久遠寺は学校名からしてインパクト大
──前島・流石井と、篠崎の関係が、さらに展開を見せている「スケスタ」後半。全国の強豪校の生徒たちも登場し、一気に賑やかになっていますが、現場では久遠寺夢空が人気だと聞きました。
あー、久遠寺はね……(笑)。
──シングルでは「万年2位王子」で、篠崎を追ってスケートリーディングに転向した久遠寺。彼が、完全素人のアイドルグループを率いてスケートリーディングチームを結成したのは、視聴者としても衝撃でした。
彼があまりにもキラキラしすぎていて、ほかのアイドルメンバーもキラキラしているんですが、どうしても「久遠寺とその仲間」に見えてしまうという(笑)。そして彼自身も面白いけど、通っている学校名が「横浜スーパーグローバルハイスクール」というインパクトですから。ナイスなネーミングで、まさに久遠寺のためにある学校ですよね。ほかに一体どんな人が通っているのか興味あります(笑)。
──谷口さんが「横浜スーパーグローバルハイスクール」と名付けたと聞きました(笑)。谷口さんとお仕事してみて、いろいろ発見がありましたか?
求めているものがはっきりしている方だなと思いました。アニメを作るためには、たくさんの人が関わっていて、いろいろなことを計算し尽くして、作品を構築していく必要があるわけですけど、その中で「いや、こっちのほうが面白いよな」と思ったら、それまでやってきた計算を捨てられる潔さがある方なんだなと。それって、エンタテインメントの本質がわかっているからこそできることだと思うんです。計算を超えて、優先すべきエンタテインメントというものをご自分の中に持っている。これまで監督をされた作品を拝見しても感じていた部分だったので、それを目の当たりにできたのはよかったです。
固定観念を持って観始めると、意表を突かれるかも
──見どころばかりの「スケスタ」も、クライマックスへと向かいつつあります。どんどん好きなキャラが増えてきて、もう少しで終わってしまうのが寂しいです。
谷口さんが、「2期をやるなら、全員でチームを作って、宇宙人と戦わせたい」と仰っていました(笑)。
──ドリームチームが! ほんのり期待しておきます(笑)。では最後に、視聴者の方へのメッセージをお願いします。
カッコいいキャラクターや見目麗しいキャラクターがたくさん出てきますし、架空とはいえフィギュアスケートが題材なので、まずそこで興味を持った方が多いと思います。ただ、「こういうアニメだろう」とか「こうあるべき」とか、あまり固定観念を持って観始めると、意表を突かれるかも。なにせあの谷口さんの作品なので、やっていることは猛烈にスポ根少年マンガで、群像劇なんですよね。でも、「今回の作品では、誰が死ぬんだろう」と思って観ていても、誰も死にません(笑)。観ているうちにいろいろな驚きがありますから、あれこれ前情報を入れるよりは、純粋に物語やキャラクターたちを追いかけてもらうのが一番楽しめると思います。そして、敬遠している人には「もったいないですよ」と言いたい。スケートリーディングというまったく新しい競技を扱っている作品だからといって、なんの知識もいりませんし、今からでも追いかけていただきたいですね。