日本初上陸!北欧を代表する配信サービス・Viaplay作品が続々とWOWOWに登場 / 至高のサスペンス「フリア~孤高の潜入捜査~」レビュー

WOWOWでは4月より、北欧を代表する配信サービス・Viaplay(ヴァイアプレイ)のコンテンツをより幅広くお届け。これまで北欧ドラマのラインナップに力を入れてきたWOWOWだが、このたびViaplayとアジア初の独占的ブランドコンテンツ契約を締結した。今後はViaplayが世界各国で展開する年間200本以上のオリジナル作品を、放送およびWOWOWオンデマンドでの配信により「Viaplayセレクション」として日本初独占放送・配信していく。

本特集では日本初上陸する注目作品をピックアップ。4月11日に放送・配信がスタートするサスペンス「フリア~孤高の潜入捜査~」をはじめとするドラマの見どころを、映画・海外ドラマライターの今祥枝が紹介する。

文 / 今祥枝

WOWOW×Viaplayがいざなう北欧ノワールの世界…

北欧からヨーロッパと北米ほか世界各地へとサービスを拡大し、グローバルに急伸中の大手動画配信サービス・Viaplay(ヴァイアプレイ)。スウェーデン、デンマーク、ノルウェーといった北欧のミステリーやサスペンスからコメディまで、あらゆるジャンルの秀作・話題作を多く抱える同サービスの作品群から、WOWOWでは年間を通じて200本以上の北欧ドラマをセレクト。この4月より、WOWOWにて日本初、独占放送・配信となる。

これまでにもWOWOWではアメリカでリメイクもされたデンマークの人気サスペンス「ゾウズ・フー・キル 殺意の深層」や、そのリブート版「ダークネス:ゾウズ・フー・キル」といった人気シリーズを放送・配信するなど、質の高い北欧ドラマに強さを発揮してきた。Viaplayと独占的ブランドコンテンツ契約を結んだことにより、これまで以上に多くの作品が放送はもちろん、WOWOWオンデマンドでも楽しめるようになる。

「フリア~孤高の潜入捜査~」 ©︎Haakon Lundkvist

「フリア~孤高の潜入捜査~」 ©︎Haakon Lundkvist

とりわけ、世界からノルディックノワールと呼ばれる北欧の犯罪小説、映画やテレビシリーズは、近年はしっかりとしたブランドを確立して注目度が高い。その特徴である寒々としたロケーションに比喩を避けた簡潔なセリフといった作風は、どこかハードボイルド調でもある。そんなノルディックノワールの最大の魅力は、北欧の福祉国家の衰退を背景とする社会問題をがっつり取り込んでいる点にあるだろう。社会の表層に覆い隠された暴力やミソジニー、性犯罪や移民・人種間の緊張関係など、暗く重いテーマを巧みに娯楽として描き出す手腕は、これぞ北欧ドラマの醍醐味! 思わずイッキ見してしまう吸引力と、今の時代を映した強いメッセージ性が持ち味だ。世界各国でリメイクもされている話題のノルディックノワールを筆頭に、さまざまなジャンルの北欧ドラマにどっぷりと浸ってみたい。

社会問題と人間ドラマが濃密に絡む
「フリア~孤高の潜入捜査~」レビュー

海外ではViaplayで2021年9月26日から配信となり、大ヒットを記録した「フリア~孤高の潜入捜査~」。ノルウェーとドイツの共同制作による大型のクライムサスペンスだ。

舞台は雄大な自然が広がるノルウェーの田舎町。牧歌的な景観とは裏腹に、増え続ける難民と過激な右派の活動家たちと住民の間には緊張感があった。そこへ地元警察に訳ありのアスゲールが幼い娘とともに赴任してくる。過去に事件の捜査中にある悲劇に見舞われたアスゲールは、それ以来ロシアのマフィアに命を狙われており各地を転々としていた。

「フリア~孤高の潜入捜査~」より、ポール・スヴェーレ・ハーゲン演じるアスゲール。©︎Haakon Lundkvist

「フリア~孤高の潜入捜査~」より、ポール・スヴェーレ・ハーゲン演じるアスゲール。©︎Haakon Lundkvist

そんな中、町では難民施設への放火や殺人事件が立て続けに発生する。民族主義的で過激な思想を持つ右派の組織が不審な動きを見せる中、アスゲールは事件に巻き込まれる中で右派のブロガーになりきった女性潜入捜査官ラグナと出会う。アスゲールにロシアンマフィアの魔の手が忍び寄る一方、身内をテロで亡くし、復讐心と使命感に燃えるラグナは窮地に陥っていく……。

「フリア~孤高の潜入捜査~」より、アイネ・マリー・ウィルマン演じるラグナ。©︎matti@bernitz.no/www.bernitz.no

「フリア~孤高の潜入捜査~」より、アイネ・マリー・ウィルマン演じるラグナ。©︎matti@bernitz.no/www.bernitz.no

冒頭から、スリリングでスピーディな展開に一気に引き込まれる。町の閉塞感や張り詰めた空気、そして暴力と人種差別が横行する中で残酷な殺人が行われ、物語はヨーロッパを揺るがす壮大なテロ計画へとなだれ込んでいく。その背景には、2011年7月22日にウトヤ島で労働党の青年69人が銃で殺害された連続テロ事件がある。世界を震撼させた事件の余波は、人々の根深い分断と憎しみの連鎖を増幅させる形で現代に暗い影を落としている。世界各地で右傾化が目立つ昨今、「フリア~孤高の潜入捜査~」は今の時代に重要な視点と問題点を浮き彫りにしながら、目が離せないサスペンスと濃密な人間模様を優れたエンタテインメントとして描ききった力作だ。

「フリア~孤高の潜入捜査~」 ©︎X-Filme/Boris Laewen

「フリア~孤高の潜入捜査~」 ©︎X-Filme/Boris Laewen

ラグナ役は「妹の体温」のアイネ・マリー・ウィルマン、アスゲール役はドラマ「EXIT」や「特捜部Q -Pからのメッセージ-」のポール・スヴェーレ・ハーゲン。主演2人の迫真の演技は本作の大きな見どころ。演出は「ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド」などを手がけるマグヌス・マルタンスほか。ノルウェーのオスロや西部海沿いの「ミッション:インポッシブル7(原題)」のロケも行われたラウマバレーなどの目を見張るような景観、ドイツのベルリンでも撮影されたロケーションも魅力的だ。

WOWOWオンデマンド限定!この2作品にも注目

北欧サスペンス「BOX21」

2022年4月1日(金)配信スタート ※全6話

「BOX21」キーカット ©︎2019 Nordic Entertainment Group. All rights reserved.

「BOX21」キーカット ©︎2019 Nordic Entertainment Group. All rights reserved.

ベストセラー小説「三秒の死角」の原作者でジャーナリストでもあるアンデシュ・ルースルンドと、自身も服役した経験を持つ故ベリエ・ヘルストレム氏の同名小説「ボックス21」を、ルースルンドが自らドラマ化。病気の母親を抱えて経済的苦境に陥ったルーマニア人のリディアは、ある男性と恋に落ちる。だが、その男に売春の世界に引きずり込まれて、異国の地スウェーデンで悲惨な目に遭いながらも組織のトップへの復讐を誓う。貧困に付け込み、人身売買を行うセックストラフィックの闇に切り込む衝撃作!

「BOX21」 ©︎Benjam Orre

「BOX21」 ©︎Benjam Orre

北欧ダークコメディ「EXIT」

2022年4月1日(金)配信スタート ※全6話

「EXIT」キーカット ©︎2021 FREMANTLEMEDIA LIMITED. All rights reserved.

「EXIT」キーカット ©︎2021 FREMANTLEMEDIA LIMITED. All rights reserved.

ノルウェーの首都オスロで稼ぎまくる4人の株式ブローカー。大邸宅に別荘、高級外車、そして美しい妻。人もうらやむ生活を送る彼らの裏の顔は、刺激を求めて酒やドラッグ、売春に明け暮れ、時には暴力も……。常軌を逸した享楽に身を委ねる“ニューリッチ”たちの日常を、ある雑誌に語られた実話にもとづいて描いたシニカルで超ダークなコメディだ。5月1日(日)より配信予定のシーズン2では、やられっ放しの妻たちの大胆な反撃が始まる!? 「犯罪心理分析官インゲル・ヴィーク」で知られるスウェーデンのベテラン、シーモン・J・ベリエルらがモラルの崩壊した成功者たちを怪演。

「EXIT」 ©︎Ingeborg Klyve

「EXIT」 ©︎Ingeborg Klyve

※「EXIT」はR15+指定相当作品

WOWOWオンデマンドとは?

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WOWOWでViaplayの作品を特集する「Viaplayセレクション」では、年間を通じて200本以上の北欧ドラマをViaplayのラインナップから日本最速で独占配信。テレビ放送との同時配信・アーカイブ配信に加え、WOWOWオンデマンドでしか観られない限定作品も目白押しだ。

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