未熟だけどキラキラした「星屑」女子たちの物語

──実体験が土台にあるとのことですが「星屑ネバーランドガーデン」のお話は、毎回どのように作られているのでしょうか。

ネームやプロットは自分で考えて、細かい見せ方や演出の部分で担当さんに意見をもらい修正していくというパターンが多いですね。とはいえ、基本は自由にやらせてもらっていて、描きたいものを描かせてもらっているなとすごく感じています。

──プロットを考えるときに大切にしていることは？

この作品を読んだ人に、和んでほしいということですかね。だから弓月が人見知りをするきっかけとなった過去のお話も、本当は雰囲気が重たくなるから入れたくないくらいだったんです。必要なエピソードなので描きましたが、日常や現実の嫌な出来事とは、このマンガを読んでる間だけはなるべく遭遇しなくていいように。読み終わったら心がポジティブなほうを向けるように、お話を考えるときはそう考えています。

──お話が基本は1話完結で、毎回スッキリとした気持ちで読み終われるのも魅力だと感じました。Twitterなどで読者の反応をチェックすることはありますか？

よくニコニコ静画のコメントを読んでいます。最初の頃は……ズタボロに言われていたらと思うと怖かったんですけど（笑）。

──ニコニコ静画は、読んでるそのページにコメントがつけられるのが特徴的ですね。同じマンガを読んでるファン同士の一体感が楽しめるというか。

そうですね。思ったほど身構えなくても、皆さんあたたかいコメントをくれるので今は安心して見ています。ニコニコ静画がなかったら、読者の反応がわからなかったかも。

──特に反響の大きかったお話はありましたか？

3話の後半で、永遠寮のみんなが弓月に駆け寄るページは評判がよかった！ 構図がいいと褒めていただけてうれしかったんですけど……あれは担当さんにアドバイスをもらったから描けたコマなんです。

──具体的には、どういったアドバイスを？

みんなが弓月に駆け寄ってくる感じを出すため、コマからキャラクターをはみ出させて描くというアイデアをいただいて。実際に反響があったので「やっぱり、さすが担当さん」と驚きました（笑）。いつもゼロからネームを描くのは苦心していて……指示をもらって直すほうがイメージが湧きますね。

──1巻ではどんなところが見どころになるでしょうか。

ポイントになるのはやっぱり3話。1話から3話がひとつのまとまりになっていて、そこが物語の基礎になっています。弓月の心に大きな変化が起きる3話はこの作品の象徴的なお話。タイトルの「星屑」は、まだ未熟だけれどもキラキラした女の子という想いを込めています。みなさんにその姿を見ていただいて、和んだりポジティブな気持ちになってもらえるとうれしいです。