八雲さんと大和の恋愛はアリ? ナシ?
──せっかくの機会なので、里見さんからはっとりさんに何か質問はありますか?
里見U えっ、いいんですか?(笑) 実は最近、自分の身近な人から「『八雲さん』のキャラクターはみんな根っこのところであなたに似ているね」って言われまして……。それってキャラクターが立っていないということなのかと悩んだりしたのですが、はっとり先生はそういったことは気にされますか?
はっとり それは作家性だから良いんですよ。里見さんはまだデビュー作なんだから、今はそれで十分。マンガ家って「デビュー作の中にその作家のすべてが入っている」とよく言われますけど、本当にその通りだと思うんです。この先、里見さんもいろいろなジャンルに挑戦する機会があるかもしれないけど、きっと読者から「『八雲さん』の感じが残ってる」って言われると思うんです。でもそれはすごくいいことなんですよ。
里見U そこは避けては通れないんですね。例えば、八雲さんとは異なる倫理観を持ったキャラクターを出すのはどう思いますか?
はっとり 全然アリだと思います。やってみて、微妙だと思ったら自然とやめるので(笑)。でも、試さないといつまでも自分の中で燻りつづけることになりますから。
里見U 読者がどんな反応をするのか、不安になることがあるんです。前に編集者さんから「大和の友達にはもうキスを経験済みのキャラがいてもおかしくないのでは」という話をされたとき、想定外すぎてなんかショックを受けてしまって(笑)。多分、私は「八雲さん」の世界では恋愛=結婚くらいの倫理観で物事を考えていたんです。ただ、当然キャラによっては倫理観は違うべきですし、私の倫理観だけを浸透させてしまったら「八雲さん」の世界自体が嘘になってしまう気もして……。
はっとり うーん。でも読者は今のこの雰囲気が好きだと思いますよ。だからこの状態が続いてほしいっていう気持ちもあるけれど、一方でマンネリも嫌なんですよね。僕はあまり読者の反応を気にしないタイプだけど、そのさじ加減は難しいと思います。八雲さんと大和が恋愛をする可能性を考えたことはありますか?
里見U ありますね。担当さんと「世間的に12歳差カップルってどう見えるんだろう?」という検証をしたことがあります。大和が目指すプロ野球の世界には野村沙知代さんや落合信子さんみたいな姉さん女房って結構多いので、可能性はあるんじゃないかな?って。まあ、この先2人の関係をどうするかは全然わからないですけど(笑)。
──八雲さんにも未亡人という少し影のある設定がありますが、「きにして」の金目さんにも「2年より前の記憶がない」という大きな謎があります。
はっとり そうですね。ただ、実を言うとあまり謎を解き明かそうとは思っていないんです。もちろん将来的な可能性はありますが、金目さん自身も言うほど気にしていないですよ。彼女は働き者なんですけど、若干ワーカホリックで暇になっちゃうと途方に暮れるので、そうなったときに記憶のことを考えるかもしれませんが。あとは、クリーニング屋さんを取材したときに印象的な言葉をもらって。「服を大切にしていると、その服は思い出になるし、宝物になるんです」とおっしゃっていたんです。「きにして」では「記憶」と書いて「思い出」と呼んでいますが、金目さんは自分の記憶を失っているからこそ、お客様の思い出を大切にしたいと考えている。なので「記憶がない」という設定も、彼女の仕事への誇りや願いを印象付ける設定として捉えている感じです。
コラボマンガでチェックしたい“背景”と“シワ”
──今回の新刊の発売にあわせて、「きにして」と「八雲さん」のコラボマンガが公開されました。制作を振り返ってみていかがですか?
はっとり 今回は里見さんがネームを考えてくれたんですけど、ものすごい衝撃的でした。担当さんと内容を打ち合わせしながら、リアルタイムで描き起こしていくからすごいスピードでネームができあがっていくんですよ。
里見U いや、もう恥ずかしいです(笑)。はっとりさんには熱海の背景を描いていただくために、わざわざ資料用に海沿いまで写真を撮りに行っていただいたそうで……。お手数をおかけしました。
──先ほどの会話にあったような服のシワについてのこだわりはいかがですか?
里見U 今回は普段のマンガとは違うので、手描き感を楽しんでもらおうとラフな感じに描いてみたんですが……。やっぱりシワは描いてて楽しかったです。
はっとり (原稿を見ながら)あっ、本当にボタンのシワが1つずつちゃんと描いてある! これ、わりとめんどくさくてスルーしがちな作業なんですよね。
里見U イラストのほうも金目さんと八雲さんがしっかり絡んでコラボ感が出てますよね。カラーは先に私が塗らせていただいたんですけど、はっとりさんが仕上げた金目さんの髪のグラデーションが素敵です。毛先がだんだん明るい青になっていて、透明感が出ている感じとか真似しちゃいました。
はっとり 先にカラーをやってくださったので、金目さんと八雲さんが重なったことで落ちる影を描き足せたのが楽しかったです。
里見U とてもいい仕上がりになりました。本当にありがとうございます。
──では最後に、両作品の今後の見どころと合わせて読者にメッセージをお願いします。
里見U 4巻のラストから5巻にかけて、変わらないようでいてちょっとずつ変わっていく八雲さんたちの関係性を楽しんでいただけたらなと思います。八雲さんと大和、それぞれの気持ちが1巻とはかなり違ってきていると思うので、読み比べてみるのもオススメです!
はっとり 「きにして」は日常の暮らしの中で、金目さんと地域の人たちとのつながりが見どころだと思って描いてます。今後は新しいキャラクターはもちろん、熱海のお祭りも取り上げる予定です。夏に行われる有名な祭りで「こがし祭り」というのがあって、そういうイベントも取材させていただきました。今後も金目さんの生活を体感ができるような作品を描いていけたらと思っています。
直筆イラスト&サイン入りエプロンがもらえるTwitterキャンペーン開催
「八雲さんは餌づけがしたい。」の里見Uと、「綺麗にしてもらえますか。」のはっとりみつるによる直筆イラスト&サインが入った特製エプロン2枚セットが当たるプレゼントキャンペーンを展開中。4月6日23時59分までの期間、ヤングガンガンの公式Twitterアカウント(@yg_gangan)をフォローし、対象のツイートをRTした人の中から抽選で2名にプレゼントされる。ここでしか手に入らないアイテム、気になる人は忘れずに応募しよう。
店舗特典
「八雲さんは餌づけがしたい。⑤」 2018年3月24日発売
アニメイト各店ミニ色紙
ゲーマーズ各店ブロマイド
とらのあな各店
(一部店舗を除く)描き下ろし
マンガミニ冊子
メロンブックス各店レシピ集
リーフレット
WonderGOO各店
(一部店舗を除く)ポストカードⅠ
紀伊國屋書店各店
(一部店舗を除く)イラストペーパーⅠ
丸善ジュンク堂書店
(一部店舗を除く)イラストペーパーⅡ
精文館書店各店
(一部店舗を除く)イラストペーパーⅢ
デジタル版コミックス
(電子書籍)
全国のフェア参加書店イラストデータ
「綺麗にしてもらえますか。①」 2018年3月24日発売
アニメイト各店ミニ色紙
ゲーマーズ各店初期設定リーフレットⅠ
とらのあな各店
(一部店舗を除く)初期設定リーフレットⅡ
WonderGOO各店
(一部店舗を除く)ポストカード
BOOKEXPRESS各店
(一部店舗を除く)
イラストペーパーⅠ
丸善ジュンク堂書店
(一部店舗を除く)イラストペーパーⅡ
三省堂書店各店
(一部店舗を除く)イラストペーパーⅢ
オリオン書房各店
(一部店舗を除く)イラストペーパーⅢ
メロンブックス各店スティックポスター
全国のフェア参加書店
(一部店舗を除く)しおり
デジタル版コミックス
(電子書籍)
全国のフェア参加書店イラストデータ
- 直筆イラスト&サイン入りエプロンがもらえるTwitterキャンペーン開催
-
「八雲さんは餌づけがしたい。」の里見Uと、「綺麗にしてもらえますか。」のはっとりみつるによる直筆イラスト&サインが入った特製エプロン2枚セットが当たるプレゼントキャンペーンを展開中。4月6日23時59分までの期間、ヤングガンガンの公式Twitterアカウント(@yg_gangan)をフォローし、対象のツイートをRTした人の中から抽選で2名にプレゼントされる。ここでしか手に入らないアイテム、気になる人は忘れずに応募しよう。
-
【RTキャンペーン】
— ヤングガンガン (@yg_gangan) 2018年3月23日
里見U「八雲さんは餌づけがしたい。」
はっとりみつる「綺麗にしてもらえますか。」
3/24単行本発売記念スペシャルコラボ!@yg_ganganをフォロー&このツイートをRTで
直筆サイン入りエプロン2枚セットを抽選でプレゼント!4/6(金)23:59まで pic.twitter.com/CI7LM2q2OR
- 里見U 「八雲さんは餌づけがしたい。⑤」
- 2018年3月24日発売 / スクウェア・エニックス
- はっとりみつる
「綺麗にしてもらえますか。①」 - 2018年3月24日発売 / スクウェア・エニックス
- 里見U(サトミユー)
- 東京都出身。ヤングガンガン2016年No.06(スクウェア・エニックス)に掲載された「八雲さんは餌づけがしたい。」にてデビュー。同作は既刊5巻で累計75万部を突破するスマッシュヒットとなる。2018年4月6日発売のヤングガンガンNo.08からは「八雲さんは餌づけがしたい。」と同時連載となる「マリア先生は妹ガチ勢!」を開始。
- はっとりみつる
- 三重県出身。ヤングマガジンアッパーズ2000年9号(講談社)に掲載された「イヌっネコっジャンプ!」にてデビュー。2009年から2014年まで別冊少年マガジン(講談社)にて連載された「さんかれあ」は全11巻で刊行され、テレビアニメ化も果たした。2015年から2016年にかけては、ヤングマガジン(講談社)にて西尾維新の小説「少女不十分」のコミカライズを担当。2017年からはヤングガンガン(スクウェア・エニックス)で「綺麗にしてもらえますか。」を連載している。