「テスラノート」小原好美(根来牡丹役)×前野智昭(高松隆之助役)×中井和哉(氷見恭平役)|誰が欠けてもダメ!チームワーク抜群な3人が、理想のバディから作品の魅力まで語る

TOKYO MX、BS11にて放送中のTVアニメ「テスラノート」は、幼少期から最高の諜報員として育て上げられた少女・根来牡丹と、自称ナンバーワン諜報員・クルマが、超常的な力が秘められたアイテム“テスラの欠片”の回収という世界の命運を懸けた任務に挑んでいくスパイアクションだ。コミックナタリーでは「テスラノート」の放送を記念した全3回の連載を展開中。第3回では、牡丹役の小原好美、高松隆之助役の前野智昭、氷見恭平役の中井和哉による鼎談を行った。作品の魅力はもちろん、自身が入りたい組織や、理想のバディについて和気あいあいと話す3人の様子をお届けする。

取材・文 / 粕谷太智撮影 / 武田和真

おぼろげながら知っている単語に知的好奇心が刺激されました

──「テスラノート」では天才発明家、ニコラ・テスラが生み出した“テスラの欠片”がキーアイテムとして登場します。皆さんはニコラ・テスラという人物は知っていましたか?

中井和哉 自動車メーカーのテスラがあるじゃないですか。あれがらみで、そういう人がいたんだねって、ごくごく浅い知識でしたね。あとは、オカルトとか眉唾ものの発明家のイメージもあって、でも本当はちゃんとした発明家なんですよね。この人を物語の真ん中に据えれば、マジな話にもフィクションにもできるなっていう、そういう面白さは感じました。

小原好美 私は、発明家の方だなっていうくらいしか正直、知識がなかったです。ただ、「テスラノート」を知らない視聴者の方々は「テスラ」っていう部分に、「なんだろう?」「聴いたことあるな?」って引っかかって作品に入ってもらえると思うので、視聴者を引き寄せるすごいワードをタイトルに持ってきているなと思いました。

前野智昭 隆之助としてニコラ・テスラを説明するくだりがあったので、最低限のことは調べたりはしました。でも、もともとは知識という知識はなかったですね。発明家といえば、どちらかというとエジソンのほうが最初に名前が挙がる印象でしたし、そういう人物を中心に据えるっていうのは、逆に未知数で面白いなと思いました。

左から中井和哉、小原好美、前野智昭。

──では、テスラについて皆さん未知数のまま読まれた台本の印象はいかがでした?

小原 最初に台本を見たときは、専門用語というか、スパイならではの難しい言葉たちがいきなりわーってたくさん出てくるなと思ったんです。でも、読んでみるとすごくわかりやすく、すっと頭に入ってくるようなセリフで、実際にお芝居で組み立てていったらどう印象が変わるのかな、すごい楽しみだなっていう印象でした。

中井 おぼろげながら知っている単語や、聞いたことのない話がいろいろと並べられていて、すごく知的好奇心を刺激されました。「これは史実なの?」「これはどこまでわかっているの?」みたいな話題がいっぱいあって、どういう方向に物語が展開していくんだろうなって、ワクワク感が高まるような、そんな感じでしたね。その中で、僕らみたいな何も知らない視聴者は、牡丹というキャラクターを見ていれば、面白いこととか、危ないこととか、作品の中でいろいろ体験できるんだろうなっていう期待感を感じるキャラクターになっていて。1話は特に、知ろうと思えばどんどん深堀りできる面と、ライトに楽しめそうな面という両方が提示されている感じがしました。

根来牡丹。根来忍者の末裔で技術知識ともに一流の諜報部員だが、普段は素性を隠し女子高生として生活している。

前野 スパイアクションとは伺っていたんですけど、主人公の牡丹が忍者の末裔という設定もあって、隠れ身の術みたいな忍術を駆使して物語が進んでいくのかなと思っていたんです。でも、第1話の台本に、変装や読唇術という単語が出てきて、これは本当に本格的なスパイものとして作っていただいているなと思ったのが最初の感想でした。そこから、1つの任務をこなしてキャラクターが絆を深めていったり、各キャラクターの思惑が明らかになっていったりと、スパイものでありつつ、いろんな角度から楽しめる要素がある作品だなっていう印象になりましたね。

こういう上司がいたら仕事がやりやすいんだろうな

──皆さんが演じている、牡丹、隆之助、恭平は3人とも、テスラの欠片の悪用を防ぐべく牡丹の祖父・甚吾が組織した日本安全振興株式会社に所属していますが、それぞれのキャラクターの印象を教えていただけますか?

小原 牡丹は純粋でかわいい等身大の女の子に見えるんですけど、背負っているものとか抱えているものは普通の人とは違っていて。友達は作っちゃいけないし、忍術は叩き込まれるし、自分の家族のことも謎のまま、彼女自身もどこか疑問を抱きながら育ってきた子なので、純粋な少女には見えるんですけど、いろんなものを抱えた複雑な子だなというのは正直感じていました。演じる部分でいうと、いきなり予想のつかない行動を取ったりするので、演じる私としても、「なんでそっちいく?」って思うことがあって。そこが、操縦が難しい子だなって印象でした。

中井 牡丹は元気いっぱいなんだけど、なんか根本的なところでの屈折を感じるよね。程度問題だと思うんですけど、ちょっとひねくれてるなこの子みたいな感じが、ふわっと香るあたりがたまらないですね(笑)。「初岐阜外」っていうセリフも大好きです。

小原 ははは(笑)。

前野 僕は、牡丹のキャラデザを見て泣きボクロがすごくかわいい子だなって(笑)。

小原 CGのアニメになってもちゃんと泣きボクロがありましたね(笑)。

前野 かわいい女の子だなって本当に思いましたし、未熟な牡丹がクルマに刺激されて成長を遂げていくというお話でもあるので、見ていてすごく楽しいキャラクターです。能力が高いので1人で任務を任せていても問題ないと思うんですけど、どこかほっとけない危うさもある女の子だなって思いますね。

──自身が演じる隆之助は、どうですか?

前野 隆之助は、日本安全振興株式会社の中での情報収集だったり解析だったり的確なポイントとかを割り出すブレーンですね。現場に出る牡丹やクルマをバックアップする立場で、私情を一切挟まずに任務に忠実で、よくも悪くも融通が利かない。そこは恭平さんからしても扱いが難しく、面倒くさいと思われてるんじゃないかな? 直情型の牡丹とクルマに対して、冷静な隆之助がバックアップについていて非常にいいバランスで現場は動いていると思いますね。

──恭平的には扱いづらいんじゃないかということですが、中井さん。

中井 扱いづらいのはみんなですよね(笑)。でも隆之助に関していうと、本当にクールで感情の波が少なくて。よくある、なんやかんや仲間に対しては柔らかくなっていくっていうところを、ちゃんと踏みとどまってくれるのがカッコいいなって感じます。俺はここにいるぞと言わないけど、いてくれないと困るのが隆之助ですね。

小原 隆之助さんは、チームの中で絶対にいなきゃいけない大事な人。一番冷静だけど、それだけじゃなくて、ちょっと屈折している部分もあるから面倒くさいところもあって(笑)、でもそこがまた人間らしいのかなって思います。仲良くなっていくと、ものすごく態度が変わるとかはないんですけど、人間らしい部分を、ちょこちょこ出してくれるので個人的にはすごく好きなキャラですね。

──チームのリーダー的存在の恭平はいかがですか? 個人的には中井さんが恭平を演じられるというのに少し驚きもあったのですが。

中井 あんまりキャラクターをタイプ分けはしたくはないんですが、恭平みたいな役をやらせてもらえるのがうれしいなというのは第一にありました。それは作品での立ち位置的にもそうですし、パッと見のビジュアル的にもそうですし、面白く演じられそうだなって。クルマみたいにものすごく腕っぷしが強いわけでもない、隆之助みたいに頭脳の面で特化しているわけではない。腕利きのメカニックだったという過去はあるにせよ、こういう割とシビアな問題に立ち向かうチームのチーフとしては凡庸と言ってもいいくらいの人間だと思うんですよ。

──言われてみるとそうですね。

中井 じゃあこの人は、何がよくてこの位置にいるんだろうかって考えたら、やっぱりいい人なんだろうなって(笑)。こういう人たちが集まったらバラバラになるよねっていう組織を、成立させてるのが恭平なんだろうなと、自分の中ではそういうキャラクターのつもりで演じさせていただきました。

前野 恭平さんは本当にいいチーフですよね。部下の失敗もいろいろ取り繕ってくれそうなバランサーで、こういう上司がいたら仕事もやりやすいんだろうなと思います。いざというときは頼りになるし、行動力もあるし、頭もキレる。本当に優しい先輩みたいな、非常に器の大きいキャラクターだなという印象です。

小原 中井さんの演じる恭平さんからは、優しさもありつつ、ちゃんと仕事もできますっていう上司の感じが醸し出されているんですよね。初めの収録は一緒に録れなかったんですけど、先に中井さんが収録されていた恭平さんの声が、私が声をあてるときに、想像を遥かに超えてヘッドフォンから返ってきたので、ものすごく楽しいチームになる!ってすごく感じました。クルマさんも含めて、よくこの面倒くさい3人をまとめ上げてくれているなっていうのは毎回感謝していました(笑)。