSU ビジネス感覚の全くない僕と、ちゃんとそういうところまで見据えている彼。僕がただただ「やりたい、やりたい」って騒いでたら、SATくんがなんとかしてくれたんですよ。

SAT いやいや(笑)。単に「SATくんがなんとかしてくれた」という話ではなくて、MOTSUさんが「やりたいんだ!」とレコード会社の皆さんや周囲のスタッフを焚きつけたからこそ、僕の提案に乗ってきてくれたわけですから。

MOTSU 確かに「そこまで言うなら面白そうだからコイツらにやらせてみようか」って話になったのかもしれませんね。

3rdシングル「BURST THE GRAVITY」 / 2012年7月25日発売 / ワーナー・ホーム・ビデオ

収録曲
  1. BURST THE GRAVITY
  2. CYBER CYBER
  3. BURST THE GRAVITY -instrumental-
  4. CYBER CYBER -instrumental-
収録曲
  • 「BURST THE GRAVITY」PV
ALTIMA(あるてぃま)

ALTIMAm.o.v.eのmotsu(MOTSU)、fripSideのsat(SAT)、黒崎真音(MAON)により結成された3人組ユニット。2011年にさいたまスーパーアリーナで行われた「Animelo Summer Live 2011 rainbow」でシークレットゲストとして登場し、観客に大きなインパクトを残した。その後アニメ「灼眼のシャナIII-FINAL-」のエンディングテーマになった「I'll believe」「ONE」という2枚のシングルを発表。2012年7月にはアニメ「アクセル・ワールド」のオープニングテーマとなった3rdシングル「BURST THE GRAVITY」をリリースした。