コミックナタリー Power Push - 鳥海りさこ「つばめのすぅ」
笑い飯も推薦!現役東大院生が生み出したりぼんのニューギャグヒロインはまさかの鳥人
ホストクラブごっこをよくやってました
──鳥海さんは、いつごろから絵を描き始めたんですか?
鳥海 絵を描くのは小さい頃から好きで描いてました。りぼんのイラスト募集コーナーに応募してみたり。2回掲載されたことがあって、1回目は小学4年生のときに種村有菜先生の「神風怪盗ジャンヌ」のイラストで小さいバッグをもらって、2回目は中学1年生のとき、「時空異邦人KYOKO」のイラストでシースルーポーチをもらいました。
──もらった景品まで覚えてるんですね。ずっとりぼん育ちなんですか?
鳥海 はい。割と王道の少女マンガが好きで。りぼんは中1くらいまで買ってました。それからしばらく離れてたんですけど、大学生のときに種村先生の新連載が始まるっていうのをネットで見て、また買い始めて。
──なるほど。鳥海さんのマンガって、基本的に少女マンガの文法が笑いにつながっている感じがします。学生時代の話もお聞きしたいのですが、高校生の頃はどんな女子高生だったんですか?
鳥海 えっと、私が行ってた学校って帰国子女が結構いっぱいいて。1年生のときは、クラスの半分が帰国子女だったんで、みんな「ヘーイ!」って感じで。そのころはホストクラブごっこをよくやってました。
──えっ、あの、ホストクラブごっこっていうのは……?
鳥海 えっと、まあホストになり切って演じるごっこ遊びで……。私もホストの役をやってました。
──……源氏名とかはあったんですか?
鳥海 藤原頼通って名前で。「『よっち』って呼んでね!」みたいな。
──はははは(笑)。
山本 (メモを取りながら)それもうマンガにできますよ!(笑)
──シャンパンとか入れたりするんですか?
鳥海 はい。「ドンペリいっちゃうー?」みたいな感じです。
山本 バカな女子高生だなー(笑)。
藻がレーザーで焼き殺される4コマはお蔵入りに
──そんなはっちゃけた女子高生が今度は大学に進学して。学部生の頃は何を専攻されてたんですか?
鳥海 理学部で物理を。光の研究室でクラミドモナスっていう藻の研究をしてました。学名はクラミドモナス・レインハードティ。
山本 その話を聞いて、藻がしゃべるマンガも描いてもらったことあります。4コマなんですけど、すごく地味な……。
鳥海 藻って光のあるところに集まってくるので、レーザーを当てると寄ってくるんですよ。でも寄ってきたらレーザーが当たって死んじゃうっていう切ないところがあって……。
──そういうエピソードがその4コマに入ってくるんですか?
鳥海 はい。最後のオチはそれです。レーザーで焼き殺されて終わり。
山本 藻のマンガ描いてって言った手前どうしようかと思ったんですけど、シュールすぎてりぼんには向かないねっていうことでお蔵入りになりました(笑)。
──それはいつか見てみたいです。いろいろと研究の内容が活かされてますね。
鳥海 あっ、でも私の売りを現役東大院生にしてるのは全部山本さんなので! 私じゃないですから!
山本 単行本帯の表、裏、背表紙で3回言ってますからね(笑)。
あらすじ
平凡な中学生、春日つばめのもとに現れたのは、なんと頭が鳥の転校生!! 幻術で鳥の頭を美少女にごまかして生活する謎の転校生、小石川すぅにやたらと絡まれるつばめの運命は…!? キモイ! 怖い!! 泣いちゃう? ハイブリッド☆鳥コメディ!
鳥海りさこ(とりうみりさこ)
6月14日生まれ。東京大学大学院在学中。2010年、夏の大増刊号りぼんスペシャルレモン(集英社)掲載の「つばめのすぅ」でデビュー。現在りぼんにて同作を連載中。好きな動物はもちろん鳥。好きな本は猛禽カタログ。