a crowd of rebellion「Ill」 PR

a crowd of rebellion|小林亮輔をフィーチャーした“最もダークな作品”を作った理由

a crowd of rebellionが7月11日にニューアルバム「Ill」をリリースした。“小林亮輔(Vo, G)の精神世界を表現したバンド史上最もダークな作品”と銘打たれた本作は、子供の声や小林の語りが入った「Prologue -Insomnia-」から表題曲「Ill」への流れでスタートし、“遺書”というタイトルの「THE TESTAMENT」で幕を閉じるストーリー性のあるアルバムだ。

昨年の結成10周年イヤーを経て、リベリオンがこのタイミングで小林をフィーチャーした“最もダークな作品”を制作した理由はなんなのか? メンバー5人に話を聞いた。

取材・文 / 石橋果奈 撮影 / 後藤倫人

a crowd of rebellionを象徴するのは“小林亮輔”

──昨年結成10周年を迎えて、今年3月には東京・Zepp DiverCity TOKYOでアニバーサリーイヤーを締めくくるワンマンライブがありましたが、ライブを振り返ってみていかがですか?

小林亮輔(Vo, G)

小林亮輔(Vo, G) 個人的には吹っ切れた日と言うか……初めてのZeppワンマンだったし生配信もあったしすごく緊張してたんですけど、徐々に緊張も解けていって最終的にすごく楽しいなあって実感できて。

──それまでのライブでは緊張していたんですか?

小林 はい。すごく緊張しいで、宮田(大作 / Vo)さんに「大丈夫だよ」って言ってもらわないとステージに出られなかったので。あの日プレッシャーを乗り切りつつライブができて、そこからなんか大丈夫になりました。

──ご自身にとって大きな意味を持つライブだったんですね。

小林 まあ……その頃いろいろあったんですよね。プライベート的なところでも、環境の変化が重なった時期で。あと新旧の楽曲を織り交ぜたセットリストでライブをやったときに、自分の曲と向き合えたことも大きいと思います。「ああ、こういうこと言ってたんだな。じゃあ嘘付かないようにやんねえとなあ」って。改めてそういうことを思えるようになったのは、10周年のライブを観てくれたお客さんの声とか、遠くで生配信を観てくれた人の存在のおかげですね。

──宮田さんにとってZepp公演はどんなものでした?

宮田大作(Vo) 10周年の締めくくりの公演だったので、終わってから自分たちはどう変わっていきたいのか、どう見せていくのか、結局やりたいことはなんなのかとか、今一度全員で考えました。ニューアルバム「Ill」はそこからの作品なんで、これまでの音源とは違って聞こえてると思います。自分らの根本にあるものをどれだけ尖らせるかをみんなで話し合って。「こうなりたいよね」「そう、俺もそう」って意見が合致して、一枚岩になって作ったアルバムなんです。自信作ですね。

──その話し合いの中で合致したものとはなんだったんでしょうか?

宮田大作(Vo)

宮田 俺から言い始めた話なんですけど、エモーショナルとか悲しみとか、a crowd of rebellionが根本に持ってるものを象徴してるものはなんなんだろうって思ったときに、それは“小林亮輔”だなって。

──リリース発表時にも、本作のことを“小林亮輔の精神世界を表現したバンド史上最もダークな作品”と謳ってましたね(参照:a crowd of rebellion、バンド史上最もダークなアルバムリリース)。

宮田 だからどれだけ亮輔を際立たせるか、どれだけ輝かせられるかが俺たちの役目だなって。それを伝えて、亮輔も自分から「輝こう」と思ったから、さっき言ってたようにライブにも影響が出てるんだと思うんです。その意見に同意してくれた各々も、自分を磨かなきゃ亮輔が光らないって思ってます。

できるだけシンプルに、歌に寄り添えるように

──丸山さんは宮田さんの考えに同意して本作を作るにあたって、どんなことを思いましたか?

丸山漠(G) 小林くんの精神世界をのぞこうかなあと。

宮田 小林くん(笑)。

小林 なんで苗字呼びなの?

丸山 俺いつも言ってんじゃん。

小林 言ってねえよ(笑)。

宮田 それさ、馬鹿にするときじゃん(笑)。

近藤岳(Dr)

丸山 亮輔に「こういう本読んでるんだよ」って教えてもらって。僕は普段あまり活字を読まないんですけど、「へえー」と思いながらその本を読んで亮輔の世界をちょっとのぞき込んで曲に生かしたっていう感じですね。

──リズム隊のお二人はどうですか?

近藤岳(Dr) 僕は普段から亮輔の悩みを聞くことも多いし、常に一緒にいるので呼吸感もわかっていて。だからプライベートで亮輔と一緒にいるときのような感覚で、彼の歌に自分のドラムが寄り添えたらと思いましたね。「もっとシンプルにできないか、もっと合わせられないか」って悩んだ曲もあって。「このフレーズ、もうちょっとなんとかできるだろう」って家で譜面を書きながら、レコーディング当日の朝まで悩んで寝坊したこともありました(笑)。

高井佑典(B) 朝になって、俺に起こされたんだよな(笑)。今回は丸山の作曲段階でもう相当考えて作ったんだろうなっていうのがわかったので、意向に沿えるようなフレーズにしようと思って。できるだけシンプルに、亮輔の歌を聴かせるための動線があるものにしようって考えながらやりました。

せっかく輝かせてもらえるなら、俺はもうやるしかない

──皆さん、小林さんという存在を一番に考えながら制作に取り組んでいったんですね。リベリオンはこれまでコンセプトを決めずに作品作りをされていたので新鮮だなと思いました。

宮田 そうですね。別に「コンセプチュアルにしよう」というわけではなかったんですけど、みんなでテーマを共有してから作り始めたので、頭の中にある共通したイメージがどんどん具現化していった感じなんです。

丸山漠(G)

──これまでは丸山さんが作ってきた難解な曲を、ほかのメンバーがフィルターをかけてより聴きやすい方向に持っていくという作り方だったと思いますが、テーマを設けることによって曲作りの方法は変わりましたか?

丸山 変わりはしないですね。

宮田 先にテーマを共有して漠自身がその頭で作ってるので、最初からフィルターを通した状態で曲が出てきたと言うか。だからこれまでと比べると難解じゃなかったです(笑)。

丸山 (打ち込んでる仕草をしながら)作ってるときに、亮輔の顔を思い浮かべながら……。

小林 初めて聞いた!(笑)

丸山 そうですね……この亮輔の性格、陰湿な……陰湿じゃないか(笑)。

小林 性格悪いやん(笑)。

丸山 滲み出てるものと言うか、悲しみとかいろいろ背負ってるものもあると思うんで、それを音として具現化できたらいいなと思って作りましたね。

──小林さんとしては、「アルバムで“小林亮輔”というものを表現したい」と提案されたときはどうでしたか?

小林 いや普通に戸惑いました。

高井佑典(B)

一同 あははは(笑)。

小林 「よし! じゃあ俺がやる!」とはならないです(笑)。さっきも言ったけど、俺はめちゃくちゃ自信がないし、4人がいてくれないと俺は成立しないっていうのもわかってて。でもその4人が言ってくれた言葉だったから、今がやりどきなんじゃないかって思いました。せっかく輝かせてもらえるなら、俺はもうやるしかないですっていう感じですね。

宮田 これまでは亮輔のことを“最終必殺技”みたいなイメージで考えてたんですけど、今回は亮輔が真ん中にずっといるみたいなイメージ。例えるなら勇者ですね。で、魔法使いの宮田大作が要所要所に出てきて必殺技を繰り出すっていう感じ。