少年マンガ誌から男の子向けマンガ誌へ

──リニューアルおめでとうございます。ロゴも変わって、表紙のイメージもずいぶん変わりましたね。

大きく変えました。もっとポップな感じにしたいなというのと、少年誌のイメージよりもうちょっとマンガ誌というか、ジャンル誌に近づけたいなというのがありまして。

──「少年マンガ誌」から「男の子向けマンガ誌」へリニューアル、とのことですが、この「男の子向け」というのはどのあたりの層のことなんでしょう？

基本的には20代を中心に30代中盤から10代中盤の、「マンガを読んでいる男の子たち」ですね。ちょっと変な話に聞こえるかもしれませんが、今の世の中で少年誌を作るとなると、女性読者の目線も意識しなくてはならないんです。そこを完全に男性向けという形にシフトすることによって、男の子に好まれる絵柄、話し方、キャラクター作りに集中できるかなと。REXの読者は、9割が男性なので。もちろん女性は読むなという意味ではないんですが。

──よりマニア向けにというか、マンガ好きな人に特化していくということですね。

わかりやすく言えば、ジャンプ・マガジンの次に読む雑誌になれば、と思ってるんです。僕自身にとっては月刊コミックコンプ（角川書店）がそういう存在だったんです。年齢が上がって雑誌も選べるようになったとき、コミックコンプの「サイレントメビウス」とか「宇宙英雄物語」を読んで「これだ！」「これは僕のためのマンガだ」って思ったんです。なので、今の少年たちがそう思えるものを提供していきたいですね。

──ロゴ、内容ときて、ほかに変えたところは？

紙質や印刷方法を変えましたね。紙色が1色になって、オフセット印刷にしました。

──それはどういう理由からなんでしょう。

やはり活版印刷よりオフセット印刷のほうがきれいに刷れるので。こういったジャンル誌だと、印刷がきれいに出るに越したことはないんですよ。例えば岡崎武士さんの絵は線も細いし、活版ではきれいに出ない。線の細い作家さんも増えてきたので、それをきちんと活かすにはオフセットのほうが有効かなと。例えばTivさんの絵も、活版とオフセットで出したときでは、線の太さが全然違ったので。

──絵にこだわりのある作家さんが多いんですね。

「僕のマンガは何色の紙に刷られますか？」と聞いてくる作家さんもいらっしゃいますからね。少年誌は数色の色紙を組み合わせて作るのが通例ですが、紙色が変わるとベタなどは同じ原稿でも見え方が違ってくるんで。

──紙質が変わるということは、厚さも変わってくるんですか？

はい。今までよりページ数が多くなるんですけど、1枚あたりの厚みは以前のものより薄いので、そこまで分厚くはならないです。比較的持ちやすくて軽いはず。

──新連載も一気に始まりますしね。

3カ月かけて16本。ほんとに全部始まってくれるのかドキドキしてます（笑）。

──中でも平野耕太先生と岡崎武士先生は、一迅社の雑誌で描かれるのは初めてです。

平野先生の「アサシネ」は隔月連載でリニューアル号より、岡崎先生の「かつ子お仕えします！」はリニューアル2号目、2011年1月号からスタートします。平野先生は少年画報社以外でストーリーものの連載をするのは久しぶりですね。ご本人も目次コメントで「カク月連載」とおっしゃって下さっているので、ご期待下さい！