コミックナタリー Power Push - 「『ROCK MUSICAL BLEACH』~もうひとつの地上~」特集

黒崎一護役・高野洸×阿散井恋次役・崎山つばさ

一護と恋次、男の友情対談 前編

洸に背中を押された

──高野さんは初めて座長を務められたということで、何か心がけていたことはありますか?

高野 いやホント、最年少ですし、すごく難しいなって思ったんです。自分も仕切るタイプでもないし、なので座長だからって仕切るとかには拘らず歌稽古とかは積極的にやっていこうって、声とかしっかり出そうっていう意識は少しだけありました。

──バックステージの映像では、幕が開く前に皆さん円陣を組んで、高野さんが挨拶をしているのが印象的でした。

崎山 毎回噛んでましたけどね(笑)。「もうひとつの地上」が大体言えないんだよね。

左から高野洸、崎山つばさ。

高野 そうなんですよ(笑)。

崎山 でも洸が座長でよかったと思う。俺が稽古に入ったとき、洸はもう歌もセリフも全部完璧に覚えてたんですよ。だからちょっとヤバいと思って。ちゃんとしないとなって、そこでちょっと背中を押された感じはあります。あと洸はやっぱ、場を和ます力がある。緊張してる人もいる中で、洸も緊張してるんだけど、持ち前のキャラクターというか性格で和まされるんですよね。

──引っ張っていく座長というよりは、場を温める感じの座長だったんですね。高野さんは崎山さんのどんなところに助けられましたか?

高野 お芝居のことはもちろんなんですけど、つばささんは喉のケアとかをすごくしっかりされてたんで、いろいろ聞きました。2人とも、めっちゃ声張るんで。

──一護も恋次も、叫ぶことが多いキャラクターですもんね。

崎山 すごかったもんね、俺ら。喉のケアはいろいろあったけど、「袖のパープルショット」とか(笑)。

高野 必殺技みたいでしたよね。

──ちょっと詳しく聞かせてもらえますか……?

崎山 「パープルショット」っていう喉スプレーがあるんですけど、それを舞台袖に置いておくんですよ。で、ハケたときに毎回シュってやるのを、2人で「袖のパープルショット」って呼んでました(笑)。

高野洸

高野 あれがなかったら結構ヤバかったですね。

崎山 や、でも洸は喉強いと思ったよ。

高野 本当ですか?

崎山 うん。歌う量も多いし、叫ぶ量も多いのに。潰れかけてからが強いんだよね。

高野 潰れかけましたねー。東京公演のゲネ(公開稽古)が一番ヤバかったです。スモークに負けたのかわかんないですけど。

崎山 劇場入ってからがヤバかったんだよね。でもそこからが強かった。回復早いなって思ったよ。やっぱ一護だからかな。

高野 一護だからですか(笑)。

一護のおかげで恋次はルキアへの思いに気付きはじめる

──好きなシーンや、印象に残っているシーンはありますか?

崎山 やっぱり一護と恋次戦ですね。原作でいうと11巻。ここは自分の中でもすごく好きなシーンです。「ルキアを助けてくれ…!」っていうところは、一護と恋次の友情のシーンだから自分の中でも思い入れありますし、洸とやってて好きなシーンでもありましたね。殺陣もありますし。

高野 やっぱり恋次との殺陣はほかの、斑目とか更木とかの戦いとはまた別で。ルキアを助けるっていう同じ目標があっての戦いなのに、考え方が違うっていう。お互いに熱を高めあっていけましたし、すごく印象に残ってます。

──一護も恋次もルキアのことを思ってるんだけど、思いの種類が違う気がします。

崎山つばさ演じる恋次と甲斐千尋演じるルキア。©久保帯人/集英社・RMBLEACH製作委員会2016

崎山 しかも恋次は一護によってその思いに気付きはじめるというか。やっぱり不器用だし男臭いところがあって、「別にルキアなんか好きじゃねえし」っていうタイプなんですけど、それを一護が柔らかくしてくれたというか、解いてくれたというか。そこが男の僕からしても、すごくいいなと思いました。男の友情というか。

──東京公演と京都公演の間で原作の「BLEACH」は最終回を迎えましたが、リアルタイムで読まれていましたか? ルキアと恋次の未来についても描かれていましたが……。

崎山 ジャンプで読みました! 読んでから、演技にもちょっと影響は受けたと思います。東京公演ではそんな結末だって知らないから、自分の中では「恋次はルキアに気持ちがあるのかな」くらいのことを思って演じてたでんすけど、京都公演ではちょっとそのラストにつなげられるような恋次でやりました。でも結構びっくりしたよね?

高野 そうですね。最終回はいろんなことが詰まっててびっくりしました。でも、一護はルキアに恋愛感情を持ってないって、自分はずっと思っていたので。

崎山つばさ

崎山 洸はそこブレなかったもんね。「一護、ちょっとはルキアのこと好きでしょ」「ゼロではないでしょ」ってみんな言ってたけど、洸は「いや、ないです」って。曲げずに言ってたね。

高野 なんか、セリフとかからそう思ってましたね。あと別れ際の表情とかも、これはルキアのことを思って言ってるんだなって。自分の嫉妬とかじゃなくて、優しさから言ってるんだろうなって思ってました。

崎山 本当のところは久保(帯人)さんしかわからないけどね。

──久保さんとはお話されたりしたんでしょうか?

高野 お花とメッセージをいただきましたね。「ビジュアルを見て皆さんの汲み取ってくれてることが僕と同じだと感じました」っていうメッセージを送ってくださいました。

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  1. 本編ディスク(BD/DVD)[約178分]
    京都大千秋楽公演の模様を収録
  2. 特典映像ディスク(DVD)[約119分]
    バックステージ映像/キャスト座談会を収録
特典内容
初回限定仕様/アニメイト限定版共通

三方背ケース、デジジャケット仕様、32P特製ブックレット

アニメイト限定版特典

アニメイト限定版特典映像DVD(収録内容:「ROCK MUSICAL BLEACH」色紙に想いを込めました!)[約36分]

高野洸(タカノアキラ)

1997年7月22日生まれ。2009年、ダンス&ボーカルユニット・Dream5のメンバーとしてデビュー。「第65回NHK紅白歌合戦」や「第56回 輝く!日本レコード大賞」などに出演。2016年春より本格的に俳優活動を始めた。出演舞台に「フライングパイレーツ~ネバーランド漂流記~featuring GUY'S」「読モの掟!2016」などがある。2016年7月からは「ROCK MUSICAL BLEACH ~もうひとつの地上~」にて黒崎一護役として初主演を務め、同年12月には「ライブ パフォーマンス ステージ『チア男子!!』」に徳川翔役で出演。

崎山つばさ(サキヤマツバサ)

1989年11月3日生まれ。主な出演舞台に、「ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~」(石切丸役)、「クジラの子らは砂上に歌う」、「ノラガミ -神と願い-」、ミュージカル「Dance with Devils」*punish*vol.15「サムライモード」など。舞台×ライブのアイドルステージシリーズ「CHaCK-UP」の土星人★ドットとしても活躍中。今後の予定として、12月13日に大阪城ホールにて、12月20日、21日に両国国技館にて行われる「ミュージカル『刀剣乱舞』~真剣乱舞祭 2016~」に出演。2017年には、1月5日から12日までシアター1010にて上演される「2.5 Escape Stage『甲鉄城のカバネリ』」に出演するほか、1月26日には「崎山つばさファースト写真集『YOKU』」(徳間書店)の発売が控えている。


2016年12月14日更新