足立佳奈の新曲「Call me」と「面影」が、10月14日に同時配信リリースされた。
この2曲は共にAbemaTVで配信中の番組「今日、好きになりました。」のために書き下ろされたもので、いずれも足立が歌詞を手がけている。オープニングテーマとなる「Call me」は、シンガーソングライター・Michael Kanekoが作曲とアレンジを手がけたさわやかなラブソング。エンディングテーマの「面影」は、Carlos K.の作曲、編曲による切ないミディアムナンバーとなっている。
8月30日にデビュー2周年を迎え、新曲のリリースと同時に20歳になった足立佳奈。今回のインタビューでは、人生における大きな節目に対しての今の心境と、シンガーとしての成長を感じさせる新曲について話を聞いた。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 笹原清明
ちゃんと届いているんだな
──8月30日にデビュー2周年記念のワンマンライブが東京・マイナビBLITZ赤坂で開催されましたね。いかがでした?
すごく楽しかったです! 今まではけっこう型にハマったライブをしていたところがあったんですけど、今回はそうではなくて。2周年の節目を迎えるにあたって、ファンの方はもちろん、いろいろな方への感謝を伝えることを一番に考えつつ、今までの経験を生かしたうえでかなり自由にライブすることができたんです。
──自由にやる難しさもありそうですけどね。
そうですね。ライブの序盤は緊張しましたし、小さなアクシデントみたいなものがあってあたふたしちゃったりもして(笑)。でも、いろいろ決め込まずにライブをすることで、今まで以上にお客さんとのコミュニケーションが取れたんですよ。その場の流れで自然と生まれたコール&レスポンスもあったし。だから、より自分らしいライブになったんじゃないかなって。
──ライブのタイトルに「HOME」という言葉を掲げていましたけど、まさにアットホームなライブになったと。
はい! ナチュラルな自分を出すこともできましたし、お客さんもすごくリラックスしてくれていたと思います。「ライブの日を待ちに待ってたよ!」とか、たくさん声をかけてもらえましたし、かと思えば曲中に涙を流して聴いてくれている女の子もいたりして。2年間活動してきたことで、自分の楽曲がいろんな方々にちゃんと届いていることを改めて実感できましたね。
欲張りなんですよね
──「HOME」では「私へ。」がキーボードの弾き語りで披露されていました。4月にリリースされたシングル「little flower」のインタビュー時(参照:足立佳奈「ひとりよがり」インタビュー)に「ピアノ弾き語りをいつかやってみたい」とおっしゃっていましたけど、それがだいぶ早く実現しましたよね。
そうなんですよ! ナタリーさんの記事を読んだファンの方が、「いつやってくれるのかな?『HOME』でやってくれるかな?」みたいなことをけっこうつぶやいていて。「わ、これは早めに実行しなくては!」と思って、一生懸命練習して挑みました(笑)。もっと力強く弾けたらいいなとか、まだまだ課題はありますけど、自分から生まれた曲を自分の演奏で歌うことで、そこに込めた思いを伝えたいという気持ちがより強くなりましたね。テンポ感も自分の中で決められるので、CDとはまたひと味違う、それこそその曲が私の家で生まれたときのような感覚でお届けできたのはすごくうれしかったです。
──ライブではアコギを弾くシーンもありますし、表現方法がどんどん増えていくのはプラスなことですよね。
まあでも今はまだ広く浅くという感じだとは思っていて。なので、1つひとつをもっと追求していって、広く深い表現ができるようになったらいいですね。
──あの日のライブを経て、デビュー3年目への新たな決意も芽生えましたか?
もっともっと楽しいライブがしたい! もちろん今までが楽しくなかったわけではないんです。でも、曲調的にアップテンポなものや音で遊んでいるような曲が増えたらもっと楽しくなると思うんですよね。ちょっと前にヒゲダン(Official髭男dism)さんの武道館公演を観せていただいたんですけど、とにかくずっとピョンピョン飛び跳ねていられるような楽しい楽曲ばかりだったんですよ。今までの私は自分の内面にあるものを曲にして、聴き手の心にしっかり響かせていく歌を歌っていきたいとずっと思っていて。今ももちろんそういう曲をやりたい気持ちはありますけど、それに加えて音を楽しめるような曲を作っていくのもいいんじゃないかと思うようになったんです。なのでこれからは歌詞やメロディを作るのと並行して、トラック制作を自分でできるようになりたいという目標もできました。
──今あるものだけに縛られず、さまざまな方向に興味のアンテナを伸ばしている感じですね。
欲張りなんですよね。あれもしたい、これもしたいっていう気持ちがすぐに出てきちゃう(笑)。音楽的な知識を得るために、最近は大好きな女性シンガーの曲だけじゃなく、日本のラッパーさんの曲や、洋楽なんかもよく聴いています。あと、私は海外ドラマの「glee / グリー」が好きで、最近また1話から観返してるんですけど。そのドラマ内では高校生の子たちが有名な曲のカバーをしていくんです。それを観ながら、「私がもし同じ曲をカバーするならどうなるかな?」「もし日本語の歌詞をあてはめてみたらどうなるかな?」みたいなこともよく考えていますね。そういう時間がすごく楽しくて(笑)。
──そういった時間が、足立さんの新たなクリエイティビティを育んでいるんですね。
今はとにかくインプットをたくさんしている段階なんですけどね。それがいつか自分の曲として形になったらいいなとは思ってます。
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想像を膨らませて