まゆゆと私の思い出を返して！

──今回のMVは沖縄で撮影してますけど、リベンジ的な感覚はあるんですか？

形としてはリベンジできたけど、しっかりコンサートをやりたいです。沖縄の人に挨拶じゃないですけど、やっぱりファンの方と一緒に……っていうのはあります。でも撮影のときは晴れてよかったです。あとは、MVの撮影で沖縄の国際通りを麻友と2人で1時間半くらい歩いてたんですけど、たぶん20秒くらいしか使われてない（笑）。めっちゃ話してるんですよ。ビールを飲んだり、現地の人とイエーイ！って盛り上がったり、お土産屋さんに入ってゆきりん（柏木由紀）のお土産を買ったりとか。あの映像は今一体どこにあるんだっていう疑問はあります。

──今後、何かに使われたりはしないんですか？

しないです、絶対。あれ、返してほしい。私たちの思い出を返して（笑）。けっこういい映像いっぱい撮れてたのに残念でしたね。それくらいです、不満は。あとクソ暑かったですね。最近のミュージックビデオ撮影で一番しんどかったかもしれないです。

──全然感じなかったですけどね、映像だけだと。

さわやかでいい感じなんですけど、やっぱり日差しがすごかったし、ダンスもがっつり踊ってたんで。

──素朴な疑問なんですけど、そういう場合、汗ってCGとかで消したりしてるんですか？

全然。めちゃめちゃ汗かいてます。カットがかかった瞬間に拭いて。撮影中は気合いでできるだけ抑えてると言うか（笑）。

──MVを観ての率直な感想としては、指原さん、すげえかわいいじゃんと思いました。

ありがとうございます（笑）。うれしい！ この間、昔のミュージックビデオを観直したんですけど、当時は本当にメイクに興味がなかったんだなって。ほぼメイクしてなかったんですよ。面白い人は面白い人でいいやって感じだったんで。でも最近、人としてメイクとかちゃんとしなきゃダメなのかなと思うようになって、ちゃんとメイクするようになりました。この半年ぐらいで。

──ここ半年（笑）。

ここ半年ぐらいで、めちゃめちゃメイク濃くなりましたもん。前まではボンヤリした感じだったのが、パキッとした感じになったと思います。ずっと「ブス」ってイジられてきて、私は全然気にしないんですけど、やっぱりある程度、身なりはちゃんとしてないとダメなのかもって、やっと気付いた感じです。

──もう全然ブス枠の人じゃないですよ。

いやいやいや。まだそうだと思いますけど、とりあえず身なりには気を付けようって。

総選挙ほどつらいことはもう一生ない

──今回の総選挙は指原さんにとって最後だったわけじゃないですか。当然いろいろ考え始めますよね？

卒業ってことですか？

──ええ。

これマジなんですけど、まったく考えてないです。

──……本当ですか？

日によるんですけど、今日は考えてないです（笑）。

──「今日は」って（笑）。

「クソ！ 辞めたろうかな」ってときもあるんですけど、秋元さんにお世話になってるし、自分の突発的な感情で辞めるようなことはしたくないです。やっぱり悔しいことも多いですけどね。私は少しでもAKBでがんばりたいと思ってるのに、スタッフさんと意見が食い違ったりすると、辞めたろうかなって。でも、やっぱり今は辞めようって気持ちになってないですね。

──とりあえず選挙はやめたくなったわけですよね？

もう疲れました。

──これだけ圧倒的な票差で1位を取っても消耗するものなんですか？

しますよー！ めちゃめちゃ疲れます。それと……ファンの人が疲れてるのがかわいそうで。どうしても私は悪者扱いされるので。私は全然いいんですけど、ファンの方が「そうじゃない！ 莉乃ちゃんは本当はこういう子なんだ！」とか反論してくれたりするのを見てると、もう……私のファンの方って四十～五十代が中心なんですけど、「目が霞んで投票券が見えない！」みたいになってくるんですって。

──老眼で（笑）。

それを聞いて「もう辞めよう」って（笑）。去年の段階で総選挙はもう限界だなと思ったんですけど、秋元さんに「今回はもう出ません」とはやっぱり言えなくて。それで「今年は出ますけど、もう来年は出ないっていうスタンスでいいですか？」って伝えたら、「指原の人生だから、そこは君に任せるよ」って言ってくれて。

──本人の消耗と言うよりも、周りの消耗も含めての決断だったんですね。

うん。もちろん自分の消耗もありますよ。精神的にも体力的にもめっちゃ疲れます。終わってホッとする部分もあるんですけど複雑ですね。ただ、終わったら次の日には忘れてるんですよ、全部。あれは総選挙のときにしか味わえない感情だと思います。あんなにドキドキすることは、もう一生ないと思うし。でもファンの方の負担っていうのが理由としては一番大きいかも。

──総選挙って、残酷だからこそ面白いっていう部分もあるわけじゃないですか。

人ってそういうものですもんね。秋元さんが新しく始めた「ラストアイドル」もそうですけど。やっぱり自分たちの精神的な部分も含めていろんな人に見てもらって、今があるので。だから総選挙に出ない若手とか、自分の中では「え！」って感じです。

──ある程度がんばってきた人ならともかく。

そうです。だから私としては、さや姉（山本彩）とかゆきりん（柏木由紀）が出ないのは当然で。グループにめちゃめちゃ貢献してるし、自分のやりたいこともあるじゃないですか？ だけど若手で出ない子を見ると「出なよ」って思っちゃいますね。グループにいる限り。

──総選挙で揉まれて何か変わる部分はあるんですか？

ありますね……って言うと洗脳されてるっぽいですけど（笑）。こんな狭い中で闘い合うことってないじゃないですか。めちゃめちゃつらいですよ。あっちゃん（前田敦子）が言ってたんですけど、周りのタレントさんとかの悩みを聞くと「え！ そんなことで悩むんだ」って、びっくりするらしいんですよ。悩んでることのサイズ感に。「私たちは総選挙とかを乗り越えてるぶん強い」って言ってました。実際、私もそういう意味では、めちゃめちゃ強いと思うし。総選挙ほどつらいことって、もう一生ないと思うから。

──絶対に鍛えられますよね。

絶対に鍛えられます！

──前田敦子さんを取材したときにすごい思ったんですよ。ボクが「アイドルって大変な職業ですよね」って聞いたら、「え？ アイドルって一番簡単ですよ。誰にでもできます」って答えが返ってきて、かなりの鍛えられ方だなって（笑）。

すごいですよね（笑）。そういう意味でも総選挙は絶対に出たほうがいいと思います。いろんなことを乗り越えられるから。

──そのあと何をやるにしても。

そう。強くなりますよ。